なんでこのバンドを知らなかったのだろう。
MVが公開されていた「朝ごはん」を聴いた瞬間、その後悔から始まった。
日常感と脱力感を表現しながらも、確かな演奏力とサウンドが骨組みを支えていることで、空気感としても音楽としても素晴らしいものになっている。
こういうものは狙って出来るものではなく、ある種の才能だと思う。
その直感は間違いではなく、このミニアルバムを手にして聴いたとき、彼らの音楽は本物だと感じた。
まず一曲目の「下着と日々」。
ミディアムテンポのナンバーを一曲目に持ってくるというのは、それなりの自信がなければできない。
その自信を覗かせるように、静かに語りかける言葉と演奏技術で聴き手を魅せる。
そこから名曲「朝ごはん」へと流れれば、もう彼らの音楽から離れることは出来ない。
「小説」は静かな構成で、「檸檬」ではダークさを前面に出しつつ、後半ではともに攻めるような音構成になっていて、そこには格好良いという言葉しか出てこない。
「どうでもいい」はイントロから攻めるギターの音色に引っ張られる形で、クセのあるメロディラインの波に乗せられてしまう中毒性の高い一曲。
ここまであっという間に聴けてしまうのだが、それは5曲と少なめということよりも、やはりその音楽に聴き惚れるうちに時間が経つのを忘れてしまうことのほうが大きい。
それくらい秀逸な音楽といえる。
正直もっと聴いてみたい。
でもまずはこの秀逸な音楽に浸っていたい。