三文オペラ 岩波文庫

ベルトルト・ブレヒト

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784003243916
ISBN 10 : 4003243919
フォーマット
出版社
発行年月
2006年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
15cm,285p

内容詳細

俗臭に満ちた登場人物たちが繰り広げる一大茶番劇。悪党が恩赦によって処刑寸前で唐突に救われるという皮肉たっぷりの結末は、いかにも「叙事的演劇」を唱えたブレヒト(1898‐1956)らしい。劇中に挿入された多数のソングは、クルト・ヴァイルによって作曲され、その魅力と相俟って最もポピュラーな作品となった。新訳。

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ヴェネツィア さん

    世に名高い作品だが、もともとは作曲家クルト・ワイルとの共作による、文字通りのオペラだった。戯曲としてはイギリスのジョン・ゲイによる『乞食のオペラ』をブレヒトが改作したものである。ある意味では相当に難解な作品である。それは、登場人物たちが形而上的なセリフを並べるからではない。彼らの語るセリフは、警視総監のブラウン以外、およそ教養からは遠いものだろうし、プロットも実に明瞭だ。にも関わらず、マクヒィスは2度も逮捕され、最後には馬上の使者が現れるのだ。ブレヒト自身の注があるが、それで納得できるというものでもない。

  • NAO さん

    老後の保障だと思っていた娘が盗賊団の首領と結婚したと知るや、その相手を警察に売る父親。警察とツーカーの盗賊団の首領。逮捕された盗賊団の首領が恩赦で釈放と、悪がはびこる様を手厳しくに風刺している。悪がはびこるのは「本当の世界では、救いの神は来ない」とは、なんという痛烈な皮肉だろう。

  • たつや さん

    名作らしいですが、古典的戯曲で、台詞回しは軽快。今でも高校や大学の演劇部で演じられていそうと思う。「一体、人間はなんで生きるんだ」の台詞は好き。

  • 阿呆った(旧・ことうら) さん

    [戯曲]作家による戯曲と音楽組み合わせた新しい試みらしい。◆内容は、『水を清くしようとしても、貧乏な魚は棲めない。それよりまず、餌持って来いや!(道徳よりも生活が先)』といったところ。

  • syota さん

    一応19世紀の話だが、ビーチャム商会のシステムを見ると、実際にはカルテルやトラストが横行した20世紀初頭が舞台だと思う。既成の社会秩序や道徳に対する反発や皮肉に満ち、卑猥で活気に溢れている。中でも一番強烈な皮肉は、わざとらしい最後のハッピーエンドだろう。音楽劇の台本として書かれているため、読了後ワイル作曲の音楽をYou Tubeで聴いてみた(ロッテ・レーニャほか)。オペラというよりミュージカルに近い。猥雑で皮肉な歌詞とノルスタジックな旋律の組み合わせがなんとも言えず魅力的で、特に序幕と第1幕はオススメ。

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ベルトルト・ブレヒト

ドイツを代表する劇作家、演出家、詩人。1898年ドイツ・アウグスブルク生まれ。1917年にミュンヘン大学入学、1918年に第一次世界大戦に召集され野戦病院で勤務、同年に最初の戯曲『バール』を執筆。1922年にはミュンヘンで初演された『夜打つ太鼓』で脚光を浴び、1928年に代表作となる『三文オペラ』で

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