英米文学者と読む「約束のネバーランド」 集英社新書

戸田慧

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087211313
ISBN 10 : 4087211312
フォーマット
出版社
発行年月
2020年08月
日本
追加情報
:
254p;18

内容詳細

あの鬼のモデルとなった人物は? 「約束」や「原初信仰」の謎を解く鍵は?
数々の名シーンを引用しつつ、文学研究者が徹底考察! ファン必読の一冊!!

累計発行部数2,100万部超を誇る大ヒット漫画『約束のネバーランド』。
その意表をつく展開や複雑な頭脳戦といった要素から、「少年ジャンプらしくない」と評されることもある同作ですが、その物語の背景には、多彩な文学作品や宗教に関する膨大な知識が踏まえられていることが窺えます。
本書は、そんな大人気作品「約束のネバーランド」を、気鋭の英米文学者が学術の立場から読み解こうと試みた考察本にして、英米文学・文化への最良の入門書です。
同作の名場面を豊富に引用しながら、数々の謎の核心に迫っていく、ファン必読の一冊と言えるでしょう。

なお、本書はあくまで「週刊少年ジャンプ」編集部から許可をいただいた上で、『約束のネバーランド』を作中の手がかりをもとに、英米文学者の視点から読んだ、いわば第三者目線での考察本です。
よって、原作者の白井カイウ先生や出水ぽすか先生の真意を紹介した「公式解説本」とは性格が異なります。
加えて、原作の終盤にかけての「読み解き」を含むゆえに、ネタバレを多く行っているので、あらかじめご注意ください。


【本書の主な内容】
・『約束のネバーランド』というタイトルの真の意味とは
・謎を解く手掛かりとなる、幾つかの英米文学作品
・レウウィス大公、バイヨン卿……あの鬼たちのモデルは?
・ソンジュ達の宗教「原初信仰」とユダヤ・キリスト教
・階級、女王、狩り……鬼の社会と似た特徴を持つ国は?
・鬼の言葉とヘブライ語
・レウウィスのペットはなぜ猿なのか
・ジェンダーから見た『約束のネバーランド』という物語の新しさ  ほか


【著者略歴】
戸田 慧(とだ けい)
1985年奈良県生まれ。広島女学院大学人文学部国際英語学科准教授。
関西学院大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門はアメリカ文学。
共著書は『アメリカン・ロード 光と影のネットワーク』(英宝社)、『ヘミングウェイと老い』(松籟社)、『アーネスト・ヘミングウェイ 21世紀から読む作家の地平』(臨川書店)など。

【著者紹介】
戸田慧 : 1985年奈良県生まれ。広島女学院大学人文学部国際英語学科准教授。関西学院大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門はアメリカ文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • パトラッシュ さん

    漫画『約束のネバーランド』は面白く読んだが、現実と非現実世界が交錯する『デスノート』の系譜を継ぐディストピア物と思っていた。しかし意外なところで『ピーター・パン』や『アリス』など著名ファンタジーとの関係があったり、ユダヤ・キリスト教の知識を基礎にしているとの指摘には思わず頷いた。何よりジャンプ連載作品ながら女の子が反抗と解放を主導する設定に、男らしさ女らしさの呪縛を脱するというジェンダー視点の位置付けは思いもよらなかった。日本における最新の世界文学の潮流を踏まえた作品は、文学ではなく漫画で生まれたようだ。

  • Nobuko Hashimoto さん

    あまりに一気に読んでしまって感想を記してなかった! 『少年ジャンプ』に連載していた長編マンガを英文学者が読み解く本。著名な文学作品や、ユダヤ教、キリスト教のこれこれをなぞっているのでは、という具合に解き明かしていく。おおおお〜なるほど〜!と感心しまくり(マンガの作者がそのつもりだったかは別として)。歴史や宗教、文化の蓄積を知ることで、架空の作品がより深く読めるようになる楽しさを体験させてくれる。『約ネバ』を読んでいない人でも楽しめると思います。読んだ人はぜひ! 結末のネタバレはないので安心して読めます。

  • はやしま さん

    『鬼滅の刃』が大人気だが、私は同時期に連載されていた『約束のネバーランド』も楽しみに連載を読んでいた(寧ろ『約ネバ』の方が好きだった。)。本作はその「沼」にハマった若手研究者が自身の専門をベースに読み解いたもの。平易な言葉でわかりやすく一般向けに書かれた良書。「イギリス文学・文化とのつながり」「原書信仰とユダヤ・キリスト教」「ジェンダー」の3つのポイントから分析し、『ピーター・パン』『アリス』シリーズや英国の階級制度との類似点、ユダヤ教やキリスト教的暗喩を指摘しているが、特に「ジェンダー」の論考が秀逸。→

  • りー さん

    先日完結した漫画「約束のネバーランド」を、物語の祖形から読み解いていく本。著書自身がこの漫画の沼にはまったそうで、愛を感じられて嬉しい。ピーター・パンとピーター・ラートリー、英国文化、ユダヤ教やキリスト教との共通点、ジェンダーから見た主人公たちなど、興味深い指摘がたくさんありました。物語には神話や歴史、古典文学などのイメージ祖形が自ずと存在します。意図して選んだもの、必然的に引き寄せられたもの。どちらにしても、この漫画の素晴らしさは、それらを越えていこうとする前向きな強い意思を感じた所だったと思います。

  • 大先生 さん

    約束のネバーランドを読んだことのある人にオススメの一冊。「ピーターパン」、「不思議の国のアリス」、「指輪物語」、ユダヤ教、キリスト教、ジェンダー等の視点から分析した考察本です。著者によれば、「約束のネバーランド」は、「大人の古い常識を覆し、真に自由な大人へと成長する子供達の物語という伝統的な児童文学の王道を継承しつつ、二十一世紀的な新しいジェンダー観を反映し、漫画という媒体で描かれた、まさに新しい『文学』」だとのこと。素晴らしい考察だと思いました。

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戸田慧

関西学院大学大学院文学研究科博士課程後期課程修了。博士(文学)。現在、広島女学院大学人文学部准教授。専攻はアメリカ文学、特にアーネスト・ヘミングウェイを中心に研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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