アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ

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戦う操縦士 光文社古典新訳文庫

アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784334753726
ISBN 10 : 4334753728
フォーマット
出版社
発行年月
2018年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
352p;16

内容詳細

ドイツ軍の電撃的侵攻の前に敗走を重ね、機能不全に陥ったフランス軍。危険だがもはや無益な偵察飛行任務を命じられた「私」は、路上に溢れる避難民を眼下に目撃し、高空での肉体的苦痛や対空砲火に晒されるうち、人間と文明への“信条”を抱くに至る。著者の実体験に基づく小説。

【著者紹介】
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ : 1900‐1944。フランスの作家、飛行家。兵役で航空隊に志願、除隊後は民間航空業界に入る。26歳で作家デビューし、自らの飛行体験に基づく『南方郵便機』『人間の大地』などを発表した。1931年に発表した『夜間飛行』はアンドレ・ジッドに絶賛され、またフェミナ賞を受賞。また1942年の『戦う操縦士』は、ヒトラー『我が闘争』に対する「民主主義からの返答」として高く評価される。詩情あふれる『ちいさな王子』は、子どもから大人まで今も世界中で愛され続けている

鈴木雅生訳 : 1971年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程満期退学、パリ第四大学博士。学習院大学文学部教授。訳書に『地上の見知らぬ少年』(ル・クレジオ、第16回日仏翻訳文学賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • のっち♬ さん

    捨て身同然な戦地最前線の偵察飛行を命じられたサン=テグジュペリ大尉の思索の軌跡。往路では戦争や任務の無益さが述べられ、彼の想念は死ぬ意味を求めて現在と過去を縦横無尽に行き来する。それは対空砲火を契機に一気に高揚し、生命の陶酔と厳かな歓喜に包まれる。《人間》の本質を「行為そのもののなか」に見出した彼の弁舌は、「各々が全体に対して責任を負っている」と行動を促す。本書は中立を決め込む米国に留まらず、《普遍的なもの》を疎かにして《平等》を《同一性》と混同したヒューマニズムが拠り所を失う現在にも深く訴えかけてくる。

  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    読み始めた時は、最早、無駄死にに通じるような任務やそれに向かう仲間たちの心配などで悪態つきながらも自らが信じる責務を果たそうとする作者の姿に『ダンケルク』のファリアや『紅の豚』のマルコを重ねていた。ところが命の危機や避難民からの批判、目の前で撃墜されていく戦友たちと向き合っていく内に得た考えに心の底から震えることになる。「肉体は実は執着するものではなかった」や「自らの<存在>を築き上げるのは言葉ではなく、ただ行動だけなのだ」という宮澤賢治作品にも通じる「人間である事は」という希望に満ちているのを感じた

  • はるを さん

    🌟🌟🌟🌟☆☆。(ややオマケ🌟×3.8くらい)去年、生まれて初めてちゃんと『星の王子さま』を読み終えた後「次はコレにしよう。」と思い選書。なんと言えば良いのだろう。とにかく、戦闘機のコクピットに搭乗している臨場感が凄い。行間から息づかいが聞こえてくるようでこっちまで若干息づかいが伝染するよう。大空を飛びながら虚構や幻想、幻聴、哲学、観念等、様々な思いに囚われながらその都度現実に引き戻される。一度読んだだけでは捉えきれない重厚な内容。新品で買って良かった。再読の機会を楽しみにしよう。

  • 青色夜ふかし さん

    「死は大変なことだ。世界を再編する。昨日と同じ文章も違って見える。」◉サン=テグジュペリの体験を元に書かれた戦争小説。著者の夢想、哲学的分析が度々記される。◉舞台は第二次大戦下のフランス。1940年5月23日。ナチス・ドイツの侵攻を前にフランス軍は劣勢に陥る。アラスに集結したドイツ戦車部隊の所在を確認すべく、偵察飛行に出撃。◉戦争を冷めた目で分析。フランス軍劣勢の中コントロールを失った組織の中で、予定調和で従う兵士。人間性は否定され、無意味なことを、型にはめられ要求される。私は現代社会の暗喩。だと捉えた。

  • molysk さん

    第二次世界大戦初頭、ドイツの電撃戦に崩壊寸前のフランス。危険だが明確な目的のない任務へ赴く「私」は、アラス上空で砲火に晒され、肉体の危機を感じる中で、啓示を得る。自分が存在するには、まず責任を引き受けるのだと。フランスへの、世界への、そして普遍的な存在としての「人間」への責任を。私の文明の本質は、個々の人間ではなく「人間」だということを、行動で示さねばならない。ある人物やある国家といった個別的なものではなく、普遍的な「人間」のために戦うこと。この筆者が得た信条は、「我が闘争」への民主主義の返答と評された。

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アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ

作家、飛行士。1900年フランスのリヨン生まれ。フランスの民間郵便飛行機のパイロットとなり、たくさんのフライトを経験。第二次世界大戦中は、連合軍の偵祭飛行を任務とする部隊に所属。1944年、飛行中に消息を絶ち、行方不明となる。著書『星の王子さま』は出版と同時に多くの人に読まれ、20世紀中、最も多くの

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