われはラザロ

アンナ・カヴァン

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784892571053
ISBN 10 : 4892571059
フォーマット
出版社
発行年月
2014年05月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
336p;20

内容詳細

強制的な昏睡、恐怖に満ちた記憶、敵機のサーチライト…都市に轟く爆撃音、そして透徹した悲しみ。

【著者紹介】
アンナ・カヴァン : 1901年、フランス在住の裕福なイギリス人の両親のもとにヘレン・エミリー・ウッズとして生まれる。1920年代から30年代にかけて、最初の結婚の際の姓名であるヘレン・ファーガソン名義で小説を発表する。幼い頃から不安定な精神状態にあり、結婚生活が破綻した頃からヘロインを常用する。精神病院に入院していた頃の体験を元にした作品集『アサイラム・ピース』(40)からアンナ・カヴァンと改名。終末的な傑作長篇『氷』(67)を発表した翌年の1968年、死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    世界大戦中や後の虚しさと個人の自意識の肥大による苦悩を描いた短篇集。ラザロと聞くとイエス・キリストに黄泉がえさせられた男を連想する。同時にルゴーネスの短編ではラザロは生き返ったが故に永遠に生き続けなければならず、人々から忌み嫌われるようになるという印象もついてくる。解説では「この短篇集に出てくるラザロ達は祝福された者である」と書いていたがそうは思えなかったです。取るに足らない人格にあるにも関わらず、正反対の弟を憎悪し、永遠に弟を失わせ、母からは断罪の眼でしられるようになった男の罪悪感を描いた「弟」が印象的

  • HANA さん

    世界は残酷さに満ち満ちている。普段はそのような事を気にせず生きているが、ある時ベールを剥ぐかのようにその本質が目に付く時がある。自分にとってアンナ・カヴァンを読むっていうのは、そのベールを剥ぐ行為に似ている気がする。本巻は以前読んだ「敵」とかのように神経を脅迫してくるような作品こそ少ないものの、戦争による神経症を描いた「誰か海を想はざる」や後悔の地獄「弟」、ホラータッチで一際異彩を放つ「カツオドリ」等、現実での残酷を描いた作品が目に付く。でも読者としては不安に苛まれながらも、頁をめくる手が止められない。

  • じーにあす さん

    15の短編集。第二次世界大戦の最中に書かれたものらしく、戦争の爪跡が色濃く描かれている話が多かった。戦争により心を病んでしまった兵士や一般人の、弱者の心の内側。分かってもらえない、抗えない。患者の治療者側への不信というのは現代にも通じるものがあるのではないか。突然今までの好意的な態度が悪意に変わる。他者への被害妄想的な不信と恐怖。「人はどこまでも途切れずに続く霧の中で生きているようなものだ」分からない、肝心な事が思い出せない。混濁した意識の中を漂う人々。狂っているのは自分なのか、それともこの世界なのか。

  • かわうそ さん

    無機質な諦観と絶望を基調として自らと世界との距離感を測り損ねたかのような陰鬱な話ばかりではあるものの描かれる不安や喪失感は特殊なものではなく内容は理解しやすいものが多い。これは良し悪しかと思うけれど個人的にはやや物足りない感じも。

  • aoneko さん

    孤独を望んでやまないのに、孤独に慣れきっているせいで、ごくわずかな人との接触がふつうより大切なものに思えてくる。評価の視線に晒され続けることで、都度かなり切実な判断を迫られることで、一分たりとも気をゆるめることができなくなる。あとがきの天才的と呼ばれる感受性にひっかかりを感じるけど、アンナカヴァンが内容に反して読みやすいのは、突き詰めてしまえばここが自分のいる世界と大差ないからかと考えて少なからず衝撃を受ける。

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