ネイサン イングランダー

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アンネ・フランクについて語るときに僕たちの語ること 新潮クレスト・ブックス

ネイサン イングランダー

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784105901011
ISBN 10 : 410590101X
フォーマット
出版社
発行年月
2013年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
271p;20

内容詳細

もしもまたホロコーストが起こったら、誰があなたを匿ってくれるでしょう?―無邪気なゲームがあらわにする、取り返しのつかない夫婦の亀裂(「アンネ・フランクについて語るときに僕たちの語ること」)。ユダヤ人のヨルダン川西岸への入植の歴史を、子を奪いあう二人の母を軸にして、寓意あふれる短篇に仕立てあげた「姉妹の丘」。物語にはつねに背景がある、人生にはつねに背景がある―年若い息子に父が語る、悲劇を生きのびた男の非情な選択(「若い寡婦たちには果物をただで」)。コミカルな語り口にしのばせた倫理をめぐる深い問いかけ。ユダヤ人を描くことで人の普遍を描きだす、啓示のような八つの短篇小説。

【著者紹介】
ネイサン イングランダー : 1970年、ニューヨーク州ロングアイランドのユダヤ教正統派コミュニティに生まれ、敬虔なユダヤ教徒の少年として成長。ニューヨーク州立大学在学中に初めてイスラエルを訪問。非宗教的知識人の存在にカルチャーショックを受け、やがて棄教。小説を書きはじめる。おもな著書に長篇小説The Ministry of Special Cases、短篇集For the Relief of Unbearable Urges(PEN/マラマッド賞、スー・カウフマン新人賞受賞)。現在ニューヨーク州ブルックリン在住

小竹由美子 : 1954年、東京生まれ。早稲田大学法学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • buchipanda3 さん

    「なぜなら物語には背景があるんだ。人生にはつねに背景がある」。米国生まれの著者はある時期から信仰を離れ創作を始めた。そんな彼の目を通してユダヤ教徒の人たちの姿が語られている。表題作では米在住とイスラエル移住の二組の友人夫婦の会話が軽妙な語り口で描かれ、そこから見えてくる人間味ある滑稽さを面白く読めた。そしてオチが強烈。初期入植者の緊張感と二人の母親の運命の行方を描いた「姉妹の丘」は印象的な物語。裁判の場面に唸らされた。「若い寡婦たち〜」も鋭利な現実の重みが人生を問う。そしてある作家の話は素直に心に残った。

  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    軽い文体だと思って読んでいたら人間の不可解さにユダヤ人だからこそのアイデンティティや重みが合わさってきて沈みます。表題作は、マリファナを吸いながら「アンネ・フランクごっこ」しているんだけど、そこで夫婦での誰を守るかの優先順位が浮き彫りになるのにゾクリとすると同時に「所詮、他人同士だからね・・・」と諦めざるを得ない。「姉妹の丘」は取り合いになる娘、アヘレトはイスラエルの比喩であることと同時に「契約は言葉にした時点でどんな理由があったとしても果たさなければいけない」というユダヤ教の厳粛な規律に心が凍り付く。

  • まつこ さん

    身近ではないのでどうしても混同してしまう「宗教」と「民族」。ユダヤ人≠ユダヤ教。頭を使う話が多いですが、心はストんと納得しました。特に表題作は印象的でホロコーストは歴史としか認識していなかったのですが、彼等には現代のホロコーストを具体的に想像するほど、昔のことではないということを痛感しました。また『姉妹の丘』『僕たちはいかにしてブルム一家の復讐を果たしたか』『キャンプ・サンダウン』『読者』もユーモアを混ぜた問題提起のようでほどよい疲れに酔いしれました。そして最終話!他の作家には書けない作品だと思います。

  • キムチ27 さん

    読めば読むほどにパレスチナとイスラエル、国際関係の介入の温度へ理解が難しくなる。裕福な家庭に生まれ育った筆者が棄教後ペンを取る。民族の血を持つ彼が描く 内なる旧約聖書からのユダヤ人の迫害とホロコーストの路程。付きまとうのは 私の脳内浸透が不可だったという認識。100%日本人として生まれ育ち、今日の私となった事実を否応なく突き付けられた。解った積りで読んだとは言いたくないし、言えない。関係する映画ドラマの類も数年来みて来ても 歴史を知らな過ぎる。引き換え 著者の立ち位置の明快さ。突き抜けるユダヤ人感覚。

  • TATA さん

    敬虔なユダヤ教徒として育った筆者による短編八作。ユダヤ教については高校生の頃の倫理の授業で習った以上の知識は持ち合わせていなかったが、この作品いずれにもその底辺に流れるのは民族としての凄絶な記憶と厳しい戒律に社会構造。そして戦争がすぐそばにあるという現実。これらの過酷さの中で育まれる日常は私たちと似通う部分もあるが、やはり理解しきれないところが多い。いずれも感嘆するが特に「姉妹の丘」と「若い寡婦たちには果物をただで」の二作が白眉、戦慄を覚えます。夜読むものじゃなかった、今日寝れるかなあ。

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ネイサン イングランダー

1970年、ニューヨーク州ロングアイランド生まれ。ユダヤ教正統派コミュニティの中で、敬虔なユダヤ教徒の少年として成長した。だがニューヨーク州立大学在学中にイスラエルを初めて訪問し、カルチャーショックを受け、やがて棄教した。主な著作に長編小説The Ministry of Special Cases、

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