イレーヌ・ネミロフスキー

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フランス組曲

イレーヌ・ネミロフスキー

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784560098110
ISBN 10 : 4560098115
フォーマット
出版社
発行年月
2020年10月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
570p;20

内容詳細

1940年初夏、ドイツ軍による首都陥落を目前に、南へと脱出するパリの人々。占領下、征服者たちとの緊迫した日々を送る田舎町の住人たち。それぞれの極限状態で露わとなる市井の人々の性を、透徹した筆で描く傑作長篇。全米100万部、世界350万部のベストセラー。

【著者紹介】
イレーヌ・ネミロフスキー : 1903‐1942。キエフ生まれ。ロシア革命後に一家でフランスに移住したユダヤ人。1929年、長篇第一作『ダヴィッド・ゴルデル』で成功を収め一躍人気作家に。第二次大戦が勃発すると、夫と娘二人とともにブルゴーニュ地方の田舎町イシー=レヴェックに避難、やがてフランス憲兵によって捕えられ、42年アウシュヴィッツで亡くなった。著書『フランス組曲』は「二十世紀フランス文学の最も優れた作品の一つ」と讃えられ、2004年にルノードー賞を受賞(死後授賞は創設以来初めて)。フランスで75万部、全米で100万部、世界で約350万部の驚異的な売上げを記録し(40か国以上で翻訳刊行)、2014年には映画化もされた

野崎歓 : 1959年生まれ。フランス文学者、放送大学教授、東京大学名誉教授

平岡敦 : 1955年生まれ。翻訳家、中央大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • まふ さん

    全編4話(?)の第2話までで終わった未完の大作。第1部「6月の嵐」はナチスドイツのフランス侵攻によりパリから逃げまどう銀行家ペリカン一族とその周辺の人々の逃亡の状況を中心に描かれる。第2部「ドルチェ」は占領下のドイツ軍兵士たちとの心のふれあい状況が展開される。作者は当時のソヴィエト領内のウクライナでフランス語を話す家庭に生まれ育ちアウシュヴィッツ収容所で死んだユダヤ人である。全編から溢れるのは「戦争の空しさ」であり、残る後半が未完なのは惜しまれるところである。G526/1000。

  • 駄目男 さん

    初読みの作家でイレーヌ・ネミロフスキーと言われても誰ことやら分からないまま読んだが、著者は女性作家だったんですね。それも現代作家ではなく、すでに1942年7月、フランス軍憲兵によって拉致されて以来、消息を絶ったままアウシュビッツで殺害されている。必死になって妻の消息を探す夫も10月に憲兵に逮捕され、同じ運命を辿った。本書は当初、トルストイの『戦争と平和』のように1000ページほどの長大なものを予定していたらしいが、先に書いたような状況で未完に終わってしまった。それでも500ページにも上る二部制で、

  • 原玉幸子 さん

    アウシュビッツに送り込まれて亡くなった作者の構想5部が2部に留まったことでは、「組曲」としては描けなかった無念の「未完の大作」(解説を参照して貰えれば分かりますが、作者が2部までを書き上げていたことでは「奇跡」の作品)。作品を通じて作家が描きたかったと強く印象付けられたのは、戦争、世界の「切り取り方」が女性的、そして第2部の展開は、戦禍の中でもフランス人(女性)が「旦那とはたまたま結婚して一緒にいるだけ」との感性を普通に持っていることでした。返す返す、是非5部完成版を読みたかった作品。(◎2025年・秋)

  • algon さん

    大ヒットとなった未完の大作だが読了後のインパクトは内容よりも作品草稿が歩んだ履歴にあった。著者は2部まで完成した原稿を娘に託しアウシュビッツに消えた。本の出版は2004年の事。5部構成を予定したこの作品は2部までの未完とは言えドイツに蹂躙されたフランスの被占領地としての陰陽を仮借なく描き出す。その中での大衆の混乱、ブルジョアの心根、そういう世相の中での愛の様相などを言わば香しい筆致で著わしていく。付された相当量の資料が作品全体の目論み、表現の規定などを著わし、拉致後の周辺の書簡等も。読めたことが有難いと。

  • 北風 さん

    フランス組曲。未完の作品がトランクの中に眠っていたのだという。ずっと気になっていたが、戦争の話とは知らなかった。また、ロシアのことを考えてしまう。五部作が完成されていたら、どれほどの作品だったことだろう。未完の傑作というにも完成度が高い。戦う兵士が主人公ではない。逃げ惑う一般の人々が描写されている。戦争という暴力に抗う人々が描かれ、その日常が描かれている。著者はそれを体験した人のようなので……。いま現実に起こっている戦争に、思いを馳せる。近頃では、日本のニュースも乏しくなる。物語も、外国同様、遠い異国。

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イレーヌ・ネミロフスキー

1903〜1942。ロシア帝国(現ウクライナ)キエフ生まれ。革命時パリに亡命。1929年「ダヴィッド・ゴルデル」で文壇デビュー。大評判を呼び、アンリ・ド・レニエらから絶讃を浴びた。このデビュー作はジュリアン・デュヴィヴィエによって映画化、彼にとっての第一回トーキー作品でもある。34年、ナチスドイツの

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