量子力学の解釈問題 実験が示唆する「多世界」の実在 ブルーバックス

コリン・ブルース

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784062576000
ISBN 10 : 4062576007
フォーマット
出版社
発行年月
2008年05月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
18cm,324p

内容詳細

「状態の収縮」をどう考えるか。量子コンピュータの台頭とともに勢いを増す多世界解釈。解釈問題の歴史を丁寧に振り返ったうえで、驚きの最近の実験を紹介しながら、なぜ多世界解釈が合理的なのかを論証していく。

【著者紹介】
コリン・ブルース : 欧州宇宙機構で研究活動に従事しながら、オックスフォード大学で量子力学の多世界解釈についての先端的な研究に携わる。物理や数学の問題を探偵小説ふうに解き明かせる数少ない書き手として、多くの著作がある

和田純夫 : 1949年生まれ。東京大学物理学科卒業。理学博士。文部省研究奨励員、ケンブリッジ大学キャベンディッシュ研究所研究員、ボローニャ大学国立原子物理学研究所研究員を経て、現在、東京大学教養学部専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • へくとぱすかる さん

    先に読んだ本がエンタングルメントについて徹底して追求していたのに対して、この本は多世界解釈について、ほとんど哲学に近くなるまで掘り下げた本。ここに紹介された実験を信ずるなら、私たちは平行(並行)世界の存在を認めざるをえない。ということを主張しているようだ。ヒルベルト空間について、わかった気にさせてくれたのがありがたい。「無限次元」と聞いて尻込みする必要なし。

  • KAZOO さん

    都筑卓司さんの書かれたようなものかなあと感じました。それよりも高度なのですが、一般的な力学の話ではなく私にはかなり難しいと感じられました。それでも難しい数式などはほとんどでてこないのですが、基本的な知識が不足しているのでしょうね。もう少し基本的な部分を勉強してから読み直したいと感じました。

  • またの名 さん

    人間ごときに宇宙が理解できるとは限らないという哲学者(多分カント?)の戒めを無視して進歩してきたはずの物理学が、理解不能な量子の振る舞いを前に自分でも正気を疑う珍説を唱えざるを得ない状況。実在論的な解釈を提示したボームが文学理論や精神分析に頼り混迷を深める中で、本書はマルチバースの並行を主張する多世界解釈を推す。ただしこれも、高額宝くじが外れた瞬間に死ねば当たった並行世界の自分だけが生き延びるのではとのツッコミから逃げられない。分岐した無数の世界が現実化を待っているライプニッツ的ビジョンは果たして真理か。

  • NICK さん

    量子力学といえばシュレーディンガーの猫に代表されるように、観測者によって電子が観測された瞬間に事態が一つに収縮していく、というような理解だったのだが、これはコペンハーゲン解釈と呼ばれる古い解釈であるらしい。最新の学説によれば、そうした確率論的解釈ではなく、電子や光子の絡み合いや干渉性の喪失が並行世界、並行宇宙の存在を示唆しているという。つまり、今ある世界はありえたが成立しなかった数多の可能世界の上に成り立っているというのだ。まるでSFである。世界全体が偶有性という幽霊に憑かれているのか

  • まつど@理工 さん

    先輩に物理の面白い本を聞いたら「現在量子力学解釈で勢力を強めてる他世界解釈へのいい導入になる本」と聞いて読んでみた。//さっき読んだ茂木健一郎の「考える脳」という本に数学のサヴァンの人の話があったが、数学に熱中して気づいたら朝になっていたそうだ。もし天才ですらそれだけ長い時間集中しないと見えない「世界」がある。僕はこれまで数学を一本道で考えすぎたかもしれない。線形代数を勉強してるときもたくさん脱線して宝物を取ることができた「世界」も存在するのかもしれない。今からでも遅くない。

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