オテッサ・モシュフェグ

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アイリーンはもういない

オテッサ・モシュフェグ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784152097392
ISBN 10 : 4152097396
フォーマット
出版社
発行年月
2018年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
320p;20

内容詳細

アイリーンは平凡で物静かな女に見えた。だが、内には激しい感情を抱え、自分だけのルールに従って生きていた。酒浸りの父親を憎み、自分の女らしさも嫌悪した。ろくに食事をせず、母親が遺したサイズの合わない服を着た。シャワーは浴びず、体の汚れはできるかぎり我慢するのを好んだ。彼女が「監獄」と呼ぶ少年矯正施設で働くときは、ひとりで、同僚や少年たちの妄想を膨らませていた。単調につづく彼女の人生に転機は突然やってくる。魅力的な女性レベッカとともに、取り返しのつかないかたちで―強烈なまでに暗く屈折しつつ、たくましくもある等身大の女性を描き出すアメリカの新鋭のデビュー長篇。PEN/ヘミングウェイ賞受賞、ブッカー賞最終候補。

【著者紹介】
オテッサ・モシュフェグ : 1981年、マサチューセッツ州ボストン生まれ。イラン出身のバイオリン奏者の父と、クロアチア出身のビオラ奏者の母という芸術家の家庭で、12歳のころから創作をはじめた。ブラウン大学で芸術修士号を取得し、数々の短篇小説や実験的な小説を発表して注目を集める。2015年に『アイリーンはもういない』で長篇デビューを果たし、PEN/ヘミングウェイ賞を受賞。さらに、ブッカー賞、全米批評家協会賞、英国推理作家協会ジョン・クリーシー・ダガー賞の最終候補にノミネートされるなど、高い評価を得る

岩瀬徳子 : お茶の水女子大学文教育学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    心が騒めく物語。アル中で姉ばかりを愛し、元警官という恩情で生き長らえるだけの父を憎悪し、女らしさを拒絶しつつも性や暴力に惹かれている。上っ面で人と接し、自分が空っぽだと自覚している。人への憧れは一方的で熱しやすい分、冷めやすい。「いつか、ここから抜け出したい」と思っていても怠惰や不安を言い訳にグズグズしている。アイリーンの姿は私とも重なる部分があり、心がささくれる。現在と50年前のアイリーンが錯綜する様は『エル』のようだ。相変わらず、整合性のないアイリーンの姿はまるで「人間として生きてきた」というかのよう

  • ヘラジカ さん

    アイリーンの人生を変えることになるイベント(事件)自体が物語のミステリーであるという構造と、その出来事の中身には特段印象的なものは見られない。ただしそこに辿り着くまでの赤裸々で不気味な独白によって、この作品は「記憶に残る」小説へと変貌している。ストーリーは地味でなんていうことはないのに、この前半(というか大半)部分の生活・性格説明が実に強烈なのだ。グロテスクで不愉快だけれど決して非現実的ではないような、自分にもどこか共通するものがあると錯覚してしまうような、そんな生々しい心理描写がこの小説の醍醐味だろう。

  • ネコベス さん

    1964年、アイリーンはアルコール依存症で度々正気を失う父と二人で暮らしながら少年矯正施設で働く。孤独で不幸な境遇を憎み町を出ていくことを夢見ていた。ある日新しく職場の同僚となったレベッカと親しくなり町を出る覚悟と自信を深めるアイリーンだったがそれには大きな代償が必要だった。人間誰しもが持つ鬱屈や屈折した感情、憤懣をため込みすさむ心の暗部を執拗に描き出す本書はつまらなくはないが読んでいてげんなりした。若いうちにこれほどねじれた自意識を持ってしまったアイリーンがその後穏当な人生を送れるとはとても思えない。

  • くさてる さん

    孤独な若い女性であるアイリーンは誰にも顧みられることなく平凡な毎日を苛々と過ごしていた。ここではないどこかへ行くことを夢見ていた彼女の前に、一人の女性が現れて……という話。正直言って、アイリーンの暗く荒廃した日常生活の描写が延々と続くのがかなりしんどかったのだけど、途中に挟み込まれるここから何十年後のアイリーンの視点から、これで終わる話でないと読み続けた。そしたらレベッカのあれで悲鳴を上げましたね。すごいけど、納得できる流れとはちょっといえない……奇妙なエネルギーに満ちた物語でした。

  • marumo さん

    アル中の父と二人暮らし、勤め先の少年監獄と自宅の往復の毎日。目立たず、とるに足らない娘として注目もされず。そんなアイリーンの頭の中は、周囲&自分への呪詛と性的妄想でパンパンに。共感が全てではないが、アイリーンの回想する日々が平板かつ暗澹とし過ぎで、行動を起こさず、気持ち悪い行為に執着する彼女に嫌悪感が募る。美女レベッカが登場してからは急転直下、まさかの展開。最後に一人で全てやってのけたアイリーン。それまでの嫌悪感が一気に同量の称賛に変わった。若い娘の承認欲求とそこからの脱皮の物語ともいえる。真っ黒だけど。

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1981年、マサチューセッツ州ボストン生まれ。イラン出身のバイオリン奏者の父と、クロアチア出身のビオラ奏者の母という芸術家の家庭で、12歳のころから創作をはじめた。ブラウン大学で芸術修士号を取得し、数々の短篇小説や実験的な小説を発表して注目を集める。2015年に『アイリーンはもういない』で長篇デビュ

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