穏やかな死者たち シャーリイ・ジャクスン・トリビュート 創元推理文庫

ケリー・リンク

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784488584078
ISBN 10 : 4488584071
フォーマット
出版社
発行年月
2023年10月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
576p;15

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読書メーターレビュー

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  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    『猿の手』×『墓地を見下ろす家』な「冥銭」。死者との思い出を美化の甘さと拙さ、エゴが露呈していく過程は居た堪れなさ過ぎて「もう、止めてくれ!」と叫びたくなる。「鬼女」で過去の過ちを犯した島で出向いた妻にも母にもなり切れない女性が遭遇する恐怖譚。ライラがいないと言われる場面は『バニー・レイクは行方不明』や『ウィッカーマン』を思い出した。映画『ミッド・サマー』好きにお勧めの短編です!「晩餐」は一種のディストピアもの。兄の感化に肝を冷やすが密告された妹にとってこれ以上、自分を偽らなくて済む事と言う落差が凄まじい

  • あたびー さん

    ようやっと読み終えました。何しろ500頁超えで余白も少なく字も小さく、かなりのヴォリュームなのです。シャーリィ・ジャクスン賞を受けた作家を中心に、彼女の作風に寄せた作品を書き下ろしています。編者はその筋の(どんな筋や😅)大家エレン・ダトロウ。大好きな作家も、初読みの作家も。「これってジャクスン風味?むしろキング?」と首を傾げながら読むのも楽しかったです。ホラーみのあるものもないものもありますが、皆一様に不思議感幻想感を抱え、必ず目を離せない女性が出てきます。強い女、蠱惑的な女、不安定な女、支配される女…

  • 空猫 さん

    ジャクスンへのオマージュアンソロジー。実力派揃いなので短編とは言え濃厚で読み応えがあり読了に時間がかかった。多数が女性作家で特有の生々しさもあり。お気に入りは  …「私たちにつきまとっているのは愛じゃない、後悔なんだね」カレン・ヒューラー『冥銭』。…「チェックインした時に、娘さんなんかいなかったけどね」ベンジャミン・パーシイ『鬼女』。返却期限ギリになってしまった。もっとじっくり読みたかった。

  • 翠埜もぐら さん

    「所有者直販物件」が訳わからなかったけれどなんとなく好き。撤収の潔さも最後に「所有者直販物件」の看板引っこ抜く思い切りの良さも、この手の不条理物小説には珍しい。全然決着ついてないのに綺麗な終わりかただと思ってしまいました。「丘の屋敷」でシャーリー・ジャクソンを知ってから、「恐怖」ではない「不条理」な小説の面白さに目覚めてしまったのですが、白黒つけたがった若い頃には楽しめなかっただろうなぁ。日常に潜む悪夢はいただけないけれど、非日常に潜む悪夢は他人事だから楽しめるのかしら。

  • くさてる さん

    トリビュートの名にふさわしく、不穏で不思議で不安な世界が並んでいる。といってもそのもののオマージュというわけではなく、独自の世界が広がって面白く読みました。お気に入りは、ごく普通の中年女性たちが陥る日常の罠がおぞましいハンド「所有物直販物件」さすがオーツというか遠慮してよオーツな「ご自由にお持ちください」読後いつまでも落ちつかない気持ちが残るヴァレンタイン「遅かれ早かれあなたの奥さんは…」ラストの不気味さがピカイチなバロン「抜き足差し足」やっぱリンクは最高だな!の「スキンダーのヴェール」です。おすすめ。

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ケリー・リンク

フロリダ州マイアミ生まれ。コロンビア大学を卒業後、ノースカロライナ大学で修士号を取得。「黒犬の背に水」で作家デビュー。1998年刊『スペシャリストの帽子』で世界幻想文学大賞を、本書で2024年のローカス賞短篇集部門を受賞した。作家活動のほかマサチューセッツ州ノースハンプトンを拠点に出版社Small 

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