エリザベス・ストラウト

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オリーヴ・キタリッジ、ふたたび

エリザベス・ストラウト

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784152099884
ISBN 10 : 4152099887
フォーマット
出版社
発行年月
2020年12月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
440p;20

内容詳細

怒りっぽく皮肉屋、しかし唖然とするほど正直で、たまに驚くほどあたたかい―。そんなオリーヴ・キタリッジと、小さな港町クロズビーの人々の日々を描く。父を亡くした少女がその事実と折り合いをつけようとする「清掃」、遺産相続の手続きのため帰郷した女性と、年配の弁護士が互いにひそやかな慰めを見出す「救われる」、夫婦の日々の浮き沈みを繊細に描いた「ペディキュア」など、13篇を収録。ピュリッツァー賞を受賞した『オリーヴ・キタリッジの生活』、11年ぶりの続篇にあたる連作短篇集。

【著者紹介】
エリザベス・ストラウト : 1956年にメイン州ポートランドで生まれる。ベイツ大学を卒業後、シラキュース大学法学部で学位を取得。26歳のとき作家としてデビュー。2008年に発表した第三長篇『オリーヴ・キタリッジの生活』でピュリッツァー賞(小説部門)およびバンカレッラ賞を受賞。同書はフランシス・マクドーマンド主演のドラマ版もエミー賞を受賞するなど好評を博した。2017年に発表された『何があってもおかしくない』はストーリー賞を受賞した(以上すべて早川書房刊)。ニューヨーク市在住

小川高義 : 1956年生、東京大学大学院修士課程修了、英米文学翻訳家、東京工業大学名誉教授。訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • kaoru さん

    メイン州の架空の町クロズビーに住む元中学教師オリーヴの晩年を描く短編集。率直で口が悪いが時には妙に愛される彼女は二人の夫に死別し、息子との不和や老齢の孤独と不便に直面するが持ち前のたくましさで何とか局面を切り開く。彼女を取り巻く世代間のギャップや価値観の変質を通じアメリカ社会、つまり世界の変容が描かれる。「みんな抱えるものがあって生きている」とは町の弁護士バーニーの言葉。のどかな町にも銃犯罪やドラッグの影は色濃い。ラスト近くでは古き良きアメリカの価値観を粉砕するトランプ候補の存在がオリーヴの心を脅かす。⇒

  • ちゃちゃ さん

    老年期とは如何なるものか。86歳のオリーヴがひとつの示唆を与えてくれる。小さな田舎町に暮らし偏屈で周囲の思惑を気にせず、ともすれば周りから疎まれるのにどこか憎めないオリーヴ。二人の夫を看取り自らも老人施設に入所して、遠い先に漠然とあった老いに絡め取られる。「そろそろ死ぬのだ。えらいこっちゃと思った」…あのオリーヴが死への恐怖と孤独に震える日々を過ごすとは。けれど、作者(訳者)の筆のなんと真率で魅力的なことか。老いとの折り合いの付け方を乾いた筆致で描き、それなのに人生の哀歓がしみじみと心に響く秀作だ。

  • アン さん

    正直で気どらず、少し怒りっぽいけれど無条件に相手を思いやれる…そんなオリーヴに再会できたことがとても嬉しい。アメリカ北東部メイン州にある海辺の町。長年連れ添った夫を亡くし老齢期を迎えたオリーヴと人々の心の騒めきを繊細に綴る連作短篇集。再会した昔の生徒の病状を心配する「光」、蘇る思い出と動揺「ペディキュア」、一人暮らしが難しくなる「心臓」など13篇。誰もが引きずる苦い記憶、抱える孤独、老いへの苛立ちや怯え。黄金色に輝く二月の光、それは安らぎと奇跡の光。そして寄り添ってくれるあたたかい光でもある気がします。

  • buchipanda3 さん

    オリーヴ・キタリッジ、相変わらず不思議な魅力のある女性だった。古風なニューイングランド北部の町でずっと暮らしているおばさん、いやもうお婆さんか。どこが良いかというと自分を偽らない正直なところ。その分、クセがあるがブレない颯爽とした言動に惹かれる。ただ今作では老いる自身を見つめるだけに、その心情の揺れの真っ直ぐな描写に読み手も老いへの不安に囚われた。それでも彼女らしい気持ちを失わない人間味ある姿が残る。特別ではない人生、でも個々に深みがある。彼女が好きと言った雪深い土地の二月の光を思い浮かべて本を閉じた。

  • なゆ さん

    ああ、その後のオリーヴ・キタリッジがどうなったのか。加速度がついて引き続き“ふたたび”へ突入。74歳にしてジャックと出会ってからの86歳までの日々で、人生第二部とでも言えよう。ここにきて、時には過去を思い返して反省してみたりもするが、やっぱりオリーヴ道まっしぐら。息子一家とうまくいかずモヤモヤしたり、衰えてきた体にオロオロしたりしながらも、まだ人生は続く。口は悪いが結構世話焼きで、どうにも味わい深いオリーヴをまだまだ読んでいたいのに、終わりなのだ。えらいこっちゃ。

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