大津絵 民衆的諷刺の世界 角川ソフィア文庫

クリストフ・マルケ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784044000417
ISBN 10 : 4044000417
フォーマット
出版社
発行年月
2016年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
304p;15

内容詳細

江戸時代、東海道の土産物として流行した庶民の絵画、大津絵。鬼が念仏を唱え、神々が相撲をとり、天狗と象が鼻を競う―。奇想天外な世界をいきいきと描くその伝統は、いかに人気を博し、そして消えてしまったのか。多彩な78種の画題をオールカラーで掲載し、愛すべきヘタウマに込められた諷刺と諧謔の精神を解き明かす。柳宗悦や梅原龍三郎、河鍋暁斎、ピカソさえも魅了された大津絵の全貌が文庫オリジナルで今よみがえる。

目次 : 第1章 江戸の庶民絵画、大津絵の歴史(大津絵の発祥/ 礼拝用の大津絵神仏画/ 戯画から教訓絵へ/ 護符としての大津絵/ 大津絵の現在)/ 第2章 楠瀬日年の『大津絵』(仏/ 庶民の神々/ 鬼/ 英雄/ 若衆・奴・芸能民/ 美人/ 鳥獣)/ 第3章 楠瀬日年と大津絵―再発見と創作(大津絵に魅了された近代の洋画家たち/ 楠瀬日年の江戸民衆芸術への憧憬/ 楠瀬日年の大津絵論/ 楠瀬日年の『大津絵』版画集)

【著者紹介】
クリストフ・マルケ : 1965年、フランス生まれ。1989年から92年に東京大学留学後、浅井忠と明治美術史についての研究でフランス国立東洋言語文化大学(INALCO)より博士号取得。現在、同大学教授。2011年から16年まで日仏会館フランス国立日本研究センター所長。専攻は日本近世・近代美術史と出版文化史。1999年にジャポニスム学会賞、2016年に日仏図書館情報学会賞を受賞。フランスで歌麿、北斎、中村芳中、河鍋暁斎など、江戸・明治の画譜の翻訳復刻を多数出版している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • HANA さん

    初めて大津絵というものの存在を知ったのは、稲垣足穂の短編からであった。以来いくつか断片的に目にしていたものの、体系的にまとめられたものを見るのは本書が初めて。で、本書は第一部で大津絵の概念を説明した後、それを復興させた楠瀬日年の手による大津絵とその解説、最後に大津絵の復興とそれが近現代の画家に与えた影響などを論じていて、大津絵について殆ど知る事の無かった自分のようなものにもやさしい作りとなっている。しかしこうしてまとめて見てみると、描かれた鬼や人々、素朴な中にも何とも言えない味わいがあっていいなあ。

  • katsubek さん

    大津の生まれである。小学校の同級生のおうちが大津絵描きであったと記憶している。滋賀会館の緞帳にも大きな大津絵が描いてあったという記憶があるが、さて、事実であったかどうか。近世からの庶民絵画・庶民文化であったとのこと。「鬼の念仏」や「鬼の三味線弾き」、「釣り鐘弁慶」等は見覚えがあり、懐かしい。故郷への思いを新たにさせられる、そんな絵である。

  • 荒野の狼 さん

    本書によれば、大津絵は、明治の初め頃(1870年代)から、高橋松山(しょうざん)によって伝統が復活されp57、高橋家は大津絵を制作する最後の工房である「大津絵の店」で、現在も伝統的な色使いと合羽摺の技法は使われ続けているp31。私は、本書を、2020年の10月に大津市の三井寺を訪れた際に同店に立ち寄り、お店の人に勧めてもらった。その時に大津絵には「パブロ・ピカソやジョアン・ミロも心を奪われたp6」と紹介していただき、興味を持った。

  • bX さん

    初めはホントに稚拙な絵だなと感じたのが、読み進めるうちに本編がフランス人の著者によって書かれているもので、海外でこの大津絵が評価されていることに驚かされ、興味深く読んだ。明治になってこの大津絵を後世に残さなければと楠瀬日年が書き起こした大津絵の数々とその由来を眺めているうちに、それら素朴な画題の数々がなんだかとても「有り難い」もののように感じてきた。そしてカラーコピーをとって部屋に貼ってみたりした。あぁきっと江戸の人々も俺と同じようにこういう絵を、そこに描かれた画題に有り難さを感じていたのかと思った。

  • ワッピー さん

    民衆芸術として、他の工芸よりも低く見られがちな「大津絵」の魅力を伝える良質な入門書。大正期に大津絵の研究・保存に尽力した篆刻家楠瀬日年の復刻した古くからある大津絵の代表的な絵柄のうち78例を掲載しています。子供のころから気になっていた「鬼の三味線」の図も網羅されていて、素朴でありながら線の闊達さ、洒脱さを併せ持っている不思議な魅力を、再び味わうことができました。こういう縁に出会えたので、日本民藝館に行ってオリジナルを見てみようと思います。

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