CIA秘録 その誕生から今日まで 下 文春文庫

ティム・ワイナー

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167651770
ISBN 10 : 4167651777
フォーマット
出版社
発行年月
2011年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
16cm,604p

内容詳細

時の大統領の歓心を買うために秘密活動に狂奔し、成功は過大に報告、失敗は隠蔽する。こうして「CIAは万能」という虚像は生まれた。一方で、国際情勢の分析を軽視するあまり、米国は東西冷戦の処理を誤り、湾岸戦争の悪夢に沈み、「9・11」の大破局に至った。歴史の厚いベールの向こうに見え隠れする諜報という「大義」の内幕。全米図書賞受賞。

目次 : 第3部(承前) ケネディ、ジョンソン時代―1961‐1968(「知恵よりも勇気」マコーンの辞任/ 「長い下り坂の始まり」新長官、ラオス、タイ、インドネシア/ 「その時、戦争に勝てないことを知った」ベトナムからの報告/ 「政治的な水爆」チェ・ゲバラ捕獲/ 「外国の共産主義者を追い詰める」ベトナム反戦運動)/ 第4部 ニクソン、フォード時代―1968‐1977(「あの間抜けどもは何をしているのだ」ニクソンとキッシンジャー/ 「米政府は軍事的解決を望む」チリ、アジェンデ政権の転覆/ 「ひどいことになるだろう」ウォーターゲート事件/ 「秘密機関の概念を変える」シュレジンジャーの挫折/ 「古典的なファシストの典型」キプロス紛争/ 「CIAは崩壊するだろう」議会による調査/ 「サイゴン放棄」サイゴン陥落/ 「無能で怯えている」ブッシュ新長官)/ 第5部 カーター、レーガン、ブッシュ・シニア時代―1977‐1993(「カーターは体制の転覆を図っている」カーター人権外交/ 「ただぐっすり寝込んでいたのだ」イラン革命/ 「野放図な山師」ソ連のアフガニスタン侵攻/ 「危険なやり方で」レバノン危機/ 「ケーシーは大きな危険を冒していた」イラン・コントラ事件1/ 「詐欺師のなかの詐欺師」イラン・コントラ事件2/ 「考えられないことを考える」ソ連の後退/ 「壁が崩れるときどするか」湾岸戦争とソ連崩壊)/ 第6部 クリントン、ブッシュ時代―1993‐2007(「われわれにはまったく事実がなかった」ソマリア暴動/ 「一体全体どうして分からなかったのか」エームズ事件/ 「経済的な安全保障のやめのスパイ」日米自動車交渉/ 「厄介な事態に陥っている」ウサマ・ビンラディンの登場/ 「これほど現実的な脅威はあり得ないだろう」9.11への序曲/ 「暗黒の中へ」ビンラディン捕獲作戦/ 「重大な間違い」イラク大量破壊兵器/ 「葬儀」灰の遺産)

【著者紹介】
ティム・ワイナー : ニューヨーク・タイムズ記者。1956年ニューヨーク生まれ。CIA、国防総省などのインテリジェンスを30年近くにわたってカバーしている。ニューヨークのタウン紙『ソーホー・ニュース』からそのキャリアをスタートし、『フィラデルフィア・インクワイアラー』に移籍、調査報道記者として国防総省、CIAの秘密予算を明るみにだし、1988年ピューリッツアー賞を受賞。1993年『ニューヨーク・タイムズ』紙に移籍、99年までワシントン支局でCIAを担当

藤田博司 : 1937年生まれ。元共同通信記者。サイゴン支局員、ニューヨーク支局長、ワシントン支局長、論説副委員長などを経て、1995‐2005年上智大学教授、05‐08年早稲田大学客員教授

山田侑平 : 1938年生まれ。人間総合科学大学名誉教授。元共同通信記者。ニューヨーク支局員、ブリュッセル支局長などを経て、2000年から人間総合科学大学で教鞭をとる

佐藤信行 : 1937年生まれ。元共同通信記者。ロンドン支局員、東欧特派員、テルアビブ支局長、ワシントン支局長、外信部長、編集委員室長などを経て、1997‐2003年和歌山大学教授。74年度ボーン国際記者賞を受賞している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • CTC さん

    さて、下巻である。ベトナムから911、そしてイラク戦争まで。“大量破壊兵器がなかった”のは記憶に新しいが、下巻が対象とする期間でもCIAは北ベトナムの戦力判断、中東戦争、アフガン侵攻、クウェート侵攻、ソ連崩壊、印核実験、全て予測を誤っており、失敗は当然と見える。末期は人材リクルートもままならず、各現地語を話すスタッフすら事欠く有様なのだ。。冷戦後はテロ・麻薬や経済摩擦をも“国家の脅威”として活動するが…まぁオオカミ少年ですな。ビンラディンの脅威を再三警告する声はホワイトハウスに黙殺され。。圧倒的な読後感。

  • ほじゅどー さん

    ★★★ジョージ・テネットが1997年CIA長官に就任した時、CIAは既に破産寸前で専門技能は衰え混乱状態だった。2001年、迫り来るテロを巡る確証のない情報にCIAの神経はすり減っていた。9.11の破局的な失敗の後、ブッシュの命令でCIAは地球規模の憲兵としての役割を始めた。なんと議会はCIAに米国国民を監視する法的権限を与えた。イラクが大量破壊兵器を保有しているとCIAが判断した根拠はなんとたった一人の囚人の自供からだった。そしてイラクへの先制攻撃。4年後に「あれは間違いだった」とテネットは証言した。

  • Hiroshi さん

    下巻はジョンソン政権のベトナム派兵から子ブッシュのイラク戦争後まで。ベトナム戦争は泥沼にはまり、ラオス・タイ・インドネシアまでCIAは秘密工作をしていく。ドミノ理論だ。ドミニカという中南米でも工作が始まる。54年からのCIAの秘密工作を記したペンタゴン・ペーパーズが作られ、後に漏れて大事になる。テト攻勢は予測できなかったが、イスラエルの6日戦争を予測し、ヘルムズ長官はジョンソンの信頼を得てニクソン政権でも長官を続ける。ニクソンとキッシンジャーは秘密主義。選挙を左右する秘密工作は日本を始め西側でも行われた。

  • roughfractus02 さん

    post-truthはエージェントが真実を作る力を失う時に現われる。膨大なソースを公開するNYタイムズ記者の著者は、ジャーナリズムの印刷文字にはまだ真実を表示する力がある、と読者に誇示する。アジェンテ政権下のチリの生活向上を危惧し、CIAが過激派に関与して困窮を誘発して暴力革命を起こした1973.9.11後、チリはシカゴ学派の新自由主義の実験場となる。そして諜報に失敗する2001.9.11後、ある囚人の証言からイラク攻撃を判断したこの組織は、その隠蔽力の衰えからpost-truthで動く世界を露わにする。

  • かじ さん

    「戦争に勝つためには諜報機関が重要」ではあるが、「諜報機関がうまく機能しているときの、その真の役割は戦争を回避することである」。なのにCIAは見識ある者のアドバイスをことごとく退け、都合はいいが信頼には足らぬ「情報」を無理やり繋ぎ合わせて「上」に媚びる報告を捏造し、結果として国民に、のみならず他国の人々にまでも必要のない犠牲を強いた。とはいえ、著者はおそらくただCIAを断罪するためだけにこの書をものしたのではなく、「あとがき」がまさに著者のCIAに対する思いだろう。「編集部による解説」もわかりやすい。

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