ブリアンナ ラバスキス

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葬られた本の守り人

ブリアンナ ラバスキス

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784093567497
ISBN 10 : 4093567492
フォーマット
出版社
発行年月
2024年05月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
466p;19

内容詳細

本を守ろうとする3人の女性を描く歴史小説

1933年ベルリン。文化交換プログラムの参加のためにドイツに招待されていた米国人新人作家アルシアは、反政府活動に参加していたユダヤ人女性ハンナとともに、ナチスに洗脳された学生らによる焚書に居合わせた。
1936年、ナチスを逃れベルリンからパリに渡ったハンナは、自らの過ちを悔いながら〈焚書された本の図書館〉で働いていたが、パリにもまた、ファシズムの波は押し寄せていた。
1943年ニューヨーク。戦地の兵士に本を送る「兵隊文庫」プログラムに従事する戦時図書審議会広報部長のヴィヴは、「兵隊文庫」の検閲を推し進める議員に抵抗し、検閲の危険性を訴えるイベントを企画していた。
戦時下の3つの時代、3つの都市を繋ぎ、それぞれに本を守ろうとする3人の女性を描くシスターフッド歴史小説であり、この上なく美しい恋愛小説であり、本を愛するすべての人に送るビブリオフィリアの物語。


【編集担当からのおすすめ情報】
第二次世界大戦中、アメリカには書店員、出版社、図書館員、作家によって「戦時図書審議会」が設立され、戦地の兵士に本を送る「兵隊文庫」プログラムが行われていました。過酷な戦地において、本は兵士の唯一の気晴らしであると同時に、士気や知力を高め、思考を深めるための「武器」でもあったそうです。
本作は、この「戦時図書審議会」の存在にインスパイアされた著者によって生み出されました。戦争後期のアメリカでの、為政者の検閲に対する審議会の闘い、そして一方、ファシズムが欧州全土に台頭していく大戦前夜のドイツで、独裁者によって本が迫害されていく様子も描かれます。
そのなかで、3人の女性たちが時に絶望しながらも時代と国を超えて繋がり、本を守ろうと闘う姿と彼女たちが語る言葉には、本を愛する誰もが胸を熱くすることと思います。
世界各地で戦争が起きている今こそ、手に取って、改めて本の力を再認識して頂きたい、そんな1冊です。

【著者紹介】
ブリアンナ ラバスキス : ペンシルベニア州ハリスバーグ生まれ。ペンシルベニア州立大学を卒業し、ジャーナリズムの学位を取得。10年間にわたり報道機関で政治記者として働き、2016年に歴史ロマンス小説『かりそめの婚約(One Step Behind)』を発表

高橋尚子 : 1983年石川県生まれ。北海道出身。早稲田大学第一文学部英文学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • がらくたどん さん

    「特定の本以外読むのを禁じられたら?」現在の日本では現実味を感じなくても僅か80年前にはあったことで将来ないとは言えないこと。政権交代後のドイツ・第二次世界大戦前夜のフランス・大戦末期のアメリカを舞台にナチに招待されたアメリカ人新人作家・ドイツから亡命した「焚書された本の図書館」職員・夫が戦死した「戦時図書審議会」の広報担当者という三人の女性の本を護りたいという思いと行動が交錯する。この堅いテーマを恋愛・裏切り・駆け引きのエンタメの中にしっかりと包み込んで見事。本はまず読まれて読者の心を揺らすべきもの♪

  • アーちゃん さん

    舞台は第二次世界大戦、1943年ニューヨークで戦地の兵士に送る「兵隊文庫」に従事する未亡人のヴィヴ、1932年ベルリンでアメリカ・メイン州からゲッペルスによりドイツに招待されたアメリカ人新人作家のアルシア、1936年パリで祖国ドイツから逃れ<焚書された本の図書館>に勤めるユダヤ人のハンナ。3つの時代・都市と3人の女性が「本」を守るべく闘うというストーリーは過去だけのものではなく、アメリカで現在進行形だという”禁書”運動に対しても疑問を投げかけている。著者のあとがきと共にぜひ読んでもらいたい一冊。

  • ろくいち さん

    第二次大戦中、ヒトラーによる焚書が行われたベルリン。ドイツ軍侵攻前のパリ。アメリカから戦場にむかう兵士に本を送る兵隊文庫を規制する法律を阻止するための奮闘、少しずつ異なる時期の、本に関わる3人の女性を描いた小説。興味深い題材、3つの物語の人物に繋がりがみえてきて、と気になる部分も多かったしおもしろかったんだけど、なんだろう、翻訳が合わなかったのか。中々進まず、かなり時間がかかってしまった。でも、野球をする場面や、焚書の夜など印象的な場面もたくさんあった。こちらの調子が良い時に読めばまた違うかも。

  • フランソワーズ さん

    「本への攻撃、理性への、知識への攻撃は、取るに足らぬ内輪もめなどではなく、むしろそれは、”炭鉱におけるカナリアの死”を意味するのです」(p424)。ナチスに招待された、アメリカの若い女性作家アルシアと、パリでナチスドイツの侵攻を危惧する図書館員ハンナ。そして戦場で戦う兵に送られる「兵隊文庫」に規制を加えようとするアメリカの上院議員タフトに対して反対運動を起こそうとするヴィヴ。それぞれ異なる境遇にある三人の女性が、「本を焼く者は、やがて人も焼くようになる」(ハイネ)をいう危機感を抱いて、政治に立ち向かう。→

  • おだまん さん

    1933年ナチス政権下ドイツでの焚書をきっかけに描かれる3人の女性たち。シスターフッド、ミステリを交えて時代や主人公が交差しながら本を巡りひとつのミッションに繋がっていく歴史小説でもあり。この時代特有の重さよ。ここでもすべての見えない光が見えるよう。

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ブリアンナ ラバスキス

ペンシルベニア州ハリスバーグ生まれ。ペンシルベニア州立大学を卒業し、ジャーナリズムの学位を取得。10年間にわたり報道機関で政治記者として働き、2016年に歴史ロマンス小説『かりそめの婚約(One Step Behind)』を発表

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