読書と暴動 プッシー・ライオットのアクティビズム入門

ナージャ・トロコンニコワ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784991221149
ISBN 10 : 4991221145
フォーマット
発行年月
2024年04月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
304p;19

内容詳細

「どうしてプーチンのロシアは、私を刑務所送りにしたのだろう? 私は当時、無一文の22歳で、 3歳の女の子の若い母親だった。家父長制の世界に生きる女性アーティストで、ディオゲネスと行動の哲学とクィアのアイデンティティについての卒論を書いている学生だった――」(本書より)

カラフルな目出し帽。挑発的なライブパフォーマンス。FIFAワールドカップ決勝戦への乱入。結成時から現在に至るまで、常に世間の耳目を集めるロシアのフェミニスト・パンク集団、プッシー・ライオットとはいかなるグループなのか? なぜ結成されたのか? その真の目的とは? 創設メンバーのナージャ・トロコンニコワがその全貌を明らかにする。

本書『読書と暴動』は、プッシー・ライオットの設立経緯から、かれらがロシア国内でおこなった数々のアクション、さらにはロシア当局に逮捕されたのちの苛烈極まる獄中生活までを綴ったトロコンニコワの手記である。また同時に、著者がそうした体験のなかから得た“実践的な知”を10の基本原則として紹介する「生き方の指南書(サバイバル・ガイド)」でもある。

個人の権利と自由を抑圧する体制下において、私たちにできることとは? アクティビズムは社会においてどのような役割を持つのか? アートとアクティビズムはどう交差するのか?

ハーバード大学やケンブリッジ大学で講演をおこなうアクティビストで、アイ・ウェイウェイやジェニー・ホルツァー、ジュディ・シカゴらの系譜に連なるアーティストのトロコンニコワが、カントからニーナ・シモンあるいはウィトゲンシュタインからパンクスの歌詞まで縦横無尽に引用しながら、そうした疑問の数々にユーモアたっぷりに答えていく。

版元は、故チバユウスケのレコードガイドブック『EVE OF DESTRUCTION』や音楽業界で活躍する女性のキープレイヤー30名の声を収録したインタビュー集『女性たちの声は、ヒットチャートの外に』を出版するソウ・スウィート・パブリッシング。装丁は坂本龍一やGotchらが主催したプロジェクトD2021をはじめ、小林うてなやermhoiのビジュアルを手がけるグラフィックデザイナーの山中アツシが担当した。

トロコンニコワは現在、米STXエンターテインメントとともに彼女の実体験に基づいたリミテッドTVシリーズの制作に当たっている。

【著者紹介】
ナージャ・トロコンニコワ : アーティスト、アクティビスト。国際的フェミニスト・プロテスト・アート集団プッシー・ライオットの創立メンバー。2012年、モスクワの救世主ハリストス大聖堂でプーチン大統領とロシア正教会を批判するゲリラ・パフォーマンスを敢行。有罪判決を受け2年にわたって収監された。釈放後は囚人の権利のための非政府組織ゾーナ・プラヴァと独立系通信社メディアゾーナを設立。2022年にはNFTアート収集集団ユニコーンDAOを立ち上げ、ウクライナのために700万ドル以上を集めた。レノン・オノ平和賞およびハンナ・アーレント政治思想賞を受賞。現在では数百人の人々が自らをプッシー・ライオット・コミュニティの一員であると認識している。ロシア連邦シベリア連邦菅区ノリリスク生まれ

野中モモ : 東京生まれ。翻訳者、ライター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 松本直哉 さん

    子どものような率直と、ミシェル・フーコー仕込みの叛逆的知性と、相手が大統領でも動じない大胆と、牢獄での虐待でも希望を失わない不屈で、家父長制と人種差別と性差別と富の偏在に抗って声をあげるトロコンニコワは、現代のアンティゴネーであるかのように見える。プーチン批判のプロテスト・ソングを教会のなかで数十秒歌っただけで逮捕され、二年間懲役刑に服したとき、監獄の非人道的待遇に驚き呆れ、そこで絶望するどころか、それを告発して変えさせる行動力に感服する。従順に刑に服するソクラテスよりも彼女の方が断然かっこいいと思う。

  • ポルポ・ウィズ・バナナ さん

    プーチン政権と日本の政治状況はほぼ同じ。紙一重。その一線は「深い」かもしれないが距離そのものはめっちゃ近い。そこを越えると取り返しはつかない。それを切実に認識できる本。それにプロテストするパンクスピリットとアート(ここに書かれていることをそのままなぞることは意味がないとすら言っている)。つまり、怒りを表出するにあたってアートとパンクに根差したユーモアがある。これは大事。あとは「愛」。最近、社会生活を送ってくなかで痛感してる。本当に愛とユーモアは大事。

  • ナオミ さん

    自分と同世代のアクティビストが政府に中指立てたらどうなったのか。現代ロシアのことをあまりにも知らなかったので、人権侵害が甚だしく100年前の話かと錯覚しそうになった。フェミニズムとはジェンダーや性役割に基づいて人々に向けられる「どのようにふるまうべきか」の行きすぎた期待を取り除くこと。誰かの妻になることが女の成功なのか?どうしたら効果的に規範というものを再定義できるのかが、人生の主な問いだと悟ったナージャ。無様な質問を投げかけ、物事を疑い、それらを変える能力の文化を育むのはセルフサービス。不都合な存在たれ

  • Go Extreme さん

    文化労働者としてのアーティスト アート=現実をかたちづくるためのハンマー 命を賭する価値のある理想:包摂性・平和・正義・民主主義 戦争は秘密裏に始まるだろう 行動・言葉・ヒーロー 海賊になれ:国境なし ディオゲネス DIY:ジャンク・ポリティクス レディ・シンプリシティ 喜びを取り戻せ:愛と笑い ダダ 1968年 政府をびびらせろ アート罪を犯せ 権力の乱用を見逃すな 抵抗性よ・団結せよ 刑務所からの脱出 オルタナティブを創造せよ ビー・ア・(ウー)マン 希望は絶望から生まれる

  • ちり さん

    “救世主コンプレックスは捨てよう。ひとりだけで世界の諸問題を解決することはできない。できると思っているなら、あなたはトランプだ。あなたのアクティビストとしての努力は唯一無二であり、グローバルな連鎖反応の重要な一部だ。だからこそ、やり遂げよう。グローバルに考え、ローカルに行動せよ”

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ナージャ・トロコンニコワ

アーティスト、アクティビスト。国際的フェミニスト・プロテスト・アート集団プッシー・ライオットの創立メンバー。2012年、モスクワの救世主ハリストス大聖堂でプーチン大統領とロシア正教会を批判するゲリラ・パフォーマンスを敢行。有罪判決を受け2年にわたって収監された。釈放後は囚人の権利のための非政府組織ゾ

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