ベートーヴェン(1770-1827)

人物・団体ページへ

SACD

ピアノ・ソナタ第29番『ハンマークラヴィーア』 ヴァレリー・アファナシエフ

ベートーヴェン(1770-1827)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
SICC19075
組み枚数
:
1
:
日本
フォーマット
:
SACD
その他
:
ハイブリッド

商品説明


アファナシエフによるベートーヴェン解釈の総決算。

現代クラシック・ピアノ界の鬼才、9月に76歳を迎えたヴァレリー・アファナシエフが、ベートーヴェンがその生涯に残した最大のピアノ曲『ハンマークラヴィーア・ソナタ』を録音。音楽上の師エミール・ギレリスが最も得意とし、名録音を残している同ソナタについて、どうしても自分の解釈を残しておきたいと切望し、万全のコンディションで臨みました。
 ベートーヴェンのピアノ曲はアファナシエフの音楽的なルーツであり、これまで18曲の録音を残してきました。しかし第29番『ハンマークラヴィーア』については過去に演奏会で取り上げたことはなく、今回の録音が初演奏。長年作品を研究してきただけあって、楽譜の隅々にまで行き届いた慧眼は驚くべきもの。
 演奏時間は全4楽章58分で、アファナシエフの名前を世界に轟かせたシューベルトの最後のソナタ(ECM、1985年録音)を上回る遅さであり、特に22分をかけてじっくりと構築した第3楽章アダージョは吸い込まれるような漆黒の深みを湛えています。(メーカー資料より)

【収録情報】
● ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第29番変ロ長調 Op.106『ハンマークラヴィーア』
(58:05)

 第1楽章:アレグロ(17:33)
 第2楽章:スケルツォ:アッサイ・ヴィヴァーチェ(3:35)
 第3楽章:アダージョ・ソステヌート アッパッショナート・エ・コン・モルト・センティメント(22:12)
 第4楽章:ラルゴ - アレグロ・リゾルート(14:43)

 ヴァレリー・アファナシエフ(ピアノ/ヤマハ)

 録音時期:2023年6月13-15日
 録音場所:ドイツ、ヴェルニゲローデ、コンツェルトハウス・リープフラウエン
 録音方式:ステレオ(DSD/セッション)
 SACD Hybrid

 プロデューサー:ゲルハルト・ベッツ
 レコーディング・エンジニア:フィリップ・ネーデル(b-sharp Berlin)
 ピアノ調律:ゲルト・フィンケンシュタイン

【アーティストプロフィール】
1947年モスクワ生まれ。モスクワ音楽院でギレリスらに師事。1968年バッハ国際、1972年エリザベート王妃国際コンクール優勝。1974年にベルギーへ亡命、以後欧米各地で活動を開始。1983年にギドン・クレーメルと初来日して以来、定期的に来日。ピアノ演奏にとどまらず、小説・エッセイを発表する文学者の顔も持つ。現在はブリュッセル在住。現代屈指のカリスマ的ピアニスト。(メーカー資料より)


内容詳細

多くのベートーヴェンの演奏を残してきたアファナシエフが、唯一演奏会でも録音でも取り上げてこなかった第29番を、満を持して取り上げた。1音1音に息を吹きかけ磨き上げ、56分もかけて彫琢した衝撃の録音だ。(CDジャーナル データベースより)

収録曲   

ユーザーレビュー

総合評価

★
★
★
★
★

4.5

★
★
★
★
★
 
1
★
★
★
★
☆
 
1
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0
★
★
★
★
☆
ごつごつとした峻厳たる岩山を登るかのよう...

投稿日:2023/11/26 (日)

ごつごつとした峻厳たる岩山を登るかのようなハンマークラヴィーアと感じた。  ここに聴けるハンマークラヴィーアは流れも良くなく、至る所で躓かないよう歩みが遅くなる…。これは悪く言っているのではなく、そこにこそアファナシエフのベートーヴェンに対する信条告白があるように思える。音符として残されているメッセージをそれこそ一歩一歩確かめるように、踏みこんでいき、山頂に向け独りで挑んでいるような感覚を覚えた。第3楽章も独りで岩だらけの道を黙々と歩いている時のような集中と忘我の混ざり合った情感を感じた。第4楽章のフーガも岩山の厳しさに気圧されながらも全身を使って這い上るような、もはや岩山と自分自身の闘いであり、一体化にも思える。アファナシエフにとっては、それほどにベートーヴェンの存在が、そしてハンマークラヴィーア・ソナタが他を圧するほど孤高の厳しさを持っているのだろうと推察する。   胸がすくような爽快なハンマークラヴィーアを聴きたい方にはお勧めできないが、ハンマークラヴィーア・ソナタ(そしてベートーヴェン)に対するひとつの考え方がこうして提示されたことをお知らせしておきたい。

うーつん さん | 東京都 | 不明

1
★
★
★
★
★
アファナシエフのハンマークラヴィーア、ま...

投稿日:2023/11/25 (土)

アファナシエフのハンマークラヴィーア、まさに「アファナシエフならでは」である。手元計測だが、第一楽章17:34、二楽章3:34、三楽章22:17、終楽章14:43 合計58:08である。この時間を見てわかるように奇数楽章が特に遅い。第一楽章は冒頭ファンファーレからやはり遅い。そしてそこからがある意味酷いくらい遅い。聴いていると笑うしかないようなテンポ、それも遅いだけでなく、ルバートかけまくり思い切りテンポを揺らす。かろうじて2/2の拍子感は保つものの、縦の線は平気でずらす。どうしてここまでするのか、よくよく聴けば、このテンポによってベートーヴェンが書いたニュアンスがよくわかる。音の絡みが明確になる。特に内声部を浮き彫りにして、この曲を構成する要素全てを聞かせる。特に再現部を聴くとアファナシエフの意図がよくわかる。また、意外に展開部はそれほど遅くない。これは終楽章でも同様なのだが、対位法的部分では、元来曲自体が分析的なために、アファナシエフもそれほどテンポを落とさないでもニュアンスを出せるのである。 第二楽章は曲自体がコラールみたいな構造だから、丁寧に鳴らすことが主眼となる。かと言ってスケルツォらしさも保っているので、少し遅い程度、でありそんな違和感はない。ただし、トリオ部分は凝りまくっていて、主題がエロイカから来ていることを強調し、主部に戻る前の112小節では「いいか、俺は早くクリアに弾くことができるんだぞ」と言わんばかりの快速テンポとなる。 第三楽章ではアファナシエフは端正に、それこそ心を込めて弾く。この楽章の複雑なリズム感を明確にするため、一楽章でやった線をずらすようなことは一切無い。とにかく端正なのである。メーカー資料にある「漆黒の深みを湛える」はちょっと違うと思う。この楽章は従来必要以上に暗く弾かれすぎていた、ベートーヴェンがそんな闇堕ちするような曲を書くわけがない。人を救うような慰めの曲である、とアファナシエフは伝えている気がする。 終楽章は前述の通り、ある意味「本当によくできている楽章です。楽しいですよ」と言っているような感じである。普通よりちょっと遅い程度のテンポというのは第二楽章と同じ。それでも最後はやはり堂々と締めくくる。いつもの通りペダルの音を残して終わるのも彼の流儀通りである。 それにしても、やはりアファナシエフならでは、の演奏である。第一楽章の崩し方が生理的にダメな人には投げ出したくなるようなレベルだし、そもそもこんな演奏、アファナシエフだから許されるのであって、たとえば若手がこんな演奏したら「悪目立ち、炎上目的」としか思われないだろう。アファナシエフは今までそれこそ何十年も遅めのテンポで曲自体が持つニュアンスを炙り出す演奏をずっと繰り広げ、積み重ねてきた。だから我々も「アファナシエフだから」と言うことでこう言う演奏を受容できる。やはり彼ならではの慧眼ではあるものの、これが愛聴盤になるかというとやはり「?」である。あの懐かしいDENONとのブラームスほどの説得力はここにはない。しかし、この演奏は聴く人に「私の解釈をあなたもよく考えなさい。私が何を目指すのか考えることで(これを聴く)あなたにとっても世界が広がるから」というアファナシエフのメッセージが満載であり、我々に思考を強制するというとんでもないディスクである。 説得力に代わり強制力を身に纏ったアファナシエフ、もはや「クラシック界のラスボス」的存在である。

てつ さん | 東京都 | 不明

0

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

ベートーヴェン(1770-1827)

1770年12月17日(16日?):父ヨハン、母マリアの次男としてドイツのボンに誕生。 1778年:7歳でケルンでの演奏会に出演。 1781(1782?)年:クリスティアン・ゴットロープ・ネーフェに師事。 1800年:交響曲第1番を宮廷劇場で指揮。 1804年:交響曲第3番『英雄』を発表。 1805年:交響曲第5番『運命』、交響曲

プロフィール詳細へ

ベートーヴェン(1770-1827)に関連するトピックス

器楽曲 に関連する商品情報

おすすめの商品