ビリチスの歌 現代日本の翻訳

ピエール・ルイス

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784061962774
ISBN 10 : 4061962779
フォーマット
出版社
発行年月
1994年06月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
365p;16

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読書メーターレビュー

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  • へくとぱすかる さん

    古代ギリシャの架空の女性詩人に仮託して綴った長編詩。古代らしいおおらかな性愛と、ビリチスの青春から死に至るまでの物語である。古代ギリシャといえば、西脇順三郎の現代詩「Ambarvalia」が有名だが、モダニズム的に乾いた西脇作品とは違って、世紀末の雰囲気に満ちた愛欲を、息が詰まるような文体で描く。美しく華麗であるがゆえに、墓碑銘で終わる構成が、何ともいえず悲劇的。原詩も日本語訳も、失われた古代地中海世界の雰囲気を生むために、おそらくは文体や言葉に研究と工夫が行われただろう。まさに詞華集である。

  • syaori さん

    理想の美の世界を己のペン1本で再現しようとした若きルイスの野心と才能が溢れる一冊です。ビリチスは紀元前6世紀頃のギリシアの詩人で、この本は彼女の詩の翻訳です、ルイスはそう偽ってこの本を出版しました。専門家も欺いたというこの本を読んでいると彼女が本当に古代ギリシアに生きていた人物のような気がしてきます。そうして彼女に触れたと思ったらそれが虚構であることに気付き愕然とします。この本の世界は「まことにもろく、人の手が触れるや否や、塵となつてくだけ散つ」てしまうのですが、だからこそ魅かれずにはいられませんでした。

  • アイアイ さん

    エロティックですがゆったりした文体にドキドキしました。

  • rinakko さん

    “川に沿うて、妾(わたし)は去つた、うら悲しく、たつたひとりで。けれども周囲(まはり)を見廻すと、大きな木々の後ろから、青い眼の月が妾(わたし)を見送つてゐた。”(青い眼の月) “それは、地上に 夜の薔薇の薫に勝る聖(きよ)らかなものがないから。”(夜の薔薇) “何といふ国へ来たのか、ここではこれが恋だとは、一体この島は何だらう。こんなに疲れてゐなければ、夢だと思ふところだわ……これがプサップファさまだとは、本当かしら。”(プサップファ) “世の誰も 灯火(ともしび)さへも、その夜、二人を見てゐなかつた。

  • 呉下の阿蒙 さん

    昨夜のなごり/ 戯れ/ 留守居/ 夜に献げる讃歌

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ピエール・ルイス

1870年に生まれ、1925年に没す。フランスの頽唐派・象徴派の詩人・小説家。古代ギリシア詩の翻訳から出発し、偽作『ビリティスの歌』によってフランス世紀末詩壇にデビューを果す。その後散文詩から小説に転じ、古代アレクサンドリアを舞台とした傑作『アフロディテ』によって一躍人気作家となる。小説『ポゾール王

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