パレスチナ

ジョー・サッコ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784910962009
ISBN 10 : 491096200X
フォーマット
出版社
発行年月
2023年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
285p;26

内容詳細

ジョー・サッコは1991‐92年にかけてイスラエルの占領地であるヨルダン川西岸地区やガザ地区で2か月間を過ごした。折しもパレスチナ人のあいだから自然に起きたといわれる第1次インティファーダ(民衆蜂起)の時である。紛争の最前線で彼は、拷問を受けたパレスチナ人から観光気分のイスラエル人まで、さまざまなインタビューをこころみる。「イスラエル人の友だちはいる?」「なぜあなたはスカーフをかぶっているの?」「なぜ君は抵抗組織に加わったのか」そしてパレスチナ人から堰をきったように語られる苛酷な事実をリポートしていく。「治安上の理由」で収入源のオリーヴの木を切られた農民。「非合法組織の一員」だと疑われ、「おだやかな圧力」のもと3週間にわたって拷問され、ついに釈放された男。イスラエルの兵隊に2人の息子を射たれ、何の治療も受けられないまま見殺しにされた難民キャンプの母親…パレスチナの現実を「正確に、かつやさしく」白日のもとに晒したとして国際的な評価を受けた本書。その刊行から10年経ち、著者のサッコ自身が当時つけていた日記やメモを引用しながら、マンガに込めた思いや取材方法を赤裸々に綴った30頁分を増補。新たに特別版としてお贈りする。

目次 : 第1章(カイロ/ 行きあう人びと/ 故郷/ 目撃者の目/ キドロン・ヴァリー)/ 第2章(タクシー/ 公傷と私傷(ナブルスで)/ ドクター、続けて/ ヘブロン/ 「思い出させて」)/ 第3章(千のことば/ バケツ/ 1日だけの兄弟/ サブローはどこ?)/ 第4章(アンサール3/ おだやかな圧力 その1/ パレスチナ人のジョーク ほか)/ 第5章(シマラ/ シカゴ/ 特ダネを得る ほか)/ 第6章(難民ランド/ 部屋のなかで/ 法律 ほか)/ 第7章(ジャバリア/ 男たち その1/ 男たち その2 ほか)/ 第8章(巡礼)/ 第9章(別の視点/ テルアヴィヴ/ 幸運な再会 ほか)

【著者紹介】
ジョー・サッコ : 1960年、マルタ島生まれ。オレゴン大学でジャーナリズムの学位を取得し、81年に卒業。91年から92年にかけて現地を取材した本書『パレスチナ』で96年にアメリカ図書賞を受賞。また、ボスニア紛争の体験をもとにした『安全地帯ゴラズデ』で2001年のウィル・アイズナー賞を受賞。“コミック・ジャーナリズム”という分野のパイオニアとなっている。最近の著作としてはボスニア紛争を題材にした『The Fixer』(2003年)『War’s End』(2005年)、アメリカ先住民族の痛ましい歴史を描いた『Paying the Land』(2020年)など。2019年にはガザ地区について書いた『Footnotes in Gaza』を刊行するなど、パレスチナへの関心は変わらず持ち続けている

小野耕世 : 1939年、東京生まれ。国際基督教大学卒業。アメリカのみならず、アジアやヨーロッパのコミックスの紹介や翻訳を行う第一人者として知られるほか、映画評論家としても活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

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読書メーターレビュー

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  • tellme0112 さん

    じっくり解説のようなところから読んだ。なぜこの本を予約したのか思い出した。自分を突き放したような、パレスチナとの距離感。絵はタイプではなかったが、じっくり見ていくと味わい深い、人間味ある絵に見えてくる。かわいすぎもせず、醜すぎることもない。息づかいが聞こえてきそうだ。この頃からこうだったし、そもそもイスラエル建国からこうだったのだと

  • Melody_Nelson さん

    文字は多いし、何より内容(というかパレスチナの描写)が悲惨で、漫画なのに読むのに意外に時間がかかった。絵のタッチは好みじゃないし、著者の気持ちの部分も正直いって不愉快なところはあったが、この作品で少しでも「パレスチナ側に立った見方」を提示したのは功績なのかな。現在の紛争の前から、イスラエルは恐怖と暴力によってパレスチナを制圧し、対抗すべくハマスが誕生、そして一般市民の犠牲は増え続ける。パレスチナ難民キャンプは、かつてのゲットーのように感じた(ゲットー以上に過酷なのかも)。ハーケンクロイツからダビデの星へ…

  • じぇろポーta さん

    冒頭のサイードの序文の後からサッコ本人による本書創作ノートが収録されているが、本編のネタバレやボツネーム比較など出てくるので、一旦飛ばして本編を先に読んだ方がいい。インティファーダ、入植者たちの暴力、難民キャンプの日常、女性運動家たち、ヒジャーブ、名誉殺人、イスラエル市民から見たパレスチナetc…。本書初刊行から30年たって状況は好転したのか?読後感は正直重いが、サッコのユーモアセンスにくすりとさせられる描写も多い(題材が題材だけに大分シニカルだが)。『おまえはウサギだと認めろ!ウサギだと白状しろ!』

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