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Review List of tasuke 

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     2016/05/08

    実に待たされました。CD1が77年5月のヒューストン、「バーニング・スカイ」のツアーで78分、CD2が79年3月のウェンブリー、「デソレーション・エンジェル」のツアーで76分の収録です。音源リールの画像が添付されていまして、間違いなくピーター・グラントの指示で、マーティン・バーチが録音していたものです。オーバーダブはない、と説明されております。一聴してわかりますが現代のテクノロジーを駆使して磨き上げを行っているようで、70年代の音源と、にわかにはわかりません。両ツアーとも新曲中心なのは仕方ありません。両アルバムとも古参ユーザーには「問題作」ととらえられていました。だから若干のフラストレーションがたまることは書いておくべきです。

    商品化前提とも言えるこれらのリールがなぜ存在していたんでしょう。そしてなぜリリースされなかったんでしょうか。実は70年代の彼らを知る音源には、別に「アルバカーキ1976」があります。わずかに市場に出回り、現在ではブート扱いされているものです。このライブの商品化に反対したのがロジャーズでした。彼はライブの商品化について相当高いハードルを課していたんだと思います。再結成後のライブ商品化で、ロジャーズはミスを隠さなくなりましたから、やっと70年代音源を表に出す気になった、というところではないのかと。

    わたし、フェイクばりばりで、聴衆にサビを歌わせる再結成の「キャント・ゲット・イナフ」を聞いて、なにやら情けなさ半分でした。やっと正調の「キャント・ゲット・イナフ」が聴ける。でも本当はこんなものでないはずです。デビュー前後が一番すごかったに違いありません。

    ミック・ラルフスとサイモン・カークは、まじスゴイです。わたし、ロジャーズのばりばりの黒っぽさに、ラルフスがブギ・リズムを入れてバッド・カンパニーが完成したと思っています。弾き倒すわけでもないのに、音色とストローク一発で決めてしまうラルフスはとんでもないです。とにかくこの二人は、必要最小限の音しか出さない。それでグルーブをつくってしまう。こんな芸は21世紀のバンドではできますまい。CD2の13. Hey Joe だけは日時会場が違います。曲が終わってロジャーズが「ちょっとヘンドリックスにチャレンジしてみたぜ」と言っています。ラルフスのギター、弾けているんです。いいんですよ。こういう武器を持っていながら普段出さないんだよなあ。

    わたしは、今後どんな音源が出てきてもバッド・カンパニーは全部買うことに決めました。

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     2015/01/15

    合衆国国章の「E Pluribus Unum(多数から一つへ)」が、ベトナム戦争に若者を駆り出すスローガンでした。

    メル・サッチャーのベースはここでは巨大なリード楽器です。おそらくスタジオ一発録音で、オーバーダブなんか施していないでしょう。トリオのバンドと言ってもリズムパートとリードのギターを多重録音することが普通なもんですが、彼らの場合常にギターは単独でしか聞こえません。録音日のクレジットを見るとわずか2日間で完了しています。黄金期だったんでしょうね。

    グランド・ファンクが目指していたのはエモーショナルなロックだったと思います。単純で巨大な音でユーザーの心を揺り動かすこと。これだけしか考えていません。何のギミック、細工もないことが高揚感を呼びます。「戦争をやめよう」という邦題ゆえユーザーを遠ざけている気配がありますけれど、この時期に彼らを突き動かしていたテーマがベトナム戦争の泥沼だったというだけ。容易に判りますが彼らはナショナリズム・バンドです。大柄で激しく肉体的、という特徴は合衆国そのものと言っていいと思います。

    3. Upsetter 、4. I Come Tumblin’ の暴れっぷりは見事で巨大なカタルシスです。7. Loneliness たるやエモーションそのものと言いたいです。オーケストラがなくてもこの曲は成り立つと思いますが、管弦とファーナーの声、ブリューワーのドラムズがいっしょに畳み掛けてくるコーラス部分では体が浮きます。ボーナス・トラックのライブに行く前に一呼吸置くことをおすすめします。

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     2014/10/09

    ELPとしての使命がBrain Salad Surgeryで終わってしまったことを否応なく納得させられてしまいます。Ladies And Gentlemen やWorks Volume 2を含めてグループとしての棚卸をやっている時期にあたります。この2枚組で追究したかったのは、それぞれのメンバーがグループとして実現できなかったアイデアをソロ作として成果品にすること。いちばん成功していると申しますか、そもそもこの作品は彼のためにあった、と言える成果を残しているのがエマーソンのパートです。終始明るいピアノ・コンチェルトで、中だるみはありません。オーケストラもエマーソンの試みをよく理解していると思います。ロック・グループと交響楽の共演にはひどいものが多いので、とても少ない成功例です。でも、クラシックの作曲、演奏をエマーソンが指向しているわけではありません。楽器はアコースティックでも曲はELPです。

    グレッグ・レイクは、おそらくエマーソン、カール・パーマーの作業を予想してのボーカル曲です。わたしがこの作品を手にしたのはガキの頃でしたので、当初はレイクの部分ばかりを聴いていました。(他のメンバーはよくわかりませんでした。)今となっては、ピート・シンフィールドの詞の悲観性が捨てがたいものの、レイクの部分を聴くことはなくなっています。臆面もなく、ジミ・ヘンドリックスの曲をクレジットなしに引用してしまうぐらい…さびしいです。カール・パーマーにいたっては…だれが彼にLP片面をプレゼントしたのか、と思うぐらい。ジョー・ウォルシュがハードなギターを弾いているのが救いです。(アトミック・ルースターの再演をやればよかったのにな…)

    「庶民のファンファーレ」「海賊」はずばり傑作です。素晴らしさに涙が出ます。この2曲とエマーソン部分のために買わなくてはなりません。ELPの最初の一枚にこれを買う人はいないと思います。しかし、彼らの荒涼感や痛みを知るために、ファンなら持っていなくてはなりません。2011エディションは、 9. Tank、10. The Enemy God Dances With The Black Spirits、11. Nutrockerの1978年ライブを追加。

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     2014/02/10

    1. Whatever You Wantを聴くと、彼らがシンプルなロックンロール信者なだけでなく、トム・ショルツのような音選びの達人であることが判ります。クォーのアルバムに触れると、何でこんな素晴らしい音楽に対して自分が無知であったのか、と悩まざるをえません。しかも彼らにはマンネリがなく、無尽蔵に近いアイデアで曲を作り、いい加減な曲に出会ったことがありません。実にいいのです。

    英国ビート、あるいは英国ポップの王道を行くロックンロール。でも彼らがわが国で無名に近い存在なのも、何となく理解できるのです。ハードロックであっても、オカルトとかマッチョとかのイメージとは無縁。文学的でも演劇的でも政治的でもない。つまりエクスキューズのない、王道としか言いようのない音楽なのです。本国では数えきれないトップテン・ヒットを持っていて、それだけで興行できるはずなのに、いまだ現役で毎年のように作品をつくっています。新しいロックンロールを発表するのが、自分たちの使命であると考えているのでしょう。

    この作品、5. Living On An Island というアコースティック曲が泣けるほど素晴らしいです。79年にCSNYがよみがえったかのようです。ジャケ裏にペンギンが描かれています。どうもそのペンギン君を主人公にした曲のようです。ジャケ表の人々は、このペンギン君にインタビューしようと集まっているのですが、マリリン・モンローやマーロン・ブランドの姿も。サージェント・ペパーを思い出しませんか。

    アディショナル・トラックのデモの中に12. Bad Companyという曲があります。ミック・ラルフスのギターを意識している気がします。

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     2014/02/03

    バッジーの評価といえば、「バッジー」「スクォーク」「ネバー・ターン・ユア・バック」「イン・フォー・ザ・キル」「バンドライアー」の5作目までに集中していまして、6作めである本作以降はあまり話題にもなりません。全くそのとおり、と思いますけれど、この作品がつまらないか、と問われればそれもまた違います。76年の発表で彼らが新機軸を打ち出そうとしていることは明らか。ひとつにはハードロックの市場が縮小していましたし、「バンドライアー」で商業的成功を得たので実験してみたかった欲求もあるでしょう。

    ガガガガ、という機関銃のような例のギターリフは出てきません。しかし、元からこのトリオのリーダーはベースなのです。今までになく巨大なベースがリードする曲が目立ちます。物語調の起伏ある曲とヘビーな曲が増え、妙に引っかかりのある後味が残ります。ストレートさには欠けるが、英国アングラ好きには無視できない重さがあります。

    この時代、英国ハードのバンドがさかんにファンク・リズムに挑戦し始めます。相当に魅力あるリズムだったのでしょうね。1. Anne Neggen は”アネゲン、アネゲーン”の絶叫で有名。7. Black Velvet Stallion のエンディングは、「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」を思い出させます。

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     2014/01/28

    わたしは、JJケールの良さを、ギターの音の選び方にあると思っています。ツルツルと弾くわけではないのに、曲調に合ったギターを一音でパシッと入れてしまう。また、どんなギターでも弾ける引き出しの多さもあります。実はヘビーロック好きなので、JJのディストーション・ギター(もちろん控えめですが)の音も大変好きです。それに比べてしまうと、やはりクラプトンのギターは饒舌と言いますか、弾き過ぎているところがありますねぇ。

    クラプトンという人は面白くて、常に自分より尊敬できるギタリストを想定して活動するようです。だから、JJに憧れるクラプトン、という構図を素直に楽しむ作品だと思います。JJもそれに乗っかって楽しんでいるみたいですし。どのギターを誰が弾いている、というクレジットはないので、JJが弾いているクラプトン風ソロなんてものもあるでしょう。最初は誰がどのソロを弾いているか、ばかり気になって…。気にしているうちはこの作品を楽しめないです。

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     2013/10/28

    ピンク・フロイドが「アトム・ハート・マザー」の制作を開始する半年も前(69年9月)に、ライブでオーケストラと共演してしまったスゴい作品。しかも、オーケストラ部分を聴くと、ジョン・ロードが大真面目にコンチェルトを作曲したことが判ります。「イン・ロック」制作時にリッチー・ブラックモアが ”一度でいいから、オレの言う通りやらせてくれ”と言った話は有名です。おそらくはジョン・ロードにとっての「オレにやらせてくれ」作品です。しかも、グループ加入直後に付き合わされたイアン・ギラン、ロジャー・グローバーは何を感じたでしょう。

    レッド・ツェッペリンが一貫して古いブルーズを根幹に持っていたことと比べて、ディープ・パープルの音楽背景は多彩、というか複雑です。ブリティッシュ・ビート、ジャズ、クラシック、トラッドの要素を各メンバーが持っています。ここで初演の「チャイルド・イン・タイム」がイッツ・ア・ビューティフル・デイの「ボンベイ・コーリング」の改作であることは、彼らのユーザーであれば知っていることです。ところがコンチェルトのバンド演奏には、そうした「泣き」の部分があまりありません。ひたすらリッチーの弾きまくるパート、ロードの弾きまくるパートがあり、「イン・ロック」のスピード感の布石になっている気がします。

    イアン・ギランの安定した音程は、さすがです。彼らの代表作品とは呼べないまでも、「イン・ロック」制作背景として興味深い録音です。

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     2013/09/22

    BBCライブ、ブートレグ、スタジオ・リハーサル、ミックス前音源などからなる5枚組です。全てを聞きとおすのに6時間以上かかるでしょう。リハーサル、スタジオ音源は「Scraping the Barrel」の音楽CD、データCDのMP3ファイルから。ボーカル抜きのカラオケ(これは歌うとなかなか楽しいです。)と言えるトラックから、ケリー・ミネアが曲想を得るためピアノをつま弾いているものまで何でも入っていて、当然観賞用には向きません。ライブ音源も含め、ジェントル・ジャイアントのコア・ユーザーのための商品です。求めやすいので「Scraping…」の代わりに所持するのも悪くありません。

    DISC1の6. On Reflection、7. Proclamation、8. Free Hand は、1975年「Endless Life」から。16. Peel the Paint/I Lost My Head (Live in Sweden)が「Artistically Crymeから。DISC3の7. Opening から17. For Nobody までが、「Missing Face」で77年クリーブランド。DISC4の 1. Two Weeks in Spain から11. Mountain Time までが「BBC Radio 1 Live in Concert」のもので78年、音は大変素晴らしいです。

    DISC5の 1. All Through the Night、2. It’s Not Imagination は初出音源のようです。3. Convenience から9. Inside Out までが80年ニューヘブンのライブ、そして彼らのキャリアの最後になった10. It’s Not Imagination 以降が80年ロキシー。「Last Steps」を全て収録しています。

    この5枚組は英国リリースであり、クリサリス・レーベル権利関係とはっきり謳っています。よくわからないのが、ケリー・ミネアがオーナーであるAlucard Recordsとの関係です。Alucardも2009年にかなりのアルバムをリマスター発売していまして、果たして権利はクリサリスにあるのでしょうか。ケリー・ミネア側にあるのでしょうか。少なくとも「フリーハンド」と「インタビュー」については、英国リマスター、米国リマスターの両方が存在しています。

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     2013/09/13

    「ラブ・ユー・ライブ」「ゲット・ヤーヤ・ヤズ・アウト」を持っていたとしても、ストーンズの原点として所持をおすすめします。野獣のような激しさといかがわしさが感じられるライブ。わたしは、キング・レコードのアナログ盤で「アンダー・マイ・サム」を大音量でかけていて、ウーファーを破損した経験をもっています。

    もともとは英国でEPとして出されたもの(収録曲は違います。)を、米国サイドでストーンズ側の承諾なく同じタイトルでLPに。曲が足りなかったため、I’ve Been Loving You Too Long とFortune Tellerのスタジオ録音に歓声をかぶせて疑似ライブ化。旧盤では、演奏と歓声が左右のチャンネルに分かれていて、モロばれでした。(このバージョンでは、歓声も左右に振り分けられています。)ボーカルも録り直し、オーバーダブが施されています。The Last Time にはSatisfactionのイントロが切り貼りされるいい加減さ。リマスターによって音質が向上したものの、かつてのいかがわしさと迫力は失われている気がいたします。

    しかし、かつてのストーンズの流通はこんなものでした。英国オリジナルと米国オリジナル、日本独自の編集盤が入り乱れ、買えば必ず曲がダブっていたような…。この時代のストーンズを知っているか知らないかは大違いです。

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     2013/09/05

    ユーライア・ヒープがライブ向きのバンドかと言われるとなかなか難しいところです。何より繊細なスタジオ・ワークと脅迫的なコーラスに特徴のあるグループなので、その部分を会場で忠実に再現…というわけにはいきません。けれども、若干の細かいニュアンスをそぎ落としたロックンロールとして、ヒープの別の魅力を物語るライブではあります。特に感心してしまうのがゲイリー・セインの、メロディを弾きながら巨大なベースの音です。セインのベースとミック・ボックスのシンプルなギター・リフがユニゾンで迫ってくるところはなかなかの迫力です。Disc1で言えば、冒頭の1. Sunrise 、2. Sweet Lorraineや、4. Easy Livin’ 、7. Tears In My Eyes という短い曲にエネルギーを感じます。

    さて、Disc2の追加部分です。1. Something Or Nothing 、2. I Won’t Mind 、3. Look At Yourself、4. Gypsy は、「Wonderworld」発表時の米国向けプロモーション用ラジオ音源です。出所は、1.と2.が「Live at Shepperton ’74」で、3.と4.がDISC1の編集バージョン。特に4. Gypsyでは、長尺のソロ演奏部分を上手に切り落として印象に残る曲に仕立てています。

    5. Easy Livin’
    6. So Tired
    7. I Won’t Mind
    8. Something Or Nothing
    9. The Easy Road
    10. Stealin’
    11. Love Machine
    12. Rock’n Roll Medley
    これらも音源はシェパートンのライブ音源から。こちらはTVフィルムとして編集されたものから。臨場感ある録音に驚きます。それと改めて「スイート・フリーダム」「ワンダーワールド」収録曲の良さに気付かされてしまうのでした。ロックンロール・スタンダードのメドレーはユーザー・サービスと考えてください。聞き飛ばしてかまいません。70年代ヘビーロックを代表する名ライブ…とはいきませんが、ヒープのユーザーにとって貴重な盤であることは確かです。

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     2013/08/20

    軽快なブギ曲、Gimme Your Money Pleaseから幕を開けるBTOの73年ファースト作。大ヒットとなる「II」、「ノット・フラジャイル」の片鱗を見せつつも、ローリング・ストーンズのようなブリティッシュ・ビートの影響が強くうかがえる出だしであります。ゲス・フー時代にヒット曲を持っていたとはいえ、この作品発表当時のバックマン兄弟の名前は無名に近く、徹底的にライブをこなすことで彼らは人気グループにのし上がっていった、と聞いています。ライブ映えするように、どの曲も印象的なコーラス部分と単純なリフ、リズムから成り立っています。また、彼らの特徴はハードブギを基調としながら、ジャズ、ボサノバ調の曲を持っているところ。よく言われるように、単純な曲しか書けなかったわけではありません。

    アルバムは、ひとつのライブ・アクトとして楽しめる曲構成で、最終曲Thank You for the Feelin’は、ライブでも最後に演奏されていたようです。日本公演ではThank You Domoとして演奏されていました。Sympathy for the Devilに似た愛すべき曲です。

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     2013/08/20

    BTOのベスト、コンピレーションは実に数多く出ています。代表曲を聞くなら、この記念盤ではなく「Anthology」がふさわしいと思います。ところがこの記念盤、なかなか曲者で、ブレイブ・ベルトの曲を1曲と、サウンドトラックの「Wooly Bully」を含んでいるのです。この2曲を探すだけでも大変なので購入しました。

    デジパック2枚組を、DeluxeEditionと書いたテープが帯状に取り巻いてあって切って開く仕掛けになっています。テープは直接紙に貼ってありますが、簡単に剥がすことができました。

    Disc 1
    1. Never Coming Home  彼らの前身ブレイブ・ベルトの72年シングル。この頃のメンバーは、ランディ・バックマン、CFターナー、ティム・バックマン、ロビー・バックマン。それほどハードではないブギ曲です。ブレイブ・ベルトのCDは高価になっていて、現在なかなか手が出ません。
    2. The Letter 抑制されたリズムの上をオーバードライブが効いたギターが唸る未発表曲で、「Anthology」に初めて収録されました。ブリティッシュ・ロックの香りを色濃く感じます。
    3. Let It Ride 「II」収録曲で、ドゥービー・ブラザーズの影響をとても感じます。逆にもしかするとドゥービーに影響を与えたのがBTOかもしれません。
    4. Takin’ Care Of Business  同じく「II」収録曲で、邦題は「仕事に御用心」であり歴史的な誤訳ですが、彼らを名を高めるのに役に立ちました。仕事を片付ける、の意味だと思います。ツイン・ギターが重量感たっぷりです。フェイセズがやりそうな曲でありますね。
    5. You Ain’t Seen Nothing Yet 「Not Fragile 」収録で、邦題「恋のめまい」。これまた、ギターのカッティングが美しい曲で、わざとドモりながら愛を口にする、純なトラック・ドライバー達に支持されそうな曲であります。グループ最大のヒットで全米1位になっています。

    6. Not Fragile 彼らのキャリアで最もヘビーであろうと思います。イエスが「こわれもの」で来たので、逆をはって「壊れない」をテーマにしています。わが国では、彼らがカナダの木こり出身という話が信じられていました。ちなみに同年、国際プロレスに、カナダ出身のレスラーが参加したときも木こり出身とプロモーションされていました。
    7. Four Wheel Drive グループのヘビー化を物語る曲で、同時期の来日に合わせ、わが国でも人気があったと思います。ギターにコンプレッサーをかけ、独特の伸びを出しています。たたみかけるドラムズも迫力です。
    8. Hey You 「Four Wheel Drive 」収録。フランジャーを通したアコースティック・ギターのカッティングで始まる軽快な曲で、グループの幅の広さがわかることでしょう。ランディがボーカルをとるとポップな曲になることが多いと思います。
    9. Lookin’ Out For #1 「Head on」に収録されたシングルでボサノバ。彼らはデビュー当時からジャズ、ボサノバの雰囲気で曲をつくることをしています。シングルカットされましたが、グループ低迷のきざしがこの頃。
    10. Sledgehammer 一転して 「Not Fragile 」からヘビー曲。

    11. My Wheels Won’t Turn 「Freeways」からのシングルで、ランディ・バックマンが脱退、ブレア・ソーントンに代わっています。この後、2枚のアルバムを発表してグループはフェイド・アウトしました。
    12. For The Weekend  84年の再結成シングル。 ランディ・バックマン復帰作品でもあります。80年代の流行の音でありますが、やはり根本はハード・ブギ。
    13. Wooly Bully  カナダ映画「American Boyfriends」サウンドトラックから。 Sam the Sham and the Pharaohsのロックンロール・ヒットのリバイバルです。
    14. Rough Ride  84年に録音されていた未発表曲です。ターナーの歌う軽快なロックンロール。
    15. Another Fool  ランディ・バックマン作の初出ライブ。ヘビーメタルと言っていい重さがあります。84年の「Bachman Turner Overdrive」にスタジオ・バージョンがあります。
    16. West Coast Turnaround  「Head on」制作時のアウトテイク。デモではなくしっかり完成されてあり、なかなか力作です。

    Disc 2
    1. Roll On Down The Highway〜 8.ThankYou-Domo 76年の武道館ライブで、ミックスダウンはカナダ、スリーブなどの制作は日本で行われました。ツアーは、武道館と大阪でした。この頃、わたしは中学生でしたがラジオで彼らの「ハイウェイをぶっとばせ」が今でいうパワー・プレイ状態だったことを覚えています。5.FourWheelDriveから8.ThankYou-Domoまでは、アンコール。当日の演奏曲のうち、半数程度の作品化でしかありません。米国でのリリースはありませんでした。
    9. Give it Time  未発表ライブとのこと。この曲のライブは、75年シカゴのKingBiscuitHourのライブが知られていますが、それとは違いました。わたしは、このギターリフと後半のソロが大好きであります。
    10. Blue Collar  未発表ライブ で、珍しくギターソロ中心に構成されています。

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     2013/08/11

    ピンク・フロイドが「アトム・ハート・マザー」の制作を開始する半年も前(69年9月)に、ライブでオーケストラと共演してしまったスゴい作品。しかも、オーケストラ部分を聴くと、ジョン・ロードが大真面目にコンチェルトを作曲したことが判ります。「イン・ロック」制作時にリッチー・ブラックモアが ”一度でいいから、オレの言う通りやらせてくれ”と言った話は有名です。おそらくはジョン・ロードにとっての「オレにやらせてくれ」作品です。しかも、グループ加入直後に付き合わされたイアン・ギラン、ロジャー・グローバーは何を感じたでしょう。

    レッド・ツェッペリンが一貫して古いブルーズを根幹に持っていたことと比べて、ディープ・パープルの音楽背景は多彩、というか複雑です。ブリティッシュ・ビート、ジャズ、クラシック、トラッドの要素を各メンバーが持っています。ここで初演の「チャイルド・イン・タイム」がイッツ・ア・ビューティフル・デイの「ボンベイ・コーリング」の改作であることは、彼らのユーザーであれば知っていることです。ところがコンチェルトのバンド演奏には、そうした「泣き」の部分があまりありません。ひたすらリッチーの弾きまくるパート、ロードの弾きまくるパートがあり、「イン・ロック」のスピード感の布石になっている気がします。

    イアン・ギランの安定した音程は、さすがです。彼らの代表作品とは呼べないまでも、「イン・ロック」制作背景として興味深い録音です。

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     2013/08/11

    ユーライア・ヒープがライブ向きのバンドかと言われるとなかなか難しいところです。何より繊細なスタジオ・ワークと脅迫的なコーラスに特徴のあるグループなので、その部分を会場で忠実に再現…というわけにはいきません。けれども、若干の細かいニュアンスをそぎ落としたロックンロールとして、ヒープの別の魅力を物語るライブではあります。特に感心してしまうのがゲイリー・セインの、メロディを弾きながら巨大なベースの音です。セインのベースとミック・ボックスのシンプルなギター・リフがユニゾンで迫ってくるところはなかなかの迫力です。Disc1で言えば、冒頭の1. Sunrise 、2. Sweet Lorraineや、4. Easy Livin’ 、7. Tears In My Eyes という短い曲にエネルギーを感じます。

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     2013/08/11

    レズリー・ウエストは間違いなくヘビーロック史で落とせないギタリスト(しかも現役)であるのに、マウンテンの印象を一言で言え、と問いかけられれば苦労します。古い言葉でアート・ロックという名のとおりのテーマの文学性。フェリックス・パパラルディの粒立ちのはっきりしたベース、メロディライン。ヘビーロックなのに彩りあるピアノ。時折先祖がえりしてしまうロックンロール。これらのイメージが拡散していて、自分はなかなかマウンテンのユーザーになれませんでした。よくクリームを継承するグループと言われますが、クリームのインプロ神話を引き継いでいるわけでもありません。

    断言できるのは、米国ヘビーロックに珍しく悲観的で暗い世界を展開しているところです。クリームがよく表現していたテーマは、このままではどんどん世界が悪くなっちまう…というものでしたので、その意味では承継するグループです。ところがレズリー・ウエストのギターは泣きのギター、というよりは、ぐいぐいとバンドを引っ張っていってしまうギターです。しかもギター・メロと全体のアンサンブルが麻薬のような味わいを持っているのです。なかなかメロディを覚えられないけれど、クセになる重層的な音の魅力です。

    この作品は、彼らの計算したスタジオ録音と、破天荒なライブが両方収められています。ZZトップの「ファンダンゴ」も同じような構成ですけれど、勢いがあるときというものは、こうした無茶苦茶な構成でも説得力あるものです。あと蛇足ですが、我が国のフォークってこのバンドのメロディの作り方の影響をとても受けていると思うんです。吉田拓郎好きな人は5. Pride And Passion を懐かしく思える気がします。

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