アレホ・カルペンティエル

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失われた足跡 岩波文庫

アレホ・カルペンティエル

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784003279816
ISBN 10 : 4003279816
フォーマット
出版社
発行年月
2014年05月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
467p;15

内容詳細

大都会で虚しい日々を過ごしている音楽家が、幻の原始楽器を探しに南米の大河を遡行する。むせ返るほど濃密な南米の“驚異的な現実”を遡る空間の旅は、現代から旧石器時代へと時間を遡る旅でもあった―。現代ラテンアメリカ文学最高傑作の一つ。一九五三年刊。

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • のっち♬ さん

    大学の依頼により、音楽家が幻の原始楽器を求めて南米の大運河を遡行する。殆どの地名や登場人物に具体的な名称が与えられていない、話の普遍性を際立たせた作風。運河と共に時代も遡るかのように光景は原初的なものへ向かい、主人公は独自の文化と大自然が奏でる壮大なシンフォニーに感化されてゆく。空間や時間軸やエピソードが縦横無尽な広がりを見せており、本書は人類の「失われた足跡」の探索行であると同時に主人公の自己発見の旅と言える。似非インテリの愛人の同伴が、あらゆる感情がさもしくなった現代都会との対比を浮き彫りにしている。

  • どんぐり さん

    カルペンティエルの『この世の王国』に次ぐ2冊目。幻の原始楽器を求めてジャングルの奥地を旅する音楽家。ヴェルナー・ヘルツォーク監督の『フィツカラルド』の世界にも通じるような話である。金鉱探しの山師、宣教師、薬草採取家、愛人の占星術師、現地の女ロサリオといろんな人間が登場する。密林を船で遡行する日々と語り手の主観的時間が縦横無尽に飛び交う点では、ガルシア=マルケスの『迷宮の将軍』にも引けを取らない。時代的な訳文の読みにくさに苦痛を感じながらなんとか読了。

  • nobi さん

    アンティゴネー、教皇マルチェルスのミサ、エンタブラチュア、オクトエコス、マルトノ…、ギリシャ悲劇ルネッサンス音楽古典建築典礼書から電子楽器…まで、“わたし”の語る文学音楽建築は蒐集家めいていて心ときめく響きがあるのに、それを語る彼は苛立っている。が、止む無く赴いた南米奥地がその彼を変えて行く。熱帯のむせ返るような繁茂と腐敗とその中現在を生きる人々。作り物めいて見えた綿々と続く文体は、絡まる蔦、跋扈する動物、‹大高地›の朝の光にこそ相応しかった。現代の我々の前に“わたし”は太古の自然を言葉で現前させている。

  • 翔亀 さん

    【始原へ3】ラテン・アメリカ文学におけるマジックリアリズムの創始者の代表作(1953年)とされるが、そういうジャンル分けには拘らないほうがよいかもしれない。語り手でもある主人公の作曲家は、ギリシャ古典古代以来の近代西欧の教養とナチスによるホロコーストへと至ったその文明の隘路に絶望し、大都会における職業生活は<人間=蜂>となり「魂は<悪魔>にではなく<会計係>に売り渡され」(p16)たと感じている。この主人公は、日本の私と同じではないかと思わせ、この世界に引き込まれるのだ。主人公は原始楽器の探索を頼まれ↓

  • いちろく さん

    課題本。大都会で音楽家として虚無的な生活を過ごしていた主人公のわたし。依頼により原始楽器を求めて旅をする過程の中で、大きな変化が訪れる展開。シュルレアリスムの影響を受けた作風や、時間遡行描写、独特な一人称の語りが提示する虚実等、この手の話が好みの人には堪らない構成。後の世に大きな影響を与えた作風である点も、これまでの当該系ジャンルの既読作品の手法が浮かぶぐらい。一方で物語の内容は、同性の私からみても主人公のわたしは女性に対してクズだわ。人生訓的な要素もあった。

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