ベルリオーズ(1803-1869)

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CD 輸入盤

幻想交響曲 ブーレーズ&クリーヴランド管弦楽団

ベルリオーズ(1803-1869)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
4534322
組み枚数
:
1
レーベル
:
Dg
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明

ベルリオーズ:幻想交響曲
ブーレーズ指揮クリーヴランド管弦楽団
 旧盤があくまで、大規模なモノドラマ《レリオ、または生への回帰》(ナレーターにはかつての雇い主バロー)との組み合わせで、考えられレコーディングされた演奏であるのに対し、新盤はユニークな合唱作品《トリスティア》との組み合わせであり、良くも悪くも後期ロマン派的でグロテスクなアプローチから、前期ロマン派の時代性を鑑みたアプローチへの変質・手法の転換が窺われます。
 大仰でグロテスクな表情を避け、全体を一貫する調子に保ち、あくまでシンフォニックな統制の中に多彩な表現法を展開する方法論でもあり、驚異的な耳の良さ、頭の良さがつくりだす一点の曇りも無い解釈がすごいとしか言いようがありません。それはまた、現代最高のオケの機能を最大限生かす洗練された論理の反映でもあり、旧盤当時のブーレーズの下では意外にアバウトな演奏をするロンドン交響楽団と、精密な音化に徹したプロフェッショナルなサウンドが持ち味のクリーヴランド管弦楽団との差に起因するものでもあります。
 もちろん指揮技術、リハーサル技術の向上も見逃せないところで、旧盤のブーレーズには、現在の職人的手腕の卓抜さはなく、合奏の荒れも散見されるのですが、それがまたグロ表現とは妙に馴染むのもまた事実。アポロ的新盤とは様々な意味で対照的な旧盤ですが、テクノロジーの時代でもある現在の音楽環境に馴染むのはやはり新盤でしょう。
 実際、クリーヴランド管弦楽団のうまさは驚異的です。木管・金管グループの均質に整えられた音調と、あくまで抑制の効いた枠の中での色彩表現により、これまでに無い微細なフレーズへの組織的配慮がみごとに達成されているのです。
 ぴしっと決まった音程の良さ・小気味よさも成功の要因。激した部分でも不要なうるささがなく、音圧・音力に呼応した表情を的確にあらわすため、勘所のティンパニやグラン・カッサ(大太鼓)が壮烈な効果を挙げることになっています。
 オフィクレイドやセルパンなどの古楽器まで使ったピリオド演奏(時代考証)の、ある意味では対極にある手法とも言えますが、20世紀も終わりに近づき、極限といってよい発達を遂げたオーケストラの技術を最大限生かし、ベルリオーズの示す種々の技法を洗練されたレトリックに昇華させたアプローチはやはり素晴らしいものとしか言いようがありません。
 プログラム・テクスト重視の標題遵守派とは異なる立脚点が、オーケストレーション本来の修辞の原理を際立たせ、作品から新鮮な美の姿を抽出した名演と位置付けてまず間違いはないところです。
 ホールの残響を適度にとり入れながら、ディテールから重低音まで見事に捉えた録音も称賛に値します。旧盤との印象の違いはまずここにあるのですが、旧盤も適切な音質調整(高域抑制)を施せば十分なクォリティが確保されるので、その上で新盤と比較されるのがベターでしょう。

収録曲   

  • 01. Visions and Passions
  • 02. Un Bal: Valse, Allegro Non Troppo
  • 03. Scene Au Champ, Adagio
  • 04. Marche Au Supplice, Allegro Non Troppo
  • 05. Songe d'Une Nuit du Sabbat
  • 06. No 1: Meditation Religieuse
  • 07. No 2: La Mort d'Ophelie
  • 08. No 3: Marche Funebre Pour la Derniere Scene

総合評価

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これといった面白みもない、極めて平凡なつ...

投稿日:2021/01/12 (火)

これといった面白みもない、極めて平凡なつまらない幻想であった。

じじちゃん さん | 北海道 | 不明

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ブーレーズらしい均整がとれ且つ太さのある...

投稿日:2017/12/31 (日)

ブーレーズらしい均整がとれ且つ太さのある演奏です。音質も非常に良いです。

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若いころは、テンポを大きく動かし、フィナ...

投稿日:2012/08/14 (火)

若いころは、テンポを大きく動かし、フィナーレに向けてアッチェレランドをかけ、テンポが速いほど良い演奏などと思っていた。馬鹿だった。 ブーレーズの新盤はあまりテンポを動かさず、音の振幅の大きさと楽器間の絶妙なバランス、丁寧なアンサンブルでこの曲を聞かせる。ぬるい演奏では決してない。

七味とうがらし さん | 新潟県 | 不明

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