ジェニファー・ベリー・ホーズ

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それでもあなたを「赦す」と言う 黒人差別が引き起こした教会銃乱射事件 亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ

ジェニファー・ベリー・ホーズ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784750516530
ISBN 10 : 4750516538
フォーマット
出版社
発行年月
2020年06月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
456p;20

内容詳細

アメリカ南部・チャールストンの由緒ある黒人教会で、その晩も聖書勉強会が開かれていた。飛び入り参加を装い現れた白人男性が、突然出席者に向けて銃を乱射。十二名の黒人信徒のうち九名が死亡した。犯人は白人至上主義者のひきこもり青年。インターネットで仕入れた差別思想に影響を受けての凶行だった。「国を乗っ取っている黒人」たちとの人種戦争を起こすために、世間にもっとも衝撃をあたえられそうな人々(教会に集う善き人々)を狙い実行された大量殺人事件。その背景に横たわるアメリカにおける黒人差別の根深い歴史、遺族たちの葛藤、そして信仰の力とは―

目次 : 第1部 邪悪な存在と目が合った(いばらの中に蒔かれた種/ 訪問者/ 隠れていたのは ほか)/ 第2部 癒しを求めて(死の騒がしい沈黙/ 見知らぬ人々の善意/ 「聖書を取り戻したい」 ほか)/ 第3部 真相が明るみに出る(善き人々の沈黙/ 一年後/ 通常営業 ほか)

【著者紹介】
ジェニファー・ベリー・ホーズ : 米国サウスカロライナ州チャールストン在住。ルーズベルト大学シカゴ校卒業。ピュリッツァー賞受賞の地元紙「ポスト・アンド・クーリエ」で十年以上記事を執筆。現在は同紙調査報道のプロジェクトチームに所属。1944年に死刑となったアフリカ系アメリカ人少年の冤罪と真犯人が裕福な白人男性であることを示唆する記事で、自身も2019年のピュリッツァー賞最終候補にノミネートされる。他にジョージ・ポルク賞、ナショナル・ヘッドライナー賞、トラウマに関する優良な報道に贈られるダート賞など受賞多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ヘラジカ さん

    心が磨り減らされるような感覚。こうしたヘイトクライムがアメリカで頻発していることは日本でも周知の事実だが、ここまで詳細を追って書かれたものを読むと衝撃を受けざるを得ない。過激なレイシストを育む土壌、事件後の教会による遺族への対処、生存者としての信仰との向き合い方、そして多層的な「赦し」の意義。銃乱射事件の影響と余波がどのようなものであるか、一つのケースを示した書でありながら、現在も続くBLM運動や暴動の"前日譚""伏線"としても読める。組織の傲慢さと銃撃事件が起こるスパンの短さには絶句した。

  • くくの さん

    2015年、エマニュエル教会で起こった黒人を狙った銃撃事件。9人が犠牲になり、3人が生き残った。保釈審問のとき、遺族は犯人に「赦す」と言った。そこに葛藤や躊躇いはなく、神に導かれるように、その言葉を口にした。しかし、遺族が求めたのは犯人の死刑であり、私が思っていた罪に問わないというものではなかった。では、赦すというのは何を言うのか?失われたものは帰ってこない。以前とは違う日常に戻っていくことが癒しになるのだと思った。赦すとは、事件に囚われ続けないで、大切な自分の生活に戻っていく最初の一歩になるのだろう。

  • にしがき さん

    👍👍👍 2015年の黒人教会での銃乱射事件の発生から裁判終了までのノンフィクション。犯人は21歳の白人至上主義者。犠牲者は9人の黒人。事件後すぐに捕まった犯人の面前で、遺族や生存者が犯人を赦すと発言してニュースになった。自分も覚えている。本書は、この赦しをテーマとするが、簡単ではない。犯人を赦すと言った遺族でも家族内の諍いは激しくなり、遺族と教会の亀裂も生まれてくる。また、犯人を赦すというのも、「黒人はどんな悲しみも感じよく受け入れて耐えるもの」というプランテーション時代と同じだという指摘も鋭い。

  • uniemo さん

    国内において人種による差別を身近で感じたことがないのでヘイトクライムを理解することが難しかったのですが、詳細に語られている本作によって少し理解に近づいたかもしれません。ただ私自身が確固とした宗教心も持っていないのでこのような状況下で「赦す」という行為に至ることの真の理解も難しいと感じました。

  • ちぃ。 さん

    2015年、チャールストンの黒人教会で9人の犠牲者を出した銃乱射事件。犯人の保釈審問で遺族たちは言う。犯人を「赦す」と。なぜ事件は起き、人々に何が起こっていたのか。その記録。しっかり読みたくて読むのが遅くなったけどやっぱり読んで良かった。正直ずっと関心があったわけではなく段々と関心が出てきたことなので知らなかったことが多く、もっと知りたい。人種差別、歴史、信仰、政治いろいろなものが絡み合う。インターネットで不確かな情報が上位に来てしまう、間違った情報にアクセスしやすいことの危うさも感じた。文字数たりない。

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ジェニファー・ベリー・ホーズ

米国サウスカロライナ州チャールストン在住。ルーズベルト大学シカゴ校卒業。ピュリッツァー賞受賞の地元紙「ポスト・アンド・クーリエ」で十年以上記事を執筆。現在は同紙調査報道のプロジェクトチームに所属。1944年に死刑となったアフリカ系アメリカ人少年の冤罪と真犯人が裕福な白人男性であることを示唆する記事で

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