エタンプの預言者

アベル・カンタン

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784041124963
ISBN 10 : 4041124964
フォーマット
出版社
発行年月
2023年04月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
384p;19

内容詳細

かつてタレント歴史学者を夢見たロスコフは、落ち目だった。1995年に「冷戦下米国のソ連スパイ事件」を巡る書籍を出版したが、直後CIAが機密解除、本は一夜にして紙くずに。妻とは離婚し大学を退職、酒浸りだったロスコフは、同性愛者の娘のラディカルフェミニストの恋人に刺激され、研究を再開、サルトルやボリス・ヴィアンと親交があったアメリカの詩人・ウィローについての書籍を刊行する。客わずか5人の出版記念トークショーの席上、ロスコフはウィローが黒人であることを記述しなかった理由を問われる。翌朝掲載されたブログ記事が炎上し、ロスコフはレイシストだという非難にさらされる。さらに自分を擁護するツイートに返信したロスコフは、炎上を煽ってしまう。ツイートした知人は、極右政党に入党していたのだ―。現代社会への痛烈な皮肉。超弩級の注目作!ゴンクール賞、フェミナ賞、ルノードー賞、アカデミー・フランセーズ賞、ジャン・ジオノ賞…フランスの名だたる文学賞レースで候補作入り!!フロール賞受賞作!

【著者紹介】
アベル・カンタン : 弁護士、作家。2019年に小説デビュー。デビュー作『Soeur』でゴンクール賞のロングリスト入りを果たしたほか、ゴンクール賞処女小説賞ではショートリスト入り。2作目の本作で、ゴンクール賞、フェミナ賞、ルノードー賞、フロール賞、アカデミー・フランセーズ賞、ジャン・ジオノ賞の6賞で候補、21年にフロール賞を受賞し、注目を浴びている

中村佳子 : 1967年広島県生まれ。文芸翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • 夢追人009 さん

    2021年度のフランスの6大文学賞の話題を独占しフロール賞に輝いた著者の第2作目となる問題作ですね。65歳の不遇の元大学教授ジャン・ロスコフは最初の著作がパッとせず妻とは離婚し、同性愛者の娘のパートナーから刺激を受け、アメリカからフランスへ渡った嘗ての文学者ウィローについての著書を刊行する。だが彼が黒人である事を隠していたとみなされブログ記事が炎上してレイシストと非難され私生活にも危険が及ぶ最悪の事態となるのだった。本書の舞台は2025年のフランスという近未来小説で実はウィローも存在しない架空の人物です。

  • たま さん

    とても技巧的な小説。60年代生まれのフランス人が50年代にフランスで客死したアメリカ詩人の評伝を書く。黒人と言う要素を無視した分析がネットで炎上、批判が拡大、日常生活も脅かされる。インテリとしてのポジション取りや著書の内容とは微妙にずれた炎上は練り上げられた設定で、娘の恋人をはじめ言論界の批判の舌鋒の鋭さ(日本と違う!)にも驚かされる。アメリカ的ポリコレへの反応も興味深い。しかし私がいちばん唸ったのは、この自己愛自己憐憫まみれの自堕落な語り手が【こんまり】さんのファンであること。⇒

  • 本の蟲 さん

    滅法面白いうえ、構成も巧みで振り回された久々の大当たり。ジャンは元大学講師。65歳白人。若い頃出した本で大恥をかき、アル中になり妻とは離婚。80年代の人種差別反対闘士だった過去が唯一自慢で、リベラル・進歩主義を自認していたが、娘の恋人からは「一から勉強する必要がある」と非難される。定年後再起をかけて、歴史に埋もれたある米国人詩人の半生記を出版するが、詩の内容と政治志向に焦点をあてたその本は「彼が黒人という事実をあまりに軽視している・歴史の漂白・文化の盗用・著者はレイシスト」と大炎上してしまう(続@へ

  • Mc6ρ助 さん

    #NetGalleyJP でなければ出会えなかったであろう一品、当事者でなければ語れないを突き詰めたなら自分語りな私小説しかないこの世はディストピアなのだろうか。自分語りでさえ相手に合わせなければ成り立たないかも。サルトルもカミュもうろ分かりな爺さまは右往左往するしかない(サルトル、やなヤツ認定を奉ってしまったけど)。エンタメとしてみれば最後、どんでん返しし損なったという印象で残念としか言いようがない。

  • 昼夜 さん

    時代の価値観についていくのも大事だけど、それよりもある人物を語るときに恣意的にプロフィールの一部を脇に置くとか自分の論説を語るままに反対意見があった場合にそれを検証しないままにする方がやばいと思う。「黒人の人生は黒人以外が語ってはいけない」のは当事者にしか解らないことを部外者が語るなってことは解るけれど、黒人を差別してきた白人はバリバリの当事者だと思うのは無知でしかないのか。なにかを発表したいときには自画自賛と達成感に酔って直ぐに発表する前に誰かに見てもらうことが大切だと思いました。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

アベル・カンタン

弁護士、作家。2019年に小説デビュー。デビュー作『Soeur』でゴンクール賞のロングリスト入りを果たしたほか、ゴンクール賞処女小説賞ではショートリスト入り。2作目の本作で、ゴンクール賞、フェミナ賞、ルノードー賞、フロール賞、アカデミー・フランセーズ賞、ジャン・ジオノ賞の6賞で候補、21年にフロール

プロフィール詳細へ

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品