ウイリアム・ブロード

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背信の科学者たち 論文捏造はなぜ繰り返されるのか?

ウイリアム・ブロード

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784062190954
ISBN 10 : 4062190958
フォーマット
出版社
発行年月
2014年06月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
354p;19

内容詳細

「読み返して驚いた。この本には、捏造をはじめとする、科学者の欺瞞がすべてといっていいほど網羅されている。STAP騒動について議論されているさまざまなことは、この本からみればデジャヴにすぎない」
仲野 徹氏(大阪大学大学院・生命機能研究科教授)

STAP騒動で科学者の論文捏造が話題を集めているいま、1冊の科学書の復刊を求める声が各方面から寄せられている。科学者の不正行為を取材、分析した『背信の科学者たち』。ピューリツァー賞ジャーナリズム部門を2回受賞したウイリアム・ブロードと 『サイエンス』『ネイチャー』の科学記者だったニコラス・ウェイドがタッグを組み、古今東西の科学者の不正行為を調査した力作である。

誠実で「真理の探究者」と尊敬されている科学者による不正行為が後を絶たない。なぜ、彼らは自らの名誉と職を失いかねないリスクを冒してまでも不正行為に手を染めるのか?ガリレオ、ニュートンなど大科学者から詐欺師まがいの研究者まで豊富な事例を通じて、科学の本質に迫る。

<衝撃的事例を多数報告!>
●プトレマイオス
自分が行わなかった天文観測をあたかも行ったように主張した
●ニュートン
大作『プリンキピア』には、自説を補強する「疑惑のデータ」が含まれていた
●メンデル
あまり正確すぎて、真実とは思えない統計結果。疑われるデータ改ざん
●アルサブティ
約60篇に及ぶ科学論文を平然とパクった厚顔無恥な詐欺師
●スペクター
全世界を魅了した「がん統一理論」は捏造だった

ヒトES細胞捏造事件、東京大学大学院工学研究科RNA研究疑惑、大阪大学大学院生命機能研究科データ捏造事件、STAP細胞疑惑など、近年発生した科学者の不正行為に関するレポートも収録!

著者
ウイリアム・ブロード
ウィスコンシン大学で科学史を学び、米科学誌『サイエンス』の記者として活躍。ピューリツァー賞ジャーナリズム部門を二回受賞したほか、科学ジャーナリストを対象にした賞をあらかた受賞。『ニューヨーク・タイムズ』の花形記者としても有名。最近は国際政治や安全保障問題への関心が高い。著書には『SDIゲーム スター・ウォーズの若き創造主たち』『バイオテロ! 細菌兵器の恐怖が迫る』など多数。
ニコラス・ウェイド
『サイエンス』、英科学誌『ネイチャー』の科学記者を経て、『ニューヨーク・タイムズ』の科学記者に。ヒトゲノム、クローン技術など、ライフサイエンスに強いジャーナリストとして定評がある。『医療革命 ゲノム解読は何をもたらすのか』『DNAのらせんはなぜ絡まらないのか』『ノーベル賞の決闘』など著書多数。

牧野 賢治
牧野 賢治(まきの・けんじ) 一九三四年愛知県生まれ。大阪大学理学部卒、同大学院修士課程修了。スプートニク打ち上げで宇宙時代が開幕、科学記者をめざして一九五九年毎日新聞社入社。三〇年の記者活動を経て、東京理科大学で科学社会学、科学ジャーナリズム論を教える。日本科学技術ジャーナリスト会議理事(元会長)、日本医学ジャーナリスト協会名誉会長。著書に『理系のレトリック入門』、共著に『科学ジャーナリズムの世界』がある。

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読書メーターレビュー

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  • mazda さん

    曰く、不正が行われたときに特別委員会が立ち上がるが、予定された筋書き通りに行動するだけであり、責任の大部分は過ちを犯した若い研究者に帰されるのが常である、とのこでした。これをSTAPにあてはめると、…、いやいや、それはないんじゃないのでしょうか…?昨今の研究者は職を得るのが大変なので、このような事件が起きるのは仕方ないかも知れません。過去の偉人たちの偉業を検証実験しようとしても、容易に再現できなくて、それどころか別の人のデータを使ったことからしか説明がつかないものもあるようです。

  • きゃれら さん

    ニュートン、ガリレオ、メンデルまで告発されているとは驚いてしまう。彼らは、立証しようとした結論が正しかったからいい…、ってことでもないような。この本の強調点は、科学はそもそもごかましを排除できないものだ、ということにありそうである。特に、新発見されたばかりのこと、というのは時の試練を受けてないだけ、簡単に信じちゃいけない。一定以上の年齢の人はSTAP細胞で学んだことでもありますが。今、新型コロナに関する論文が無数に生み出されているようだ。申し訳ない言い方だが、誤魔化しや欺瞞だらけなんだろうなあと思う。

  • 香菜子(かなこ・Kanako) さん

    捏造してでも名誉が欲しい科学者・研究者、お金や地位が欲しい科学者・研究者、いつの時代にも存在するということ。でも、大多数の科学者・研究者は、名誉や地位、お金よりも人類の未来のために昼夜研究を続けているという事実は忘れたくない。

  • ヤギ郎 さん

    捏造・改ざん・盗用といったミスコンダクトは、学問の徒であれば絶対にやってはならないことである。それでも、学生のレポートといった小さなものからSTAP細胞といった大きなものまで、科学の世界では日常茶飯事である。文系学生から見ると、実験や統計をしないのでデータの改ざんはしないけれど、文献の引用には十分注意したい。「科学者」という像に揺れ動く科学者たち。近年、科学者の存在が注目されるようになった。「科学者」に期待する社会の側面から科学と科学者を考えたい。

  • アラム さん

    『科学者は真理の追求者たりえるか?』▼「STAP細胞はあります!」2016年に起こった理化学研究所での捏造事件は記憶に新しい。「科学」そのものは世の真理を追求するものであることに異論はないが、果たして科学者は真理の追求者たりえるか。研究費獲得や出世競争の中で、信念に合わせてデータを改竄することは、残念としか言いようがない。過去、ニュートンやガリレオのような偉人ですら、この誘惑から逃れられなかったことは、非常に驚きであり、この問題が属人的なものではなく、普遍的なものであることに注意しなければならない。

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