大司教に死来る 須賀敦子の本棚

ウィラ・キャザー

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309619927
ISBN 10 : 4309619924
フォーマット
出版社
発行年月
2018年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
285p;20

内容詳細

いま再評価の声高い20世紀米作家の記念碑的名作を、若き日の須賀敦子の瑞々しい新訳で。過酷ながらも美しいニューメキシコの大自然。広大な砂漠や危険な山岳地帯をラバで旅する二人のフランス人神父―19世紀半ば、彼らはその布教の地で、古代そのままに営まれる先住民族の文化に触れ衝撃を受けつつ、真の魂の豊かさを学んでゆく。ピュリツァー賞作家代表作。

【著者紹介】
ウィラ・キャザー : 1873‐1947。アメリカ、ヴァージニア州ウィンチェスターに生まれる。9歳のときに一家でネブラスカ州に移住、大平原を開拓するヨーロッパ各地からの移民の中で育つ。1895年にネブラスカ大学卒業後は、編集者、記者、教師などの職に就きながら創作活動を行う。1923年『われらの一人』(1922)でピュリツァー賞受賞

須賀敦子 : 1929年兵庫県生まれ。聖心女子大学卒業。53年よりパリ、ローマに留学、その後ミラノに在住。71年帰国後、慶應義塾大学で文学博士号取得、上智大学比較文化学部教授を務める。91年『ミラノ霧の風景』で講談社エッセイ賞、女流文学賞を受賞。98年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • たま さん

    19世紀後半、二人のフランス人司祭がニューメキシコ一帯の広大な荒野に派遣され教区の立て直し(既にスペイン人らが宣教)に奔走する。どこに行くのも何日もかかり、食うや食わず、野宿しながら危険と隣合わせ。この土地の19世紀後半は、南北戦争と奴隷解放、ナヴァホの強制移住、鉄道開通、ゴールドラッシュと騒乱の時代だが、この小説は時系列に沿って歴史を追うのではなく、風景描写と郷土色豊かなエピソードを繋いで、大司教の臨終に至ってそれらがタピスリーのように編み上がる仕掛けである。2人の人柄、友情が爽やかで心に残る。

  • nobi さん

    延々と続く仄暗い迷路のような「アブサロム、アブサロム!(W .フォークナー)」を抜けて、光と色彩とに溢れたローマの別荘のテラスに舞い降りた感じ。そこから広大な新大陸に放り出されても、神父達とともに行くが如く風景が広がり大気雨砂…を肌に感じる。数千マイルに及ぶ布教の旅は命懸け。しかし言葉少なに随行するインディアンもキリスト教徒のようにみつめる二頭の騾馬もいる。創世記に思い致す丘(メサ)が、過酷な歴史を経た村(プエブロ)が、温かく迎える家族も、悪徳の輩もいる。自然への異教の徒への純な眼差しは宗教の原点のよう。

  • syaori さん

    舞台は合衆国に併合されたばかりのニュー・メキシコ。米国人、メキシコ人、インディアン。様々な人々が暮らす地に赴任したフランス人司教の半生が描かれます。それは、入植初期のスペイン人宣教師たちの布教の歴史やインディアンと白人の対立と友諠、インディアンの信仰や生活などと混然と溶け合っていて、その中では悩みも苦しみも静謐で穏やかな色を纏っているよう。そんな、遠い聖人伝を思わせる物語が胸に迫るのは、訳者も言うとおりこの描写のなかに「真実」が、苦悩や悲嘆を昇華した後に残る純度の高い何か”があるからなのだと思います。

  • ヘラジカ さん

    辺境地に派遣された司教と神父の活動を描いた作品。二人は過酷な大地で過酷な生活を送りながらも、現地人とその風土文化に純粋な気持ちで触れていく。大自然と異種族を受け入れ融合していく二人の様々な物語は読んでいて心が浄化されるようだった。お気に入りはVI章の「ドーニャ・イサベラ」と、勿論VIII章「パイクス・ピークの黄金」。最終盤の涙が手紙の上に滴るシーンでは思わずこちらも目頭が熱くなった。最初は風景描写ばかりでもどかしく思っていたけれど、まさか最後には読み終えるのが惜しくなるとは。終わり方もとても美しい。名作。

  • けいこ さん

    19世紀後半のアメリカ・ニューメキシコ。まだインディアンが沢山いた時代。インディアンを酷使して、誤ってインディアンを殺してしまい、反乱を受けてしまった神父の話などが印象に残りました。純粋にキリスト教の教えを広げようとする者、自分が威張りたいから司教になる者。いろいろな司教がいたんですね。沢山の人達が登場して、少しずつ歳月が流れていく。そのゆったりとした歳月の進み方が良かったです。

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