ヴェニスに死す 岩波文庫

トーマス・マン

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784003243411
ISBN 10 : 4003243412
フォーマット
出版社
発行年月
2000年05月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
15cm,167p

内容詳細

旅先のヴェニスで出会った、ギリシャ美を象徴するような端麗無比な姿の美少年。その少年に心奪われた初老の作家アッシェンバッハは、美に知性を眩惑され、遂には死へと突き進んでゆく。神話と比喩に満ちた悪夢のような世界を冷徹な筆致で構築し、永遠と神泌の存在さえ垣間見させるマンの傑作。

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • ヴェネツィア さん

    すこぶる観念的な小説だ。道徳律の体現者であり、また美の求道者でもあったアッシェンバッハが人生の最後に迎えた崩落を描く。とは言っても彼はまだ50歳を過ぎたばかり。時代が違うとはいえ、老年とまではいかないと思われるのだが、功成り名遂げた彼にはもはやこの先に新しい未来はない。そんな彼の美少年タドゥツィオに対する想いはやはり少年愛なのだろうが、同時に失われた自己の過去が極限まで美化された姿でもあった。ドイツ的な観念の体現が、ヴェネツィアの淫蕩なまでの無時間の中に溶けていく様は、妖にして、崩壊することで永遠なのだ。

  • 遥かなる想い さん

    初老の芸術家 アシェンバハの物語である。 美少年アッジオに惹かれていく様は なぜか 懐かしい。 ひどく観念的なこの作品…老人と美少年の 立ち位置が微妙で、印象的である… 芸術家の美への執着と 若さへの憧憬が 二人の行動とともに 映像的に 浮かぶような、 作品だった。

  • 新地学@児童書病発動中 さん

    ドイツ文学の内面的で哲学的なところが好きだ。このマンの作品でも、芸術と市民生活、美と永遠、神と美の関係といった考察が物語の中に織り込まれている。そのために読みにくいところがあるのだが、その重厚さがこの小説の魅力の一つになっていることは否定できない。それから舞台となるヴェニスの街が華麗に妖しく描かれており、この小説のテーマの一つであるエロスとタナトスを浮き彫りにしている。マンの筆致はあくまで冷徹で重々しいが、よく味わってみるとほのかな諧謔が感じられて、興味深かった。→

  • ykmmr (^_^) さん

    実は昔から、この本の題名にインパクトを感じていた。内容は一応は存じてはいたものの、実際に自分の中に取り入れる事はしなかった。主人公の老人が、ある少年にと『目』だけで知り合い、一言では語り尽くせない、ある『特別』な感情を持つわけ。それが、泉の水面に映る自分に『恋』をした、ギリシア神話と結びついている。さらには、少年に何かをする訳でもなく、しかし、少年に執着するがあまり、自分の『芸術家』としての営みもしなくなり、伝性病により逝去。周囲に衝撃を与えるも、本人はそれはそれで幸せなんじゃないかと

  • ケイ さん

    文筆家として有名なある初老の男は、休暇と文筆のためにヴェニスに向かう。妻には先立たれ、娘は嫁に行き、名声のある男は、静かな生活をおくっていた。旅先のヴェニスで会った14歳の少年の美しさに、その男は狂う。思春期の一時期だけが持つ成長過程の美しさ。成熟しかけた途端に失われる不安定だが絶対的な美しさに男は絡め取られる。それは性的なものは含まない、美へのひたすらな賛美。映画で見たタッジオの美しさが読書の際の想像を助け、男と同じ視線で美しい少年を愛でた。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

トーマス・マン

1875年ドイツのリューベックに生まれる。1894年“Gefallen”でデビユー。1929年ノーベル文学賞を受賞。ナチスの台頭によりアメリカに亡命し戦後はスイスに移住。ヒューマニズムの立場で民主主義を支持。作品に「ヴェニスに死す」「魔の山」などがある。1955年没

プロフィール詳細へ

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品