ニコラス・ワプショット

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ケインズかハイエクか 資本主義を動かした世紀の対決 新潮文庫

ニコラス・ワプショット

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784102200513
ISBN 10 : 4102200517
フォーマット
出版社
発行年月
2016年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
616p;16

内容詳細

大きな政府か、小さな政府か―。経済と政治を百年にわたって揺るがし続ける大命題をめぐり、対立した経済学の二大巨頭。世界恐慌からの回復期にあって、二人の天才はなぜ真っ向から衝突したのか。正しかったのは一体どちらなのか。学界から政界へ、イギリスからアメリカへと舞台を移しながら繰り返された激しい抗争、そして知られざる信頼と友情の物語を巧みに描いた力作評伝。

目次 : 魅力的なヒーロー―ケインズがハイエクの崇拝対象になるまで 一九一九〜二七年/ 帝国の終焉―ハイエクがハイパーインフレを直接経験する 一九一九〜二四年/ 戦線の形成―ケインズが「自然な」経済秩序を否定する 一九二三〜二九年/ スタンリーとリヴィングストン―ケインズとハイエクが初めて出会う 一九二八〜三〇年/ リバティ・バランスを射った男―ハイエクがウィーンから到着する 一九三一年/ 暁の決闘―ハイエクがケインズの『貨幣論』を辛辣に批評する 一九三一年/ 応戦―ケインズとハイエクが衝突する 一九三一年/ イタリア人の仕事―ケインズがピエロ・スラッファに論争の継続を依頼する 一九三二年/ 『一般理論』への道―コストゼロの失業対策 一九三二〜三三年/ ハイエクの驚愕―『一般理論』が反響を求める 一九三二〜三六年/ ケインズが米国を魅了する―ルーズベルトとニューディールを支持する若手経済学者たち 一九三六年/ 第六章でどうしようもなく行き詰まる―ハイエクがみずからの『一般理論』を書く 一九三六〜四一年/ 先の見えない道―ハイエクがケインズの対応策を仲裁に結びつける 一九三七〜四六年/ わびしい年月―モンペルラン・ソサエティーとハイエクのシカゴ移住 一九四四〜六九年/ ケインズの時代―三十年にわたる米国の無双の繁栄 一九四六〜八〇年/ ハイエクの反革命運動―フリードマン、ゴールドウォーター、サッチャー、レーガン 一九六三〜八八年/ 戦いの再開―淡水学派と海水学派 一九八九〜二〇〇八年/ そして勝者は…―「大不況」の回避 二〇〇八年以降

【著者紹介】
ニコラス・ワプショット : 1952年英国生れ。ジャーナリスト、作家。「タイムズ」や「オブザーバー」誌などで記者・編集者として活躍後、アメリカに拠点を移す。現在は新聞やテレビのコメンテーター、大学の客員教授としても活躍中

久保恵美子 : 翻訳家。東京大学経済学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • KAZOO さん

    一種の評伝なのでしょうね。全く反対の意見を持ちながらも私はどちらの政策もありだと思っています。ハイエクはどちらかというと大きな政府よりも小さな政府ということを言っているのですが、その経済環境によってかなり異なるということなのだという気がします。ケインズ政策はあくまで経済などが疲弊した時などで、ハイエクの言っているところは政府があまり影響を行使しなくてもいい時代の政策であるということなのでしょう。私はむかしはケインズ主義でしたが最近はハイエクの主張が非常にいいのではないかと思うようになりました。

  • 扉のこちら側 さん

    2016年917冊め。経済分野が苦手でいつも敬遠していたので、たまには読んでみなくてはと手に取ってみた。読んでみたところで私にはこの二人の経済理論は理解できないわけなのだが、第一次大戦前後からリーマンショックまでの流れは把握できた。アカデミックな喧嘩話もおもしろいが、妻が不妊症だと判明した後に妻に恥をかかせまいと自ら「種無しケインズ」と名乗っていたケインズ氏のエピソードが人間味あって印象に残っている。

  • chanvesa さん

    経済学はよくわからないが、新自由主義と称する人々の言説が、本当に「小さな政府」を目指しているのか不明だった。しかしこの本の終わりの何章かを読むと、その疑問が方向違いでなかったと思える。ケインズ、ハイエクどちらの勝利と単純化するのが困難ということ、政治が経済「学」を利用していることがよくわかる。政治学や経済学は、実世界とかけ離れている感があるが、経済学の場合いいとこ取りは成り立つようだ。政治学の場合、政策学は実世界と関わっているかもしれないけど、かじった政治思想史に思い入れがあると、実学には興味が向かない。

  • くも さん

    経済の問題をトップダウンで動かそうとするケインズ流とボトムアップで動かそうとするハイエク流。経済規模が小さかったり緊急事態の場合にはケインズ流も良かったかもしれないが、複雑性が増し経済規模も巨大化した現在はハイエク流が主流か。本書は経済理論の詳述よりは二人の人物伝としての性格が強いようだ。トップダウンとボトムアップ。これは経済の範疇を超え、歴史とは何かを含めた世界観、人生観、哲学の違いともいえる。

  • わたなべよしお さん

     経済学なんて全く知らないけど、面白かった。ケインズもハイエクもその経済理論の詳細なんて、この本を読んでもよく理解できていない。でも2人の考え方の大雑把な違いは分かるし、私のような門外漢でもケインズやハイエクの歴史的位置付け、現代社会への影響なんかがよく把握できて、ちょっと賢くなった。

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ニコラス・ワプショット

1952年イギリス生まれ。ジャーナリスト、作家。“タイムズ”“オブザーバー”“ニューズウィーク”などで記者・編集者として活躍後、アメリカに拠点を移し、現在はニューヨーク在住

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