「ディアギレフとロシア・バレエ団の音楽Vol.7」
ポッペン&ドイツ放送フィル
オーリックのバレエ『牧歌劇』世界初録音
「ディアギレフとロシア・バレエ団の音楽」の第7集。「フランス6人組」のオーリックは多作家として知られ、とくにジャン・コクトーとのコラボによる映画音楽の仕事は重要で、ほかにも150近くに上る作品のフィルム・スコアを手掛けています。
そのオーリックが創作初期の1924年から1926年の間に、ディアギレフのために書いたバレエ音楽は全部で3つ。そのうち、もっとも成功した『船乗りたち』以外はほとんど知られていません。
ピカソとならびキュビズムを創始したことで有名な画家ジョルジュ・ブラックが舞台装置、衣裳、緞帳をデザインした『うるさがた』。シナリオは、恋人を追いかける若い男が、さまざまなウルサイ奴らによって何度も何度も恋路を邪魔されるというもので、17世紀のモリエール作品にヒントを得て台本を手掛けたのは、ディアギレフの片腕と云われたボロ・コシュノ(ボリス・コフノ)。
一方、1926年のプロダクションで、ジョージ・バランシン振付による『牧歌劇』は、ディアギレフのために書いた第3作にして最後のバレエ音楽。物語は田舎での一本の映画撮影と、村人と映画のキャスト、スタッフとの間の緊張関係を巡って展開します。
ここで、ゆたかなユーモア精神を交えながら、メロディ、テクスチュア、形式の明晰さへの回帰という「6人組」の基本精神を強く打ち出した内容は、終生、平易な作風を心がけたオーリックの方向性を先取りしているものといえ、おおいに注目されるところ。ポッペンの丁寧な音楽づくりもあって、魅力的な仕上がりです。(輸入元情報)
【収録情報】
オーリック:
・バレエ音楽『うるさがた』
・バレエ音楽『牧歌劇』(世界初録音)
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー
クリストフ・ポッペン(指揮)
録音時期:2009年3月30日-4月11日
録音場所:ザールラント放送、グローサー・ゼンデザール
録音方式:デジタル(セッション)