ドミニク・カリファ

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犯罪・捜査・メディア 19世紀フランスの治安と文化 叢書・ウニベルシタス

ドミニク・カリファ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784588010491
ISBN 10 : 4588010492
フォーマット
出版社
発行年月
2016年10月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
梅澤礼 ,  
追加情報
:
20

内容詳細

秩序をおびやかす犯罪者たち、公権力を担う警察・司法組織、そして両者の近代的イメージを創り出した大量発行の新聞・出版ジャーナリズムは、民主主義社会の治安の危機をいかに映し出してきたか。犯罪文化史研究の第一人者が、連載小説や三面記事、警察官の回顧録などの膨大な資料をもとに、犯罪や監獄に関わる文学的表象や、“社会防衛”の言説史を多面的に分析した新しい社会史。

目次 : 第1部 犯罪(犯行現場―パリのトポグラフィーと社会的イマジネール/ 「アパシズム」の考古学―一九世紀の野蛮人とアメリカ・インディアン/ 「危険階級」の終焉?―『ファントマ』シリーズにおける労働者と犯罪者/ 夜襲という恐怖)/ 第2部 捜査(警察官の回想録―ひとつのジャンルの出現?/ 捜査官ジャヴェール/ 二〇世紀初頭の「危険性」と「社会防衛」/ 処罰の危機?)/ 第3部 メディア(一九世紀における三面記事と犯罪小説/ 監獄の光景/ 戦時中の三面記事(一八七〇‐一九一四)/ 一九一四年から一九一八年にかけて―連載小説の終焉?)

【著者紹介】
ドミニク・カリファ : 1957年生まれ。1994年、ミシェル・ペローの指導のもとパリ第7大学修了。レンヌ第2大学准教授、教授を経て、2002年、アラン・コルバンの後任としてパリ第1大学教授に就任。2015年にはアンスティチュ・ユニヴェルシテール・ド・フランス会員に任命される。近代の犯罪と大衆文化が専門

梅澤礼 : 1979年生まれ。上智大学卒業後、ベルギー政府給付生、フランス政府給付生として留学したのち、2012年、パリ第1大学博士課程修了。日本学術振興会特別研究員を経て、現在立命館大学嘱託講師。専門は近代の文学と犯罪学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • Susumu Kobayashi さん

    著者はパリ第一大学の史学教授とのこと。3部構成で、第一部は19世紀フランスの犯罪(フィクションも含む)、第二部は捜査、第三部はメディアとなっている。フィクションに対する言及も多い。何度も言及されているのはウージェーヌ・シュー『パリの秘密』、アレクサンドル・デュマ『パリのモヒカン族』、ポンソン・デュ・テライユ『パリのドラマ(ロカンボール)』などの長大な作品。『パリの秘密』は読んだが、残りの2作は未読なので、いずれ読まなければなるまい。フィクションの方に関心のある筆者としてはちょっと物足りなかった。

  • だん さん

    読んだことのない作品が大半で、理解が十分とはとても言えない。理解した中で特に興味深かった項目は「警察官の回想録」「処罰の危機?」「戦時中の三面記事」「1914年から1918年にかけて」あたりか。それ以外にも、フランスを論じた書物の中で意外にも言及されたジェームズ・フェニモア・クーパーの「モヒカン族の最後」にテンションが上がった、すきな作品です。しかし「パリのモヒカン族」は未読。

  • 抹茶ケーキ さん

    フランスの犯罪史家の論文集。20世紀初頭に犯罪からの「社会防衛」という概念が登場し、「危険性」や「不定期刑」の概念で補強されていったことが論じられる章が特に面白かった。現在の犯罪心理学でも用いられる用語は違うとはいえ、筆者自身が最後の章でフランスに関して述べているように、実質的な内容はこの当時から変わっていないように思える。

  • だん さん

    再読。前回読んだときよりこちらの知識が増えたためビジュアルを伴って読める部分も多かった。 一点、ヴィドック、マセらの肩書が「警察庁長官」と訳されているがこれは誤り。巻末に掲載された1818-48年の警察組織図の中で、警察庁と訳されているDの組織がヴィドック達を長としていた時期は一度もない。ヴィドック達が長を務めていたのはE(警視庁)の下部組織であるBrigade de sûreté (ないしその後継組織)のほう。組織図に名称を合わせ警察庁長官と訳されるべきはp100のフランシェの肩書(警察総局長)である。

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ドミニク・カリファ

1957年生まれ。1994年、パリ第7大学博士課程修了。パリ第7大学、レンヌ第2大学を経て、2002年、アラン・コルバンの後任としてパリ第一大学教授に就任。2015年、フランス大学学院の会員に選任。近代フランスの犯罪など社会史を専門とし、本書でアカデミー・フランセーズ「ウジェーヌ・コラス賞」を受賞。

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