スティーヴン・ミルハウザー

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木に登る王 三つの中篇小説

スティーヴン・ミルハウザー

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784560095515
ISBN 10 : 4560095515
フォーマット
出版社
発行年月
2017年06月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
288p;20

内容詳細

男女の複雑怪奇な心理の綾、匠の技巧が光る極上の物語!売りに出した自宅を女性が客に案内するなかで、思いがけない関係が浮かび上がる「復讐」、官能の快楽に飽いた放蕩児が、英国の貴婦人に心を乱される「ドン・フアンの冒険」、王妃と騎士の不義を疑う王の煩悩、王の忠臣が悲運を物語る表題作を収録。

【著者紹介】
スティーヴン・ミルハウザー : 1943年、ニューヨーク生まれ。アメリカの作家。1972年『エドウィン・マルハウス』でデビュー。『マーティン・ドレスラーの夢』で1996年ピュリツァー賞を受賞。『ナイフ投げ師』(1998年、表題作でO・ヘンリー賞を受賞)、We Others:New and Selected Stories(2012年、優れた短篇集に与えられる「ストーリー・プライズ」を受賞)

柴田元幸 : 1954年生まれ。米文学者・東京大学特任教授・翻訳家。翻訳多数。『生半可な學者』で講談社エッセイ賞、『アメリカン・ナルシス』でサントリー学芸賞、『メイスン&ディクスン』で日本翻訳文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ケイ さん

    中編三つ。最初の『復讐』は中途半端。もっと鬼になってよ、もっともっと牙を向いてよ、それで終わり?といささか消化不良。もしや抑えた怒りかとも思うが私には理解出来ず。『ドン・ファンの冒険』ドン・ファンの話は未読で、その理由が女を誑かすだけでは勲章にもならないし、そのうち飽きないか?と思えたから。その点、ミルハウザーに調理されたドン・ファンの心理にゾクゾクした。表題作『木に登る王』ミルハウザーはすごい作家だと感嘆するも、原典の作品を未読なのでそちらを読んでから再読後に感想を書きたい。

  • 帽子を編みます さん

    素晴らしかったです。3つの中篇小説。「復讐」「ドン・ファンの冒険」「木に登る王」。女性の独白が続く「復讐」。ドン・ファンがイギリスでの行動ではない恋愛に惑う「冒険」。トリスタンとイゾルデ伝説を踏まえた「王」。どれも素晴らしい、いいと思いながら、次の作品がさらに良く、最後の作品にしびれました。王の従者トマスが見た三角関係、愛の煩悶、王が二人を愛しているからこその疑惑、悲劇。伝説では二人の恋は媚薬のせいですが、ここでは、それは語られず、王の苦悩、悲哀がさらに深まるように思います。

  • 星落秋風五丈原 さん

    表紙絵には三つの手が描かれている。二つの手はぎゅっと握られているが、下から出ているちょっと小さめの手は、二つの手に混じれない。この絵が象徴するように、本作に収められた中編は「結びついた二人」と「二人の間に入れない一人」の関係を描いている。握りしめられた二つの手の間には入りこむ隙もないように見えるが、ふとした弾みで容易く外れる。さて、その時非力に見えた第三の手はどんな動きをするのか。「復讐」は、全編これ、転居して来る人にモデルハウスの店員よろしく我が家を案内する女性のモノロ―グ。

  • syaori さん

    3編の中篇小説が収められています。訳者は収録作について「複雑怪奇化した男女関係」というテーマを指摘していますが、一編ごとにこの男女の心の綾の複雑さが増していくように、そしてそれに伴い物語の夜が深くなっていくように感じました。死んだ夫の愛人に家を案内する『復讐』の主人公の、彼女の心理とは真逆ののどかな夜。『ドン・ファンの冒険』のファンが歩く月に照らされた夜。そしてトリスタンとイゾルデに材をとる『木に登る王』の、トリスタンとイゾルトを包む夜の神秘と恍惚。その二人が溶けてゆく闇の、何と怖ろしくて蠱惑的なこと。

  • syota さん

    読友の方のレビューで初めて知った作家。中編3編が収録されていて、どれも緻密で濃厚、ずしりと読みごたえのある心理小説だ。『復讐』は、亡夫の愛人に向かってひたすら話しかける妻のセリフだけで構成されている。妻の心の奥底が次第にあらわになってくるのが怖い。彼女を動かしているのは狂気か、それとも冷徹な計算か。言葉の矢は愛人を貫いたのか、弾き返されたのか。解釈は読み手に委ねられている。▲『ドン・フアンの冒険』では、女をモノとしか見ていなかったドン・フアンが初めて恋に落ち、内気な男子高校生のように立ち往生している。⇒

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