世界トップ・トロンボーン奏者バウスフィールドが魅せるトロンボーンのさらなる可能性
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団ソロ首席トロンボーン奏者、イアン・バウスフィールドの待望のセカンド・アルバムです。今回は、ウィーン・フィルの仲間であるヴァイオリニスト、和樹・ヘーデンボルク、そしてピアニスト、岡田博美でアンサンブルを組み、ベートーヴェンのトリオとソナタ、そしてブラームスのトリオを収録しました。
最大の聴きどころは、ホルンやファゴットのために作曲された作品を、トロンボーン用にアレンジすることなくオリジナルの譜面そのままでで演奏している、というところ。バウスフィールドの妙技が光ります。そして、同じくウィーン・フィルのメンバーで期待の若手ヴァイオリニスト、和樹・ヘーデンボルクの軽やかなヴァイオリン、ピアニスト岡田博美の華麗なピアノが、バウスフィールドの演奏をさらに盛り立てます。(カメラータ)
【収録情報】
・ベートーヴェン:ソナタ ヘ長調 作品17(原曲:ホルンまたはチェロとピアノのためのソナタ)
・ベートーヴェン:三重奏曲ト長調 WoO.37(原曲:フルート、ファゴット、ピアノのための三重奏曲)
・ブラームス:三重奏曲変ホ長調 作品40(原曲:ホルン三重奏曲 変ホ長調)
イアン・バウスフィールド(トロンボーン)
ヴィルフリート・和樹・ヘーデンボルク(ヴァイオリン)
岡田博美(ピアノ)
録音:2009年6月/ウィーン
【イアン・バウスフィールド(トロンボーン)】
1964年、ヨーク生まれ。7歳でトロンボーンを始め、最初はトランペット奏者である父親の指導を受けた。13歳でナショナル・ユース・ブラスバンドのトロンボーン独奏者になり、ヨークシャー・インペリアル・バンドでは4年間トロンボーン独奏者を務め、その間にバンドはブリティッシュオープン、全国大会、ヨークシャー地区大会で優勝を果たしている。
1979年には史上最年少でロンドン交響楽団音楽奨学金を獲得し、1980年にはヨーロピアン・ユース・オーケストラに加入、クラウディオ・アバドのもとで2年間過ごした。ロンドン・ギルホール音楽学校で学んだのち、マンチェスター・ハレ・オーケストラの首席トロンボーン奏者となり、1988年から2000年までロンドン交響楽団の首席トロンボーン奏者を務め、その後はウィーン国立歌劇場/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団に入団した。ロンドン交響楽団時代には『スター・ウォーズ』、『ブレイブハート』、『タイタニック』ほか数々のサウンド・トラックで演奏しており、映画音楽はロンドンでのオーケストラ生活で、非常に大きな部分を占めていた。
オーケストラの仕事のかたわら、ソロ活動も極めて精力的に行っている。ソリストとして世界有数のブラス・バンドと定期的に共演し、アリソン・プロクター(ピアノ)とともに世界各地に出かけてリサイタルを開いている。ロンドン交響楽団だけでなく、ハレ・オーケストラ、札幌交響楽団、イ・ソリスティ・ディ・ペルージャと何度も共演している。また、ソリストとして国際トロンボーン・フェスティヴァルに1997年、2002年、2006年に3度出演している。彼のCDにはロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、BBCフィルハーモニー・オーケストラ、ブラック・デューク・ブラスバンドとの共演がある。また、アリソン・プロクター伴奏でトロンボーンとピアノのCDを2作制作している。1作はEMIの「ヴィルトゥオージ」シリーズの1枚で、もう1作は2007年にカメラータから発売されたフランス音楽作品集、「ソロ・トロンボーン」である。
1992年には英国王立音楽院の教授に任命され、現在もその地位にある。また最近では、教授として最高の栄誉である名誉会員の資格を授与された。彼はジュリアード音楽院や、インディアナ、イリノイ、トロント、モントリオール、南テキサスの大学でリサイタルやマスター・クラスやワークショップを開催しているだけでなく、英国ナショナル・ユース・オーケストラ、ナショナル・ユース・ブラスバンド、パシフィック・ユース・オーケストラ、スイス・ナショナル・ユース・ブラ
スバンド、マイアミ・ニュー・ワールド・シンフォニーを指導している。また、タングルウッド音楽祭ではエンパイア・ブラス・クインテットのゲストとして客員教授を務めている。2007年9月にはARDミュンヘン国際音楽コンクールの審査員を務めた。(カメラータ)