Elektra: Matacic / Skb Etc

マタチッチ＆ベルリン国立歌劇場／『エレクトラ』全曲

ロヴロ・フォン・マタチッチ(1899-1985)は、当時オーストリア帝国領下にあったユーゴスラヴィア連邦クロアチア州の出身。9歳でウィーン少年合唱団員となり、ウィーン音楽アカデミーで学んだのち、19歳でケルン市立歌劇場にてデビューします。
　その後はザグレブ歌劇場の第1指揮者、ベオグラード歌劇場の音楽総監督を歴任、第2次大戦を経てバイエルン、シュトゥットガルト、ウィーン、ミラノ、フランクフルト等のオペラ・ハウスに登場、広範な活躍をみせましたが、「音楽以外のことはまったく無頓着」だったと伝えられる性格のゆえか、そのレコーディングは名声に比してさほど多いとは言えません。
　WEITBLICKからリリースされる今回のシリーズは、マタチッチの旧東ドイツにおけるライヴ音源をCD化するもので、これまでほとんど知られていなかったといっていいドイツにおけるその活動をかいま見せる、貴重なリリースと言えるでしょう。
　今回リリースされる『エレクトラ』全曲はも、もともとオペラが本領のマタチッチだけに大いに期待されるところ。豪快かつ重厚な芸風をもって鳴るマタチッチが、このR.シュトラウスの凄惨な傑作をどのように描いているのか、興味が尽きません。
　さらにカップリングの『死と変容』も目を引きます。
　いずれもモノラルながら良好な音質、とのことです。


R.シュトラウス：
・歌劇『エレクトラ』全曲
　ジークリッド・エッケハルト（エレクトラ）
　マルガレーテ・クローゼ（クリテムネストラ）
　ヘドヴィッヒ・ミューラー・ブトウ（クリソテミス）
　ゲアハルト・ニーゼ（オレスト）、他
　1957年10月3日、ベルリン国立歌劇場

・交響詩『死と変容』
　1958年1月18日ベルリン国立歌劇場

　ベルリン国立歌劇場管弦楽団＆合唱団
　ロヴロ・フォン・マタチッチ（指揮）


ブルックナー：交響曲第9番(SSS00502)も同時発売。