オリンピア

デニス・ボック

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784911068007
ISBN 10 : 4911068000
フォーマット
出版社
発行年月
2023年12月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
248p;21

内容詳細

記憶と鎮魂のファミリー・ヒストリー。第2次世界大戦をきっかけにドイツからカナダへ移住した家族を描く連作短編集。静かで平和に見える一族の生と死が詩情豊かに語られる。点景としてのオリンピック、断片としての家族の歴史。

【著者紹介】
デニス・ボック : 1964年生まれのドイツ系カナダ人作家。オンタリオ州オークヴィル出身。ウェスタン・オンタリオ大学で英文学と哲学を専攻、卒業後さらに5年間マドリードで暮らす。現在、トロント大学などで文芸創作を教えるかたわら、作品を発表している。本作Olympiaはデビュー作で、Danuta Gleed Literary Award、Betty Trask Awardなどを受賞した。第二作The Ash Garden(2001年、『灰の庭』小川高義訳、河出書房新社、2003年)はカナダ日本文学賞を受賞

越前敏弥 : 1961年生まれ。文芸翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • buchipanda3 さん

    人は流れていくものに無力だ。水、風、そして時間。それでも生きている実感を得るためか、それらに触れようとする。抗うのではなく、ただ感じるために。端然としながらも素の情愛の籠もった語りが紡ぐ家族の年譜に感じ入った。それは特別な家族の姿ではない。フィルムは唐突の深い悲しみや離れた大地と新たな故郷の姿を映す。併走するように理念と対極の出来事と共に祭典がTVから垣間見える。無力な姿だろうか。でも時に思わぬ光景が心を支えることもある。流れには抗えない。でも思慕を胸に抱き続けることは出来る。ハートに矢が刺さったように。

  • ヘラジカ さん

    なんて美しい小説だろう。この魂を揺さぶられるような作品が20年以上も翻訳されず、それどころか七社からも断られただなんて到底信じられない。長い年月を経ても邦訳出版を諦めなかった訳者の強い思いは訳文に確かに表れていて、一文一文が素通り出来ないほどに磨き上げられているとすら感じる。あとがきでも書かれていた、オリンピックを核とした舞台背景、水を中心としたエレメンタルの存在感など、作品を支える骨子や印象的な描写を語ればキリがないので、深く考えずとも読んでいて圧倒されるような傑作だったとだけ書き残しておきたい。

  • まこ さん

    ピーターはドイツ系のカナダ人で、両親と祖父母は二つの世界大戦を体験した世代。父方、母方置かれた状況が正反対で序盤から溝が入ってた。それを埋めようとするまで約30年。作中の水の役割も大きく、ピーターに流れる血、出来事を水の集まりで、流れる水はそれを押し流す。オリンピックに突き動かされるのは父方、難民に寄り添うのは母方の生き方を継いでる。

  • フランソワーズ さん

    ドイツ系カナダ人の三代にわたる連作短編集。明るくなりきれない一家の日々が描かれるが、やはり第二次世界大戦のドイツの影響が影を落としている。それも、”自分たちも代償を払った”という、当事者の思考が印象的でした。→

  • 石 さん

    初めの「結婚式」からショッキングな出来事があり、続く2篇でも不穏な雰囲気が漂い、それは「ルビー」で頂点に達するが、だからこそ最後の「マドリード上水道」での救済が印象に残る 「みんな苦労したのよ。だれもが同じようにね」この台詞が全てを表している

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