オスカー・ワイルド

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ドリアン・グレイの肖像 新潮文庫

オスカー・ワイルド

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784102081013
ISBN 10 : 4102081011
フォーマット
出版社
発行年月
2004年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
16cm,428p

内容詳細

舞台はロンドンのサロンと阿片窟。美貌の青年モデル、ドリアンは快楽主義者ヘンリー卿の感化で背徳の生活を享楽するが、彼の重ねる罪悪はすべてその肖像に現われ、いつしか醜い姿に変り果て、慚愧と焦燥に耐えかねた彼は自分の肖像にナイフを突き刺す…。快楽主義を実践し、堕落と悪行の末に破滅する美青年とその画像との二重生活が奏でる耽美と異端の一大交響楽。

【著者紹介】
オスカー・ワイルド : 1854‐1900。ダブリンに生れ、同地の大学を経てオクスフォード大学に学ぶ。「芸術のための芸術」を唱えて唯美主義、芸術至上主義に基づく活動を展開し、フランスやアメリカにまで名を知られた。小説『ドリアン・グレイの肖像』や『ウィンダミア卿夫人の扇』など一連の喜劇作品、世紀末文学の代表とされる悲劇『サロメ』などで文名高く時代の寵児となるも、男色罪による獄中生活の後は不遇な晩年を送った

福田恒存 : 1912‐1994。東京生れ。東大英文科卒。評論・翻訳・劇作・演出の各分野で精力的に活躍。芸術院会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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若さはいやが上にも常に失われゆくもの。保...

投稿日:2012/02/02 (木)

若さはいやが上にも常に失われゆくもの。保てないが為に美しく、焦がれる。それを永遠に手に入れた時、人は果たして幸福になれるのだろうか。若さと美しさを持つ者と、美しさを持たない美を崇める者。人生が進むにつれ前者から後者に移り変わる誰もが、ドリアンでありバジルでありうる。時代を選ばない名作。

伊湖 さん | 不明 | 不明

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読書メーターレビュー

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  • ヴェネツィア さん

    19世紀末イギリスの正統派耽美小説というべきか。優雅な住まいに、美と芸術的享楽に耽溺する高踏的な生活。中心にいるのは希代の美青年ドリアン。そして、ヘンリー卿と画家のバジル。もちろん、そこには馥郁たるゲイの香りが立ち込める。ドリアンはシビルと婚約していたって?彼が愛したのは芸術家としてのシビルであって、女性としての彼女ではない。だからこそ、いとも簡単に破棄できるのだ。彼が愛するのは美―しかも自身の美だけなのだから。したがって彼の恐れるのは美のゲシュタルト崩壊のみ。彼はいわばそれに殉じたのだ。⇒

  • 遥かなる想い さん

    1891年に書かれたこの本、 なぜか三島由紀夫を感じた のは、気のせいだろうか。 美貌の青年ドリアンを めぐる人間関係の構図は、 古典的で懐かしい。 快楽主義のヘンリー卿の 影響を受け、悪行を 重ね、若さを浪費する ドリアンの風景はひどく 演劇的で、舞台で 台詞を語り続ける役者の よう…老いと若さ、 汚れゆく魂…著者が この全く魅力的のない 「ドリアン」を通して、 描きたかったものは 何だったのか?ヘンリー卿 の立ち位置だけが、 面白く感じる、そんな物語だった。

  • ヴェルナーの日記 さん

    19世紀の世紀末を生きたワイルドの作品。古典でありながらも、本作の魅力は色褪せることがない。主人公ドリアンの変わりに醜く老い続ける肖像というプロットは、とても興味深いといえる。ただ、19世紀末における背徳で、禁断の悪の所業とは、21世紀の現在において、さほど悪徳とはならないかもしれない。ワイルドが現代に生きていたとしたら、どんな『ドリアン・グレイの肖像』を描き出したのであろうか?

  • nuit@積読消化中 さん

    私には倫理性やら宗教性、芸術至上主義とか難しいことは語れないのでさておき、物語はもちろん、19世紀ロンドンを知る上で非常に面白かった。しかしヘンリー卿、本当にうるさい(笑)。常に逆説を論じるし、それにまたすぐに感化されるドリアン(笑)。ピュアすぎて美しい。しかし、こんな怖しい結末を迎えることになるとは。オスカーは「幸福な王子」「カンタヴィルの幽霊」など短編しか読んでませんでしたが、良質な作品の描き方に引き込まれます。

  • 星落秋風五丈原 さん

    【ガーディアン必読1000冊】ヘンリー郷の前ではドリアン愛を公言しているバジルは当人の前ではドリアンのヘンリー郷愛があまりにも強くて、次第に何を言っても聞いてもらえなくなる不憫なキャラクター。ならばこれほどドリアンを翻弄するヘンリー郷に彼への愛があるかと言われれば疑わしい。結局は一方通行の片恋の物語であった。肖像画に全て悪が移り、本人は相変わらず若く美しいままなのはよく知られているストーリー。形を変えたジキルとハイドの物語とも言える。

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オスカー・ワイルド

1854年アイルランド・ダブリンに生まれる。19世紀末の耽美主義文学の代表的存在。詩人・小説家・劇作家として多彩な文筆活動で名声を得る。講演の名手としても知られ、社交界の花形であった。1900年没

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