【中古:盤質S】 『マルティン・ルターの音楽〜宗教改革時代の音楽と音楽的遺産』(2CD)

ザ・サウンド・オブ・マルティン・ルター(2CD)
宗教改革者ルターにまつわる音楽

2017年は、宗教改革の創始者マルティン・ルター[1483-1546]が、当時加熱していたカトリック教会の免罪符(贖宥状)販売に疑義を呈した「95ヶ条の論題」を発表してから500年の記念の年となります。宗教改革の幕開けになったこの出来事により、4年後にヴォルムス帝国議会に召喚されて21歳の神聖ローマ皇帝カール5世から自説の撤回を求められるものの、「聖書に書かれていないことを認めるわけにはいかない。」と撤回を拒否、議会が処分を下す前に同地を離れ、ヴァルトブルク城でザクセン選帝侯フリードリヒ3世にかくまわれることとなります。
　ここで一年余りのあいだユンカー・イェルクの偽名で過ごすことになったルターは、聖書のドイツ語訳をおこなう一方、得意の歌やリュートの腕を活かして賛美歌(コラール)の作詞・作曲もはじめ、信仰と音楽を結び付ける作品を書くようになります。
　『神はわがやぐら』や、『深き悲しみの淵より』などで知られるルターは、グレゴリオ聖歌や各種典礼歌のほか、同時代のさまざまな音楽や民衆の歌などの影響を受け、替え歌まで書くなど旺盛な創作力で礼拝の場に使う音楽を書き上げていきました。
　今回登場する2枚組アルバムは、ルターをめぐるコンセプトで編まれたもので、Disc1は「ルターの時代からの世俗と神聖な音楽」、Disc2は「ルターの音楽的遺産」と題されています。

【Disc1】
ルターと交流があり自作にもルターの音楽を使用したりしていたゼンフルや、その師イザークの作品、ルター派の牧師の息子だったプレトリウスに、ルターが称えていたジョスカン・デ・プレ、反対の立場にいたパレストリーナなどの作品を収録。

【Disc2】
バッハのカンタータ『われらが神は堅き砦』、シュッツのドイツ語マニフィカト、プレトリウスのモテット『目覚めよと、われらに呼ばわる物見らの声』、メンデルスゾーン『宗教改革』、ブラームス：ドイツ・レクィエムという、ルターの素材を用いて書かれた作品から収録。（HMV）


【収録情報】
Disc1:ルターの時代からの世俗と神聖な音楽
● スザート:『ダンスリー』からの舞曲(3曲)
　デイヴィッド・マンロウ指揮、ロンドン古楽コンソート

● ジョスカン・デ・プレ:フロットーラ『主よ、われ御身に依り頼みたり』
　ヒリヤード・アンサンブル

● パレストリーナ:ミサ・シネ・ノミネ(抜粋)
　コンチェルト・パラティーノ

● プレトリウス:『テルプシコーレ』より「スペインのパヴァーヌ」
　デイヴィッド・マンロウ指揮、ロンドン古楽コンソート

● イザーク:『ミサ・パスカレ』
　ヒリヤード・アンサンブル

● プレトリウス:『テルプシコーレ』より「パッサメッツォ」
　デイヴィッド・マンロウ指揮、ロンドン古楽コンソート

● ジョスカン・デ・プレ:『哀れにもわが身をかこつ』
　ヒリヤード・アンサンブル

● プレトリウス:『テルプシコーレ』より「スパニョレッタ」
　デイヴィッド・マンロウ指揮、ロンドン古楽コンソート

● ジョスカン・デ・プレ:『千々の悲しみ』
　ヒリヤード・アンサンブル

● プレトリウス:『テルプシコーレ』より「ヴォルテ」
　デイヴィッド・マンロウ指揮、ロンドン古楽コンソート

● ゼンフル:『それは5月』
　チューリッヒ「古い音楽のための」リチェルカーレ・アンサンブル

● スザート:『パッセ・メディオ』
　デイヴィッド・マンロウ指揮、ロンドン古楽コンソート

● ゼンフル:『僕はホルンを吹く』
　チューリッヒ「古い音楽のための」リチェルカーレ・アンサンブル

● スザート:『ダンスリー』から舞曲(3曲)
　デイヴィッド・マンロウ指揮、ロンドン古楽コンソート

Disc2:ルターの音楽的遺産
● J.S.バッハ:カンタータ第80番『われらが神は堅き砦』 BWV.80より合唱「われらが神は堅き砦」
● J.S.バッハ:カンタータ第80番『われらが神は堅き砦』 BWV.80よりコラール「悪魔が世に満ちて」
● J.S.バッハ:カンタータ第80番『われらが神は堅き砦』 BWV.80よりコラール「世の人福音を蔑ろにせしとも」
　ニコラウス・アーノンクール指揮、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス、ウィーン少年合唱団

● プレトリウス:モテット『目覚めよと、われらに呼ばわる物見らの声』
　アンドルー・パロット指揮、タヴァナー・コンソート

● シュッツ:『ドイツ語マニフィカト』より「わが魂は主をあがめ」
　ハインツ・ヘニッヒ指揮、ハノーファー少年合唱団、ヒリヤード・アンサンブル

● メンデルスゾーン:交響曲第5番ニ長調 Op.107『宗教改革』より第4楽章コラール
　クルト・マズア指揮、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

● ブラームス:ドイツ・レクィエム Op.45抜粋
　クルト・マズア指揮、ニューヨーク・フィルハーモニック

● メンデルスゾーン:交響曲第2番変ロ長調 Op.52『賛歌』抜粋
　クルト・マズア指揮、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団