【中古:盤質A】 交響詩全集、協奏曲全集　ブロムシュテット＆サンフランシスコ響、アシュケナージ、プレヴィン、ベーム、タックウェル、ティボーデ、他（１３ＣＤ）

リヒャルト・シュトラウス：交響詩全集、協奏曲全集（１３ＣＤ）

演奏・音質ともに非常に高水準なことで知られるブロムシュテットのデッカ録音を中心に、ドラティ、アシュケナージ、デュトワのデッカ録音、マズア、デ・ワールトのフィリップス録音、シノーポリ、プレヴィン、ベームのドイツ・グラモフォン録音などを交えて、リヒャルト・シュトラウスの交響曲・管弦楽曲・協奏曲を収めたコレクション。

【ブロムシュテット】
サンフランシスコ交響楽団を指揮した『アルプス交響曲』『ツァラトゥストラはかく語りき』『英雄の生涯』『ドン・ファン』『死と浄化（死と変容）』『メタモルフォーゼン』に、ゲヴァントハウス管弦楽団を指揮した『ばらの騎士』のワルツ、『カプリッチョ』の六重奏曲、『ブルレスケ』を収録。
　ブロムシュテットの指揮は冴えており、複雑なオーケストレーションの作品でも決して混濁することのない見事なものですが、ここでもサンフランシスコ交響楽団とゲヴァントハウス管弦楽団の両者から最大限の美点を引き出し、それをダンカーリーなどデッカのエンジニアが細大漏らさずに収録。スペクタクルで色彩豊かな『アルプス交響曲』『ツァラトゥストラ』『英雄の生涯』から、デリケートな『カプリッチョ』の六重奏曲まで、セッション録音ならではの高水準な音質で楽しむことができます。

【ドラティ】
交響詩『マクベス』と、『影のない女』による交響的幻想曲、そしてドラティ自身の編曲による『ばらの騎士』演奏会用組曲を収録。
　ドラティ指揮するデトロイト交響楽団のサウンドをセッションで捉えた当時のデッカの録音は素晴らしいもので、シュトラウス最初の交響詩である『マクベス』から円熟期の『影のない女』まで充実したサウンドで聴かせてくれます。

【アシュケナージ】
クリーヴランド管弦楽団を指揮した交響的幻想曲『イタリアから』と、ロイヤル・フィルとのホルン協奏曲に『カプリッチョ』の終景への前奏曲「月光の音楽」、ベルリン放送交響楽団とのヴァイオリン協奏曲、オーボエ協奏曲、デュエット・コンチェルティーノを収録。
　『イタリアから』は『ドン・ファン』の２年前に書かれた標題音楽的な交響曲形式の作品で、イタリア旅行に刺激を受けた内容は、明るく美しい響きにもあらわれており、終楽章で「フニクリ・フニクラ」が炸裂する部分なども楽しい聴きものとなっています。アシュケナージはオケの高度な機能を活かした立派な響きで作品を描いています。
　ホルン協奏曲では朗々と鳴る名手タックウェルのソロが見事。「月光の音楽」の美しさも印象的です。
　初期のヴァイオリン協奏曲では、ボリス・ベルキンがソロを弾き、ブラームスの影響を受けたという力作を入念に仕上げています。
　晩年の名作、オーボエ協奏曲では、ゴードン・ハントがオーボエを担当、同じく晩年の佳作「デュエット・コンチェルティーノ」では、ドミトリー・アシュケナージがクラリネットを、キム・ウォーカーがファゴットを受け持っています。

【デュトワ】
クープランの作品を編曲した「舞踏組曲」と、モリエールの戯曲のためのバロック風な組曲『町人貴族』を収録。室内アンサンブル、モントリオール・シンフォニエッタとの軽やかで典雅な演奏を楽しめます。

【マズア】
『ドン・キホーテ』は、有名なセルバンテスの小説に依拠して書かれたもので、チェロ協奏曲的な面も持つ巨大な変奏曲形式の作品。ドン・キホーテの心理をあらわすチェロのソロが重要なことはいうまでもありませんが、セルバンテスのイメージ豊かな世界を音化する主役はやはりオーケストラ。変奏曲形式でさまざまな風景を音楽として表現したシュトラウスの手腕の凄さは、ティルやツァラを経た時期の熟練の時期に書かれたものであることを痛感させてくれます。組み合わせは人気交響詩の『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯』と、チェロと管弦楽のためのロマンスというもの。
　東西ドイツ統一直前のゲヴァントハウス管弦楽団の質朴なサウンドによる独特の魅力をもつシュトラウス演奏を楽しめる録音で、名手ハインリヒ・シフの巧みなチェロも聴き応え十分です。

【デ・ワールト】
シュトラウス若き日の出世作である「13管楽器のための組曲」に、「管楽器のためのセレナード」、管楽器のためのソナチネ第1番『傷病兵の仕事場より』、第2番『楽しい仕事場より』を収録。
　デ・ワールト指揮するオランダ管楽アンサンブルの演奏は、これらの作品の楽しげな雰囲気をよくあらわしたものです。

【シノーポリ】
バレエ音楽『ヨゼフの物語（ヨゼフ伝説）』を収録。ディアギレフの依頼によって書かれた１時間ほどのバレエ音楽。シュトラウス円熟期の大管弦楽のための作品で、旧約聖書創世記39章のヨゼフの話に取材した内容となっています。シノーポリ指揮するシュターツカペレ・ドレスデンの演奏は、長大な作品を豊かな起伏で聴かせた立派なものです。

【プレヴィン】
『家庭交響曲』と、『家庭交響曲へのパレルゴン（家庭交響曲余禄）』を収録。多彩な描写力を要求される『家庭交響曲』で、プレヴィンはウィーン・フィルを指揮してデリケートな表情の変化で楽しませてくれます。左手のためのピアノ協奏曲仕立ての「パレルゴン」では、グラフマンがソロを担当しています。（ＨＭＶ）

【収録作品一覧】

【収録情報】
Disc1-2
R.シュトラウス：
・交響詩『ツァラトゥストラはかく語りき』 Op.30
・交響詩『英雄の生涯』 Op.40
・交響詩『ドン・ファン』 Op.20
・アルプス交響曲 Op.64

　サンフランシスコ交響楽団
　ヘルベルト・ブロムシュテット（指揮）
　録音：1989,1992,1995年

Disc3
・交響詩『マクベス』 Op.23
　デトロイト交響楽団
　アンタル・ドラティ（指揮）
　録音：1982年

・交響詩『死と変容』 Op.24
・メタモルフォーゼン
　サンフランシスコ交響楽団
　ヘルベルト・ブロムシュテット（指揮）
　録音：1992,1994年

Disc4
・交響詩『ドン・キホーテ』 Op.35
・チェロと管弦楽のためのロマンス
・交響詩：『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯』 Op.28

　ハインリヒ・シフ（チェロ）
　ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
　クルト・マズア（指揮）
　録音：1989年
　原盤：PHILIPS

Disc5
・交響的幻想曲『イタリアから』 Op.16
　クリーヴランド管弦楽団
　ヴラディーミル・アシュケナージ（指揮）
　録音：1989年

・管楽器のためのソナチネ第2番『楽しい仕事場より』
　オランダ管楽アンサンブル
　エド・デ・ワールト（指揮）
　録音：1971年
　原盤：PHILIPS

Disc6
・家庭交響曲 Op.53
・家庭交響曲へのパレルゴン Op.73

　ゲイリー・グラフマン（ピアノ）
　ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
　アンドレ・プレヴィン（指揮）
　録音：1995年
　原盤：DG

Disc7
・バレエ音楽『ヨゼフの物語』 Op.63
　シュターツカペレ・ドレスデン
　ジュゼッペ・シノーポリ（指揮）
　録音：1999年
　原盤：DG

Disc8
・ホルン協奏曲第1番変ホ長調 Op.11
・ホルン協奏曲第2番変ホ長調 AV.132
・歌劇『カプリッチョ』 Op.85より終景への前奏曲

　バリー・タックウェル（ホルン）
　ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
　ヴラディーミル・アシュケナージ（指揮）
　録音：1990年

・歌劇『カプリッチョ』 Op.85より六重奏
・ブルレスケ

　ジャン＝イヴ・ティボーデ（ピアノ）
　ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
　ヘルベルト・ブロムシュテット（指揮）
　録音：1996年、2004年

Disc9
・ヴァイオリン協奏曲ニ短調 Op.8
・オーボエ協奏曲ニ長調 AV.144
・デュエット・コンチェルティーノ AV.147

　ボリス・ベルキン（ヴァイオリン）
　ゴードン・ハント（オーボエ）
　キム・ウォーカー（ファゴット）
　ドミトリー・アシュケナージ（クラリネット）
　ベルリン放送交響楽団
　ヴラディーミル・アシュケナージ（指揮）
　録音：1991年

Disc10
・管楽器のためのセレナード Op.7
・13管楽器のための組曲 Op.4
・管楽器のためのソナチネ第1番『傷病兵の仕事場より』

　オランダ管楽アンサンブル
　エド・デ・ワールト（指揮）
　録音：1971年
　原盤：PHILIPS

Disc11
・舞踏組曲
・組曲『町人貴族』 Op.60

　モントリオール・シンフォニエッタ
　シャルル・デュトワ（指揮）
　録音：1992年

Disc12
・『ばらの騎士』演奏会用組曲（ドラティ編）
・『影のない女』による交響的幻想曲
　デトロイト交響楽団
　アンタル・ドラティ（指揮）
　録音：1983年

・『サロメ』より7つのヴェールの踊り
　クリーヴランド管弦楽団
　ヴラディーミル・アシュケナージ（指揮）
　録音：1985年

・『ばらの騎士』よりワルツ第1番、第2番
　サンフランシスコ交響楽団
　ヘルベルト・ブロムシュテット（指揮）
　録音：1996年

Disc13
・祝典前奏曲 Op.61
　ヴォルフガング・マイヤー（オルガン）
　ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
　カール・ベーム（指揮）
　録音：1963年
　原盤：DG

・ウィーン市音楽週間の開催に寄せるファンファーレ
　フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブル
　録音：1979年

・パンアテネの行列 Op.74
　アンナ・ゴウラリ（ピアノ）
　バンベルク交響楽団
　カール・アントン・リッケンバッハー（指揮）
　録音：1999年
　原盤：KOCH