ノースロップ・フライ

人物・団体ページへ

世俗の聖典 ロマンスの構造 叢書・ウニベルシタス

ノースロップ・フライ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784588006432
ISBN 10 : 4588006436
フォーマット
出版社
発行年月
1999年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
20cm,224,19p

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • 34 さん

    ロマンスとはたとえばドン・キホーテやエマ・ボヴァリーの愛読書がそれで、近代の小説は基本的にロマンスのパロディとして形成されてきた。そのため典型的なロマンスは近代小説の成立以前の中世の作品ということになるが、ロマンスの構造的パターンはいたるところあらゆる時代に見出すことができる。たとえば現代ではハリウッド映画から日本の漫画まで。ロマンスの感性はごく身近ところにまで浸透しているが、プロットの基本パターンは古代ギリシアの昔から変わっていない。その保守性に壮大な(といっていいだろう)意義をフライは与えている。

  • たぬき さん

    「究極のロマンスは高度に昇華されたエロスをモチーフとし、一度はアイデンティティを失った人間が、愛ゆえに本来の自己を回復する同一性探求の物語」(p.218)

  • 鏡裕之 さん

    原題は「secular scripture」。世俗の聖典。副題は、原文では「ロマンスの構造」。中世ロマンスをはじめとするロマンスがどういう構造をなしているのか、解きあかそうとしているが、明晰に語ってくれていると思うと肩すかしを喰らう。文学者の説明は不明瞭不明晰なのである。そこは期待してはいけない。欧米人が「欧米のロマンスってこういう特質があるよね」と考えているんだなあと思って読むと、ちょうどいい。

  • 路雨 さん

    「ワイルドは明らかに文学の新しい時代の先駆者であった。この先駆性が批評家の意識に浸透するには、まだ一世紀くらいの時間がかかるだろう。文学の神話的でロマンス的な公式をあからさまに使い、人間の想像力が常にいわば「嘘をつくこと」である、つまり言語の記述的使用と真実との照応からの逸脱であるという本質をもう一度発見する──彼はこのような文化の出現を期待していたのだ。」

  • しお さん

    生世界と造物主・鏡像との間の移行・脱却の寓話の転位・パロディがロマンスを構成するが、それは純文学においてよりはむしろ耳を塞ぎ文字を追うために書かれた冒険小説にも見出される文学宇宙の要素である。当然著者は「耳を塞ぎ文字を追う」を善しとはしない。「デーテーファービュラ」と言われるように、我々自身が生きる(聖書の持ち物ではない)日常的の言語生活に内在する孤立、暴力、聖性等々を(ロマンスを)読書するに見よ、これである。「「批評とは竟に己れの夢を懐疑的に語る事ではないのか」という小林秀雄の喝破を想起せざるを得ない。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

ノースロップ・フライ

1912年カナダのケベック州生まれ。20世紀屈指の批評家。トロント大学ヴィクトリア・コレッジで哲学・英文学を学び、オックスフォード大学に留学。帰国後1939年から母校で英文学を講じ、1948年同校の教授、1952‐59年には学長を務めた。1967年フライのために創設されたトロント大学英文学教授に就任

プロフィール詳細へ

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品