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考える機械たち 歴史、仕組み、倫理-そして、aiは意思をもつのか?

インガ・ストルムケ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784416524404
ISBN 10 : 4416524404
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

松尾豊氏(東京大学大学院教授)推薦!

ブラーゲ賞ノンフィクション部門受賞。
AI(人工知能)の歴史、現在、未来の展望をわかりやすく解説する、ノルウェー発のサイエンス・ノンフィクションが上陸。

本文は3部構成となっており、まずは人工知能の歴史。次いで人工知能の最先端の現状と、人間が問題解決や意思決定まで機械に任せるとどうなるのかの倫理的、進化論的考察。最後に、創造性、意識、人工知能の未来の問題を論じます。どれも具体的な逸話が豊富で、かつコミカルな口調とテンポのよい解説は秀逸で、人工知能に詳しくない読者でも気軽に読むことができます。

第1部の歴史では、18世紀の「チェスをするトルコ人の人形」から始まり、アラン・チューリング、DeepBlue‥‥そして教師あり・なし学習、ニューラルネットワーク、ChatGPTなどなど。損失関数設計の問題に登場するのは、超インテリジェントなお掃除ロボット。家をきれいにすることに勤しむロボットは、ある日こう気づくかもしれない。汚れの元凶はあなたであり、最適解とはあなたを排除することだと‥‥。

第2部の人工知能の現状での逸話は、オスロ中央駅近くのピザチェーンにあったデジタル看板の話。メニューに載っている食べ物の写真を次々に映し出すだけでなく、なんと隠しカメラでそれを見ている人の表情を観察していました。その一方で、テスラ車はカメラで周囲の状況を撮影しています。この2例から著者は、「データを集めること」と「データの使用目的」は分けて考えるべきだと語ります。さまざまな事例を引き出しつつ、人工知能の現状と問題点を説明します。

第3部は、AIの倫理をどう考えるか。その結論は、規制はすべきだが、その過程は簡単でも単純でもない。このまま機械に意思決定を任せてしまうと、人間の意思決定能力が低下するとの意見があるが、これは進化論上、普遍的なこと。データを集める目的は何か、同意をどのように得るのか? 大衆、AI技術者、政治家のあいだで人工知能に対する考えは異なります。EUで進んでいる人工知能に関する法の整備についても論じます。

【著者紹介】
インガ・ストルムケ : ノルウェー科学技術大学のコンピュータ・サイエンス科准教授。1989年ドイツ生まれ。もともとは素粒子物理学が専門だったが、その調査に人工知能を使っているうちに関心が移り、研究分野を変えた。現在の研究テーマは「人工知能が何を学んでいるのかを知ること」。ポッドキャストなどで一般向けに人工知能の説明をおこなっている。本書は2023年4月に発行され、人口550万人のノルウェーで7万5000部以上を売り上げ、デンマーク、スウェーデン、ドイツで翻訳刊行された(2024年12月時点)

羽根由 : スウェーデン語・ノルウェー語翻訳者。大阪市立大学(現・大阪公立大学)法学部卒業。ルンド大学法学部修士課程修了

小林聡 : 東京大学大学院理学系研究科博士後期課程満期退学。博士(理学)(東京大学)。龍谷大学理工学部助手を経て、京都産業大学情報理工学部教授。研究分野は数理論理学及び理論計算機科学。数学的な証明とコンピュータプログラムの間に成立つ対応関係に興味を持っている。音楽好きで、高校時代にはバンドを3つかけ持ちしていた。その経験を生かして、学生には卒業研究で音楽情報処理を教えている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 踊る猫

    平易で親しみやすい文体が選ばれているが、もちろんナメてかかるわけにはいかない。AIといえばぼく自身も「人類の脅威になるのでは」「意識を持つ日は来るのだろうか」と(手垢のついた偏見・符牒を貼り付けて)考えてしまいがちだが、この本はそうしたAIの歴史を紐解きそこからどのように進歩を遂げてきたか、どのように失敗してきたかがそのからくりにいたるまでていねいに語られる。考えれば考えるほど「人類の脅威とはどういうことなのか」「そもそも意識とはなんだろう」といった基礎的な疑問に立ち返らざるを得ない。なかなか難儀な1冊だ

  • よっち

    AI(人工知能)の歴史、最先端の現状と未来の展望をわかりやすく解説するサイエンス・ノンフィクション。18世紀のチェスをするトルコ人の人形から始まり、教師あり・なし学習、ニューラルネットワーク、ChatGPTにいたるまでの人工知能の歴史、様々な事例を引き出しつつ、その現状と問題点や、規制はすべきだが過程は簡単でも単純でもないAIの倫理を解説していて、具体的なエピソードでAIの創造性、意識、人工知能の未来の問題を論じながら今後の方向性を探る内容は、どういう方向に向かうのかも含めていろいろと考えさせられました。

  • くくの

    AIの歴史と現状と課題、未来への希望。ふんわり理解した。AIの学習過程がブラックボックスだとか、完全に平等なAIを作ろうにも、学習した歴史には確実に差別が含まれてしまっているから、まずは人間が差別をなくしていかないといけないとか。

  • 茶幸才斎

    史上何度目かの隆盛期を迎えた人工知能研究に関し、億単位のノードが連なるニューラルネットワークによる機械学習モデルの仕組みと、開発・利用における技術的課題や倫理的または法的な懸念事項、脆弱性と悪意による攻撃リスク、人の自律性への影響などについて解説し、機械に意識が宿る可能性を含めて今後の展望を述べている本。我々は、一体何を生み出すつもりなのだろう。膨大なデータを与え、大量の電気を消費し、予測不能な学習特性を必死に調教して、そんな一種グロテスクなやり方で、果たして来世紀にドラえもんは無事誕生できるんだろうか。

  • やす

    北欧の研究者が書いたAI本。AIの仕組みからAIとの共生まで。

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