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Sf的な宇宙で安全に暮らすっていうこと 新☆ハヤカワsfシリーズ

チャールズ・ユウ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784153350151
ISBN 10 : 415335015X
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2014
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
円城塔 ,  

Content Description

「僕」はタイムマシンの修理とサポートを担当する技術者で、個人用タイムマシンに乗って時間のはざまを漂っている。電話ボックス大の空間で暮らす僕にとって、UIのタミーと非実在犬のエドはかけがえのない存在だ。家族は父と母の三人だけど、母は同じ時間を繰り返すループ・サービスに入ったきりだし、ガレージでタイムマシン開発をしていた父は失踪中で、時空のどこにいるのか不明だ。あるとき、修理工場でタイムマシンから僕が降りてくるのを目撃した僕は、とっさに「もうひとりの自分」を撃ってしまった!?最悪のパラドックスに陥った僕は…。アメリカ小説界注目の俊英の家族小説を、円城塔の翻訳で贈る。

【著者紹介】
チャールズ・ユウ : 1976年、カリフォルニア生まれ。コロンビア大学ロースクールで法学博士号を取得、弁護士になった。その後、小説の執筆と投稿を始め、2006年に第一短篇集Third Class Superheroを発表。2010年に刊行された『SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと』は、SF界/文学界から絶賛され、ローカス賞にノミネート、“タイム”誌が選ぶフィクション・ベスト10に選出された

円城塔 : 1972年北海道生、作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • アナーキー靴下

    読もうと思いつつ後回しにしていたが、『スタートボタンを押してください』収録の「NPC」が良く、すぐ読もうと。ああこれは私にとって最高に面白くしかし残酷で、まるで自分の過去を読むような、もちろんこんな出来事は体験していないけれど、過去の想いがトレースされたようで、ひたすらに泣けてくる。親との間に愛がなかったはずはない、でも自分は親に幸せを与える存在ではなかった。そういう意識を持ち続けていたことに気付かされたし、だからこそ共感してしまう。といって決して重くはなく軽妙、ラストも良い。ただ万人受けはしないだろう。

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    訳者である純文学系SF作家の円城氏の作風に似ていると言われる作品ですが私が連想したのは村上春樹作品のモラトリアム青年像でした。一室に引き籠り、タイムスリップしながら噛み合わない母との問題を見ないふりをして自らが作り出した美少女にも冷たい、自分の殻に閉じこもる系主人公(チャールズ・ユウ)に「ぐだぐだ言わずに動けよ」と苛々しました。しかし、彼が未来の自分を撃ってから変わっていく様はスローぺースでありながらも自分の運命を受け入れていく成長ぶりは少し、まばゆい程でした。色即是空という言葉が何となく浮かびます。

  • s-kozy

    近所の図書館でのイベント「ハッピーバック」。「わくわく」の紙袋の三冊のうち最後の一冊がこれ。主人公はタイムマシンの修理とサポートをする技術者で電話ボックス大のタイムマシンに乗って時間(宇宙?)の狭間を漂っている。母親は同じ時間を繰り返すループ・サービスに閉じこもり、タイムマシンを開発しようとしていた父は失踪中。主人公は父親を探し出そうとしているのだが、ある時、未来の自分に遭遇しタイム・パラドックスを引き起こしてしまう。大人になりきれなかった青年が親も未完成な存在であることに気がつく新しくて古いお話だった。

  • sin

    “相手としての自分じゃなく自分自身を撃てばいいのさ”☆ひきこもり型タイムマシンに閉じこもったおたくの独白、もはやタイムマシンである事すら疑わしいが…SF世界というYOUの私的空間。同じ表現を繰り返す、傷がついて針が飛ぶレコードのような描写は読書のタイムループ、親子の物語?いや親離れしていない主人公のモノローグに共感は無い。

  • りー

    円城塔という作家に興味を持って、何故か最初に手に取ったのが円城塔「作」ではなく「訳」のこの作品。しかし他の方のレビューを読む限り円城塔の作風に非常に近しいものがある様なので結果オーライかなと思っている。翻訳自体は読み易く、かつ平易になりすぎずとても良かった。しかし内容はもっとSFしたお話かと思いきや、本文の大半を内省に費やしていて、しかも僕が興味を持てない家族モノだったので、作品自体にはイマイチ乗り切れなかった。親父の職業を知らずに育ち、弟が今何をしているのかすら知らない僕に家族モノは全く響かないのだ。

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