ポイント・オメガ フィクションの楽しみ

ドン・デリーロ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784801000100
ISBN 10 : 480100010X
フォーマット
出版社
発行年月
2018年12月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
160p;20

内容詳細

ニューヨークの暗闇の中、超低速で映し出される映画『サイコ』。時間の狭間に落ち込んだかのような眩惑的な空間から一転、舞台は荒涼たる砂漠が広がるサンディエゴへ。戦争、記憶、意識、宇宙をめぐる対話。砂の彼方に消える声。溶けてゆく時間。朧に閃く欲望。そして、少女は消えた…虚空を領する絶対の静寂が、アメリカの光と闇、人間精神の孤独を穿つ。

【著者紹介】
ドン・デリーロ : 1936年、ニューヨークに生まれる。アメリカ合衆国を代表する小説家、劇作家の一人。1971年、『アメリカーナ』でデビュー。1985年、『ホワイト・ノイズ』(邦訳=集英社、1993年)で全米図書賞受賞、1992年、『マオ2』(邦訳=本の友社、2000年)でペン/フォークナー賞受賞、1999年、全著作を対象としたエルサレム賞受賞、2008年、全米芸術クラブより名誉メダル授与

都甲幸治 : 1969年、福岡県に生まれる。現在、早稲田大学文学学術院教授、翻訳家。専攻はアメリカ文学・文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ケイ さん

    終末期的な絶望感。シュールな無機質感。余計なものが削ぎ落とされ、その奥にある深いかなしみがとても深く苦しい。苦しい時に、さらに追い込むような景色を持ってこなくても。喉から血が出てくる感じがする。この世界観は、独特で圧倒的。願わくば、訳を読みやすく。

  • ヘラジカ さん

    デリーロ作品は4作目。今まで読んだ小説はどれも大作並みに重厚だったが、こちらは中篇と言って良いほどのページ数。しかし、これだけ無駄を削がれた作品なのに、作中の『サイコ』同様精神的に引き伸ばされた感がある。交わされる会話の遠大さゆえか、砂漠という社会的にミニマムな環境ゆえか、奇妙なダイナミズムを感じる。モニュメントのように巨大だった過去作に通じる規模のテーマがあるように思う。解釈の難しいオープンエンドは荒野に響いて消える音のよう。大傑作『ホワイト・ノイズ』の新訳も刊行予定とのことでそちらも楽しみだ。

  • メセニ さん

    最初の瞬間に膨張し始めた宇宙が質量の増大により一転収縮し始めたと仮定した場合、その過程で主観時間は伸びるとされ、やがて宇宙が一点に収縮し終焉を迎える瞬間=オメガポイントには主観時間は永遠のものとなる。つまり”その瞬間”は果てなく先送りされる。これはシミュレーション仮説の話であり、本書と直には関係ない。物語はとある美術館で『サイコ』が超低速で上映される展示の章から始まり、一転砂漠の真ん中の家を舞台とする。時間の内部に分入り微視的な存在となり世界を捉えた時、我々は普段何をどう見ているかを再考し、あるいは何を→

  • きゅー さん

    オメガ・ポイントという概念は神学者ティヤールの考える理想世界だ。人間はまだその領域には全く達していないし、到達できる見込みもない。ドン・デリーロはいつだってドライだ。登場人物たちに情けをかけない。彼らは政治、宗教、歴史等について饒舌に語るが、彼らを動かしている根底の力が愛情や妬みなどの感情であることに気づいてはいない。彼らは自分自身から逃れ出ようとして、その実、自分自身に囚われている。社会は発展し、人間の生活は複雑になったかもしれないが、だからといって人間の本性はいつの時代だって変わっていなかった。

  • ふるい さん

    150ページほどの中篇で、物語的に盛り上がることもなく、まさにスローモーションの映画を見ているような感じ。エルスターの発する思索的な言葉一つ一つを染み込ませるように読んでいたら、一週間もかかってしまった。よかったですよ。

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ドン・デリーロ

1936年、ニューヨークに生まれる。アメリカ合衆国を代表する小説家、劇作家の一人。1971年、『アメリカーナ』で小説家デビュー

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