オノレ・ド・バルザック

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あら皮 欲望の哲学 バルザック「人間喜劇」セレクション

オノレ・ド・バルザック

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784894341708
ISBN 10 : 4894341700
フォーマット
出版社
発行年月
2000年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
20cm,436p

内容詳細

若きラファエル・ド・ヴァランタンは、死んだ父のわずかな遺産で放蕩三昧に明け暮れたが、その空しさに気づき、裕福なロシア人女性フェドラとの恋も破れて絶望におちいり、自殺まで考えるようになる。そのような時、たまたま入った骨董屋の主人から一枚の「あら皮」をもらいうける。それは、持ち主の願いをたちまちかなえてくれるが、同時に、願いがひとつ実現するたびに縮まっていく魔法の皮である。ラファエルは豊かになり、可憐なポーリーヌと束の間の幸福な生活をあじわうものの、あら皮は木の葉ぐらいの大きさに縮小してしまう。やがてラファエルは病気になり、温泉地に行って保養するが健康は回復せず、パリに戻ってくる。そしてポーリーヌへの激しい欲望に苛まれながら息絶える。

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • いのうえかずね さん

    (感想)大学のレポートの関係で読み返しているのですが、バルザックは本当に天才ですね。学問の全ての分野に精通し、現代にも残るあらゆる制度を論破していく。教育や憲法、民主主義などが論破され、納得してしまいます。単なるストーリーがおもしろいのではなく、その時代を批判していく哲学書として読んでも最高峰に位置すると感じました。多くの人に、1遍でもいいから、名言だけでもいいから読んでほしい。バルザックはその境地にいる作家だと感じました。

  • ケイ さん

    欲望が叶えられたら全体としてどうなるかが分からないから、次々と欲望が出るのだろうな。これだけは実現させたいと思うことが、ひとたび実現してもそれに付随することまで上手くいくとは限らないもの。この話でどうも気になるのは、ポーリーヌの存在。毎回思う、女ごごろの描かれ方の不可解さが、話全体の怖さを損ねているようにも感じられた。ポーリーヌの方がラファエルより、どう見ても魅力的でこんな男に固執する理由が思いつかなくて。

  • やいっち さん

    「絶望し、自殺まで考えた青年が手にした「あら皮」。それは、寿命と引き換えに願いを叶える魔法の皮であった」というミステリアスな(しかし今となってはありがちな)仕掛けがある。  最後には愛に命を縮める。その意味では案外と純愛を思いっきり捻った形で描かれているようでもある。  古典的な、やや古臭い表現が見受けられるが、そんな些細な瑕疵を圧倒する表現力を本書で改めて痛感させられた。  バルザックワールドを堪能。

  • ソングライン さん

    父の死により貧しい学究生活を強いられる青年貴族ラファエル、魅惑の伯爵夫人フェドラとの恋愛のために身を持ち崩し、最後の金を賭博に使い自死を選ぼうとするラファエル。そんな最後の時に偶然入った骨董店で手に入れる、あら皮は自分の寿命を犠牲に望みの物を手に入れることのできる魔訶不思議な皮でした。身を犠牲にしても手に入れたい欲望、欲望の叶った後の死への恐怖、果てることのない欲望を持たぬことこそが真の生き方なのでしょうか。人間の欲望の愚かさを神秘的に描く作品です。

  • ラウリスタ〜 さん

    回想シーンが長すぎて、なおかつあら皮の悲劇と全く無関係なので、物語がぶつ切りになるので、前半はかなりきつい。後半(といってもあら皮をもらった翌日)にようやく皮が縮み始めてからは一気に結末まで進む。ただパリ風俗の資料としては、むしろ極貧生活を回想する独白部分が重要なので、二つの物語が不器用に組み合わさっていると考えるべきか。レアリスム(極貧生活回想)と幻想(欲望したことがすぐに実現)の混合。二人のヒロインの対照(貴族で高慢、宿屋の娘で純真)、後者が急にパリ一の金持ちになる。突然降って湧く莫大な遺産=物語装置

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オノレ・ド・バルザック

1799‐1850。フランスの小説家。トゥール生まれ。8歳からの6年間、寄宿学校に入れられる。17歳で代訴人の事務所に見習いとして入り、パリ大学法学部に通う。このころから文学者を志し、20歳のころパリ市内の屋根裏部屋に住んで小説を執筆し始める。人間を観察し、その心理を精密に描きつつ、社会全体をも映し

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