ジョルジュ・シムノン

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ブーベ氏の埋葬 シムノン本格小説選

ジョルジュ・シムノン

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309205571
ISBN 10 : 4309205577
フォーマット
出版社
発行年月
2010年12月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
204

内容詳細

第2次大戦直後のパリ、8月のある朝、セーヌの河岸通りの古本屋の店頭でブーベ氏が急死する。身寄りもいないと言われていた彼の写真が新聞に出ると、複数の人が関係者だと現れる。ブーベ氏とは一体何者なのか。

【著者紹介】
ジョルジュ・シムノン : 一九〇三‐一九八九。フランスの小説家。ベルギーのリエージュの貧しい家庭に生まれる。十五歳で学校をやめ、菓子屋、本屋などに勤めた後に十六歳で地方紙の記者になり、十七歳で処女作『めがね橋で』を発表して作家デビュー。二十七歳で発表した『怪盗レトン』からはじまる“メグレ警視シリーズ”は八十四篇を数え、各国語に翻訳されて世界的な名声を博す

長島良三 : フランス文学翻訳家。1936年東京生まれ。明治大学文学部仏文科卒業。早川書房編集部を経て翻訳家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ヴェネツィア さん

    メグレ警視シリーズで名高いジョルジュ・シムノンの"本格小説"の1冊。帯にはジッド、モーリアック、アナイス・ニン、ヘンリー・ミラー絶賛との惹句が。メグレを含めてシムノンは初読。物語は、セーヌ河岸の古書店の前で突然に亡くなった隠居老人ブーベ氏の過去がしだいに明らかになってゆくという構想。一昔前のパリの風情と、フランス文学らしい香りに包まれる小説。全体の色調はまさにセピア色だ。孤高の小説のようにも見えるが、パトリック・モディアノがこの衣鉢を継いだのでは、と想像してみたりする。芦澤泰偉の装丁もいい感じだ。

  • maja さん

    セーヌ河岸通りの馴染みの古本屋で版画を眺めていたブーベ氏に訪れた死は思わぬ波紋を呼んでいく。近所の人たちによく知られた身寄りのない穏やかな老人とはおよそかけ離れた人物像が現れ始める。第二次世界大戦後のパリ、複数の名前を持つ彼の人生は戦中を挟んで次第に明らかになっていく。人情深いアパートの管理人と出会い彼の孤独は少しは癒されていたのだろうか。再びまた名の無い道を選ぼうとしていたのだろうか。葬列のクルマを遠くから見送る気分となっていく。

  • kthyk さん

    新春のパリ散歩、しかし、手に取ったのはゾラではなく、シムノンだった。まぁ、現代のパリを歩くならメグレ警視が一番だ。ベルギー人シムノンが生み出した小説や映画はパリの下町の風景と様々な街の哀しみや悦びを、暖かみを持った眼差しで克明に書き取っていく。メグレシリーズは既に80冊を超えるが、この小説は定年間近なパリ警視庁のムッシュー・ボーペール刑事のきめ細かな聴き込みがポイントだ。76歳でパリ左岸の露店古本街で倒れたブーべ氏の謎を定年間近な老刑事が追うこの物語、しかし、シムノン自身も80歳を超えていたのではないか。

  • mizuha さん

    ブーベ氏の死がもたらした謎。彼は何者だったのか。ブーベ氏の過去が明らかになるのに伴って、人生の所々で捨て去った者たちの過去もまた浮き彫りになっていく。パリを舞台に、メグレ警視シリーズのシムノンが描き出す洒落た物語。

  • りつこ さん

    何者でもあって何者でもない。ブーベ氏の隠された過去が明らかになればなるほど、その人柄がぼやけてくるという不思議。特に悩んでいるのでも苦しんでいるのでもなく、仕事や結婚、しがらみ、関係を築いては壊し逃げる。その生き方は不可思議ではあるが、分からないではないのだ。最後は浮浪者になることを夢見ていたのだろうか。決して明るくはないのだが暗くもない、不思議な読後感。

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ジョルジュ・シムノン

1903年、ベルギー、リエージュ生まれ。サン・ルイ中等学校を中退後、転職を繰り返し、『リエージュ新聞』の記者となる。1921年に処女作“Au Pont des Arches”をジョルジュ・シム名義で発表。パリへ移住後、幾つものペンネームを使い分けながら数多くの小説を執筆。“メグレ警視”シリーズは絶大

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