アレホ・カルペンティエル

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春の祭典 文学の冒険シリーズ

アレホ・カルペンティエル

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784336040251
ISBN 10 : 4336040257
フォーマット
出版社
発行年月
2001年05月
日本
追加情報
:
20cm,557p

内容詳細

革命のトラウマを負ったロシア人ベラとキューバのブルジョア家庭に育ったエンリケ。内戦下のスペインで出会った2人はキューバへ向かうが…。ロシア革命からキューバ革命に至る激動の時代を描いた壮大な歴史絵巻。

【著者紹介】
アレホ・カルペンティエール : 1904年、キューバのハバナに生まれる。1921年、ハバナ大学で建築と音楽を学び始めるが、家庭の事情で退学、ジャーナリズムの道に入る。1927年ヘラルド・マチャードの圧政に抗議する文書に署名したことで投獄され、翌年パリへ亡命。1939年までのパリ生活の中でブルトン、アラゴン、ツァラ、エリュアール、デスノスといったシュルレアリストたちと交流を深め、いわゆる“魔術的リアリズム”の根本をなす“驚異的現実”を認識するに至り、その文学への昇華とも言うべき『この世の王国』(49)、『失われた足跡』(53)、『追跡』(56)、『時との戦い』(58)といった傑作を次々に発表する。キューバ革命の後帰国し、文化審議会副議長、国立出版局局長という要職を歴任するいっぽう、『光の世紀』(62)、『方法再説』(74)、『バロック協奏曲』(74)など多くの力作を発表。75年にチノ・デル・ドゥカ賞、77年にはスペイン語圏全体の文学賞として最高の栄誉であるセルバンテス賞を受賞した。その後も、『春の祭典』(78、本書)、『ハープと影』(79)を完成させ、旺盛な創作意欲は最後まで衰えることを知らなかったが、1980年、公使として駐在したパリで客死した

柳原孝敦 : 1963年、鹿児島県名瀬市生まれ。東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程単位取得退学。現在、法政大学教授助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • syaori さん

    ロシア人バレリーナ・ベラとキューバ人エンリケのスペイン内戦での出会いから始まる物語は、彼らを襲う歴史の波とベラのバレエへの情熱に押されるように進みます。スペインからパリ、そしてキューバへ。その果てに、革命と世界から背を向けて歩き続けたベラが上げる「革命万歳」の叫びにとても胸撃たれました。それは自分が生きることとなった世界からもう逃げはしないのだという彼女の決意と思えたから。そこからのキューバ革命が希望に輝いているのは、彼らにとってこれが再び世界と向き合うための「春の儀式」だったからではないかと思うのです。

  • em さん

    人心を麻痺させ、良かれ悪しかれ社会を動かす ”熱狂” という怪物。スペイン内戦、第二次大戦、キューバ革命……激動の渦中で、熱にうかされていく人々。主人公のキューバ人青年は「祖国スペイン」の熱に、ドイツはヒトラーの、連合国はロシアの、そしてキューバは革命という熱に。「ロシアびいきの多幸症に我々は罹っていた」という一節に、『首都デリー』の、皆が「ガンディー気違い」になったというフレーズを思い出す。本書は1978年発表。革命支持の立場で書かれていることが、この ”熱” の力をよりリアルに見せている。

  • rinakko さん

    素晴らしい読み応え。作中に出てくる“かなりの時間、歩きさえすればな”…というチェシャ猫の預言的言葉さながら、誰よりも長く歩き続けなければならなかったバレリーナと、キューバ人エンリケのもつれ合う数奇な物語が胸に迫る。ポリフォニーと不協和音に満ちた同名のバレエ曲と同様の、しだく歴史の奔流にもまれていく主人公たちの運命の変遷から、眼が離せなかった。政治的かつイデオロギー性の勝った作品ではあるものの、20世紀の革命と戦争を描き込んだ意欲も凄いなぁ…と思うし、うねるような緩急の中でぐいぐい読まされてしまう作品だった

  • Ryosuke Tanaka さん

    あまりに多くの実在の人物が登場するので、自伝的でもあり評論的(ほとんどいやらしいまでに)な小説。音楽評論・歴史小説・政治小説(生活/芸術と政治の距離についての)としての網羅性は圧巻だと思った。プロット自体はそんなに凝ったものでもなく、意外とあっけなく共産主義を讃えて終わってしまったが不倫されていたベラの立場はどうなってしまうのだろうか…。キューバの歴史はほとんど知らないが、チャベスのベネズエラetcと比べると独裁者が私利私欲を肥やすタイプの国ではなかった印象を持っている。小説のフィナーレからの50年を

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