ファン・ビジョーロ

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証人 フィクションのエル・ドラード

ファン・ビジョーロ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784801007451
ISBN 10 : 4801007457
フォーマット
出版社
発行年月
2023年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
594p;20

内容詳細

ヨーロッパの大学で文学を研究するフリオ・バルディビエソはサバティカル休暇を取得し、24年ぶりに祖国メキシコへと帰還する。従妹ニエベスとの淡い記憶、親族との再会、旧友との思いがけぬ邂逅を経るうちに、無数の思惑に囲まれたフリオは不穏な事件に巻き込まれていく…。政権交代を果たした転換期のメキシコを舞台に、自身の記憶と祖国の記憶を重層的に描き出した、鮮烈な歴史=物語。

【著者紹介】
フアン・ビジョーロ : 1956年、高名な哲学者ルイス・ビジョーロの子としてメキシコシティに生まれる。旧東ドイツのメキシコ大使館勤務、ラジオ番組の製作やジャーナリストを経て、本作『証人』(2004年)によってエラルデ賞を受賞。歴史・社会の諸問題やポップカルチャーにまで精通する博識さで、小説や戯曲だけでなく、時事評論や文化論、児童文学まで手がけるメキシコの代表的作家

山辺弦 : 1980年、長崎県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。現在、東京経済大学准教授。専攻、キューバを中心とする現代ラテンアメリカ文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • kankoto さん

    水声社フィクションのエル・ドラード、帯にはロベルト・ボラーニョの言葉、これは読みたくなってしまう。 登場人物が多く、従妹との過去の恋愛、マフィアの抗争、叔父の住む地方を舞台に番組を制作しようとするテレビ局。 読み進められたのはやっぱりこの小説に溢れている熱が好きだからだろうと思う。色んな人間が出てきて楽しい。ハードボイルドだったり、時々印象的な美しい光景が描かれるから。彼自身の罪も露わになり物語は進んでいく。敵対していた友人との関係、彼の家族、そして彼の未来、個人的にはこう終わるんだと意外な感じもした。

  • フランコ さん

    好み:9/10 長期休暇でヨーロッパから遠く離れた故郷メキシコに帰り、ニエベスとの実らなかった近親相姦的恋愛の記憶を中心に過去を彷徨うフリオを追うため、なかなかパーソナルですんなりとは入ってこなかったが、メキシコの複雑な政治史などが絡み重厚感のある読書体験。 さまざまな場面でメタファー的に使われる「証人」などの詩的な書きっぷり、ユーモア全開の10章、それまでの不穏さが暴力として結実する20章など、章ごとにトーンがまったく異なることが多く著者の引き出しの多さも感じる。

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