ジャクリーヌ・マンク

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マティスとルオー 友情の手紙

ジャクリーヌ・マンク

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784622085645
ISBN 10 : 462208564X
フォーマット
出版社
発行年月
2017年01月
日本
追加情報
:
22

内容詳細

気質も画風も好対照。そめゆえに惹かれ合い、ライバルとして高め合ってきたマティスとルオー。ふたりはパリ国立美術学校のギュスターヴ・モロー教室で出会って以来、マティスの死の直前まで50年にわたり手紙を交わし、家族ぐるみの交流をつづけた。恩師との思い出、フォーヴィスムの誕生、画商への愛憎、贋作騒動、「聖なる芸術」への熱情―ふたりの巨匠の創作の舞台裏。図版75点、詳細年譜、関連地図を収録。

目次 : 1906‐07年 サロン・ドートンヌ事件/ 1930年 ふたりのマティス/ 1934年 画商との確執/ 1937‐38年 絵付けと舞台美術/ 1941年 占領地区と自由地区/ 1944年 解放前夜/ 1945年 ボノムという画家/ 1946年 「黒は色である」/ 1947年 ヴォラール裁判/ 1949年 聖なる芸術/ 1951年 古いなかンま/ 1952年 ユネスコ世界会議/ 1952−53年 最後の邂逅に向けて―マティスへの質問状/ 1954年 エピローグ

【著者紹介】
アンリ・マティス : 1869‐1954。1869年、ノール県ル・カトー=カンブレジの穀物卸売商人の家に生まれる。1887年パリに出て法律を学ぶが画家を志し、1892年国立美術学校のモロー教室に入る。1905年コリウール滞在中に試みた新印象主義的な表現を経て、同年のサロン・ドートンヌでは「フォーヴ」誕生の中心的役割を果たす。1917年ニース滞在期以降は自然主義的な画風に戻るが、デッサンと色彩とを融合する「切り紙絵」へと到達。1951年のヴァンス礼拝堂はその集大成である

ジョルジュ・ルオー : 1871‐1958。1871年、パリの家具装飾職人の家に生まれる。1885年ステンドグラス職人に弟子入りするが、絵画専念のため1890年国立美術学校ドローネー教室、92年モロー教室に入る。1903年サロン・ドートンヌ創設に参加。アカデミックな画法は一変し、道化師、娼婦、裁判官など社会的な主題が登場する。1920年代の銅版画集『ミセレーレ』制作以降、マティエールは豊かさを増し色彩はより輝かしくなる。晩年の油彩画は宗教的至高性へと到達した

ジャクリーヌ・マンク : 現在パリ市立近代美術館学芸部長。専門はフォーヴィスムを中心にした近現代美術史。重要な展覧会を国際的に企画監修

後藤新治 : 1950年福岡県に生まれる。九州大学工学部卒業後同大学文学部修了。北九州市立美術館学芸員を経て、西南学院大学国際文化学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • miyu さん

    先日の汐留ミュージアムの展覧会は素晴らしかった。代表作だけでなく互いに宛てた手紙の数々が紹介されていて、思わずため息が出た。個性も性格もまるで違うのに気が合ったというか、互いを尊重し合える相手だったようだ。この本には展覧会よりもさらに詳しく二人の書簡が紹介されていて実際の手紙の写真も幾つか載っていた。マティスは流れるような美しいフランス語を書く人で、あの彼の線描画を思い起こさせる。ルオーは骨太でエネルギッシュな字面だ。こちらもミセレーレのようだった。絵に共通した個性が見える字とは、なんて面白いことだろう。

  • はまだ さん

    音楽とはちがって、時間の経過は必要がない。文学とはちがって、言葉やその意味を経由することもない。絵画は、そのような媒介なしで、見た瞬間、見た人の「感覚を追い抜く」。感覚が間に合わないから、言葉はなおさら間に合わない。30歳を越えたアムステルダムで、1人で、冬で、何もなくて、ゴッホを見た。そこからだ。感覚を追い抜くと知った。その次は東京で見たルオーだった、という人には大変オススメ⭐︎!

  • mayumi225 さん

    「君がそれをやるべきだよ!昔ながらの友よ,さあやってくれたまえ!」(マティス)「真の友情と君の芸術に対する熱烈な共感を込めて・・・」(ルオー)。間違いなく偉大な二人の画家のこの親密な信頼とか,素敵すぎでしょう。いつも相手を心配して思いやっているマティス「ここに僕が書くことを絶対に聞いて欲しい。君は眠らなくてはならない。」対するルオー「マティスよ。僕は夜も昼も眠りこけている。」笑。あの深い深い色合いの絵を描くルオーの意外な奔放ぶりも面白いです。すべすべ撫でたくなるような上品な紙質も好みの,とっても渋い本。

  • なおみ703♪ さん

    ものすごく良かった。マティスとルオーの絵画表現は、似ても似つかないと思っていたけれど、モローを恩師にもつ所以から生涯にわたり友情の絆で結ばれていた。そういう気持ちで改めて絵画や陶器を見ると共鳴していると思える。マティスはルオーの絵画を大切にし、ルオーもマティスの切り絵を尊重していたという。家族、子供たちの繋がりも深く、だからこそこの本の刊行に至ったのだと思うと感慨深い。戦争を超え、人生の後半に2人のテーマが共に「聖なる芸術」であり、色と形のハーモニーを重視し、モローの思想にも重なるところも感慨深い。

  • ひなぎく ゆうこ さん

    2才違いのマティスとルオー。 マティス(37歳)からルオー(83歳)までやり取りした、計60通の手紙がまとめられています。 ルオーの人となりを知った上で、改めて読んでみようと思います。 「黒は色である」が理解できると、更にルオー作品を楽しめそう。

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