シュロモー・サンド

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ユダヤ人の起源 歴史はどのように創作されたのか ちくま学芸文庫

シュロモー・サンド

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784480097996
ISBN 10 : 4480097996
フォーマット
出版社
発行年月
2017年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
656p;15

内容詳細

二千年にわたる「追放=離郷」、そして約束の地への「帰還」。このユダヤの物語をもとにイスラエルは建国された。だが、そこに歴史的正当性はあるのか、そもそも、ユダヤ人とは何者か。著者は精緻な検証作業で、イスラエルにおける集団的アイデンティティを根底から突き崩す。民族の神話と出自は近代の創作であると暴露され、現国家に対し再出発を迫る。どうすればイスラエルは未来を拓くことができるのか。タブーを破り、イスラエル本国をはじめ、世界各国で反響を巻き起こした画期的大著、ついに文庫化。

目次 : 第1章 ネイションをつくりあげる―主権と平等(「用語の検討」―プープル(民族)とエトニー(種族)/ ネイション―閉じ込め、境界を定める ほか)/ 第2章 「神話=史」―はじめに、神がその民を創った(ユダヤ人の時間の素描/ 「神話=史」としての旧約聖書 ほか)/ 第3章 追放の発明―熱心な布教と改宗(紀元七〇年/ 追放なき離郷―不分明な地域における歴史 ほか)/ 第4章 沈黙の地―失われた(ユダヤの)時を求めて(「幸福のアラビア」―ヒムヤル王国のユダヤ教への改宗/ フェニキア人とベルベル人―謎の女王カーヒナ ほか)/ 第5章 区別―イスラエルにおけるアイデンティティ政策(シオニズムと遺伝/ 「科学的な」あやつり人形と人種差別的な人形つかい ほか)

【著者紹介】
シュロモー・サンド : 1946年にオーストリアのリンツで生まれる。その後、両親とともにイスラエルに移住。テルアビブ大学とパリの社会科学高等研究院で歴史を学ぶ。1984年よりテルアビブ大学にて現代ヨーロッパ史を教える。現在、テルアビブ大学名誉教授。専門領域は、フランスのインテレクチュアル・ヒストリー、20世紀の政治史、映画と歴史、ネイションとナショナリズムなど。フランス語・英語・ヘブライ語で多数の著書と論文を発表している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • garth さん

    本書ではユダヤ人とはなんなのかーーいかな歴史的・文化的・民族的実体を持っているのかを追求するわけだが、結論はつまり「あらゆるユダヤ人に共通の世俗的ユダヤ文化などこれまでに存在したことはな」いのである。ユダヤの歴史を辿り、ユダヤ民族とは結局神話にしかよりどころをもたないことをあきらかにする。シオニズムのイデオローグが優生学に傾倒していたというのはぞくぞくするような指摘であった。

  • BLACK無糖好き さん

    ユダヤ人は民族を構成してはいない、民族の神話と出自は近代の創作であると、イスラエル建国の歴史的正当性までも問う。ユダヤ人の起源について、考古学、言語学、神学から人類学、遺伝学、生物学まで幅広く、更に奥深く議論が展開される。割礼との文字を見ただけで、下半身をモゾモゾさせている程度の読み手の自分に、果たして本書の内容をどの位理解出来たのかと自問すると、心許無い。本書の問題提起は、単にユダヤ人に関する事柄だけに留まらない、ネイションとは、民族とは、信仰とは、国家とは・・射程の深遠さに目眩を覚えた。

  • さとうしん さん

    ローマ帝国によるユダヤ人の「追放」の実態とはいかなるものだったのか、現代のユダヤ人は古代のヘブライ人の子孫と言えるのかなど、ユダヤ人の歴史認識がどのように形成されていったのかを辿ることで、現代のイスラエル国やシオニズムの歴史的正当性に疑問を投げかける。正しい歴史と信じるものが歴史認識でしかなかったということや、固有の民族の定義の無理性(本書ではユダヤ人の特質を遺伝学的に明らかにすることができず、ナチスもユダヤ人の定義は役所の資料に頼るしかなかったという話を引く)は、日本も含めて普遍的に通用する問題だろう。

  • Honey さん

    そういえば「ユダヤ人」って?ナチスに迫害された民族?「ベニスの商人」に出てくる…? とにかく、普段よく耳にしても、意外にはっきりとしたイメージはわかない。けれども国際的に、大変重要なキーワードのような気がして、本書と格闘開始。基本的な知識不足で、かなり消化不良気味。とはいえ自分的には、非常に有意義な読書でした。ユダヤ人の定義、起源、変遷…いろいろな研究もなされているのに、当のイスラエルではなぜか敬遠されている議論がある。やはり国際政治的にあちこちから利用され、圧力が?学者さんたちの今後の活躍に期待。

  • belier さん

    イスラエルの良心的歴史家が膨大な量の資料を調査し、ユダヤ人という概念を創作として否定、自国のユダヤ種族主義を批判している。当然だが聖書については、考古学の知見を使って歴史性を否定。刺激的だったのは、各地にいたユダヤ人はユダヤ戦争後に離散した人々ではなく、ローマ、北アフリカ、ハザール国等でユダヤ教に改宗した人々の子孫だという主張だ。逆にパレスチナ人はユダヤ教徒がイスラムに改宗した人々だという。だがDNA調査を見たら、離散した人々が関係ないとは言えないよう。とにかく民族神話について考えさせられる本ではあった。

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