丘 岩波文庫

ジャン・ジオノ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784003751251
ISBN 10 : 4003751256
フォーマット
出版社
発行年月
2012年02月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
山本省 ,  
追加情報
:
250p;15

内容詳細

舞台は、美しくも厳しい自然と対峙する山間の小さな集落。死の床にある長老ジャネはうわごとのように謎の言葉を繰り返す。自然の異変を感じ取る村人たち。山火事が起こるに及んで、その原因をジャネにもとめるが…。『木を植えた男』で知られるジオノの処女作。アンドレ・ジイドが激賞した詩のような物語。

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • のっち♬ さん

    舞台はオート=プロヴァンスの片田舎の集落。死の床にある老人の妄言を皮切りに次々と災厄に見舞われた住民たちは彼に原因を求めるようになる。「この大地は生命を持った生物ではないのだろうか?」—自然界の漲るような生命感と登場人物たちの素朴で奔放な言動が織り成す詩的な表現手法は一作目にして著者独自の文学的精髄が現れており、突飛な発言で構って貰おうとする老人に大法螺吹きで通した彼自身の影を感じる。農民のリアルな生活模様も肌で感じ取ったものだろう。丘のように不気味なうねりを孕みつつ、尻上がりに緊張感が重なるストーリー。

  • ykshzk(虎猫図案房) さん

    「アンドレ・ジイドが激賞した詩のような物語」とのこと。1929年に書かれたもの。山間の集落に暮らす13名の人々。死の床にある長老の口から出る不気味な予言めいた言葉をめぐり、集落の人々の心は揺れ動く。それは自然が長老の口を借りて人々に伝えようとしていることなのか、はたまた単なる老人の譫言か、読みながら惑わされる。小さいながらも集団を形成する人々の心理の揺れ動きの描写は巧み。人間は自然を前にしていとも簡単に揺れ動く。怖かった災害も、人々の記憶からは時が経つと薄れてゆく。自然はただじっと、人間たちを見ている。

  • めぐ さん

    とても素晴らしい本です。フランスの辺鄙な集落の村民たちと自然(災害)との戦いを通して自然の美しさと恐ろしさが描かれています。構図は人間vs自然だけど、瀕死の老人ジャネが自然サイドについて、譫言を通して村人を怯えさせる。死とは自然(世界)に還ることなんですね。人間は自分たちを特別視して、元々は自然の小さな一部だということを忘れがちですが。動植物、障碍者、健常者、みな循環する森羅万象の一部として描かれます。日本人とフランス人とで表現の仕方は違えど、大いなる自然(世界)を畏怖し愛する感覚は同じだと感じました。

  • おMP夫人 さん

    数多く読んではいませんが、それでもこの作品は私の知るフランス文学としてはかなり異質だと感じます。舞台がパリなどの都市部ではなく、山奥の集落。恋愛要素も人物の心理描写も皆無。中でも一番驚いたのはキリスト教の影響があまり見受けられないところで(何でも作者はキリスト教を宗教として信じていなかったそうな)、神(God)の存在が希薄なおかげで「人間も天然自然の一部でしかない」という物語のテーマが実に明瞭になっています。フランスというより日本の東北地方あたりがしっくりきそうな世界で、とても日本的に思える作品です。

  • きゅー さん

    災いを前にして迷信に囚われた人々が非合理的、非人道的な結論を抱くようになる物語。恐ろしいのは、彼らが実に善良な人々だということだ。自分の家族を守り、生きていくために協力し、団結する。しかし迷信ゆえに彼らの行動はおぞましいものとなっている。知的障害の少年が登場するのだが、彼は異端でありつつ人間的な感情を見せ、それが村人との対比として鮮やかだ。白状すると『木を植えた男』を読んだ時に、教訓臭い物語を書く作家だなと思った。しかし、この小説を読んでその印象はガラリと変わった。この作品の持つ居心地の悪さは癖になる。

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人物・団体紹介

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ジャン・ジオノ

1895年‐1970年。フランスの小説家。プロヴァンス地方マノスク生まれ。16歳で銀行員として働き始める。1914年、第一次世界大戦に出征。1929年、「牧神三部作」の第一作『丘』がアンドレ・ジッドに絶賛される。作家活動に専念し、『世界の歌』や『喜びは永遠に残る』などの傑作を発表する。第二次大戦では

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