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chopin etude さんのレビュー一覧 

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     2012/10/13

    ●日本のピアノ学習者、教師が「模範演奏」、「参考演奏」として聴くときに必要で大切な要素がすべて備わっている、唯一無二・最高の音源です。また鑑賞用としても世界最高水準です。
    世界的大ピアニストもふくめて数あるこの曲集のCDがあるなかで、ピアノ教師として何か1枚おすすめを挙げるとすれば、まよわずこの演奏でしょう。私は30種類ほどの同曲CDを聴き比べてきたピアノ教師です。

    ●おすすめの理由
    ・きわめて正確なタッチ、明確なアーティキュレーション
    ・標準的なテンポ設定
    ・装飾音の入れ方は現代日本の学習者にとって標準的で余計なものが無い
    ・適切で現代的なペダル使用も適所にある
    ・大ピアニストにありがちな個人の癖や個性的表現の主張が無く、あくまでもニュートラル
    ・芸術的、主観的な解釈よりも、ピアノ学習者に必要な到達目標がはっきりとわかるように、客観的に冷静にきわめて高い安定度をもって演奏されている
    ・バロック時代様式を学究的に表現したものではなく、現代日本ピアノ教育界で主流の最も標準的な奏法
    ・そのような「模範的」な要素を高いレヴェルで備えた演奏録音は他には無い
    ・曲により2人のピアニストが演奏しており、いずれも最高水準の演奏
    ・使用楽器、録音もすばらしい
    ・教則用CD演奏にありがちな、無味乾燥さは無く、鑑賞用としても最高の演奏録音

    ●留意事項
    ・全音版楽譜は数種類あるが、これはチェルニー校訂の古くからある版を使用したとされる
    ・他の各種の版とは異なるチェルニー校訂版に特有の「音違い」がいくつかあり、この演奏はチェルニー校訂の全音版にしたがって(当然演奏者はそういった他の版との違いも熟知した上であえてこの楽譜どおりの音で)演奏されている
    ・一部装飾音の入れ方が他の版とは違う箇所(たとえば第1番のトリルがモルデントになっている、など)もあり、演奏も基本的にはこの楽譜の記載にしたがっている
    ・インヴェンション11番のみチェルニー校訂版や他の各種の版に指定のモルデントの数箇所が何故かトリルで演奏されているが、理由は不明
    ・チェルニー校訂版にみられる現代にはそぐわない強弱変化や不適切と思われるアーティキュレーション、明らかに不適当なテンポ指定などはこの演奏に反映されておらず、現実のピアノ教育現場にふさわしい標準的解釈により演奏されている

    ●各曲の演奏者(曲により分担して収録)
    渚智佳・・・インヴェンション1〜8、シンフォニア9〜15
    藤原亜美・・・・インヴェンション9〜15、シンフォニア1〜8

    ●メーカー、プロデューサー、企画・製作者さまへの提案
    ・この2人の演奏はいずれも同曲のなかでも最高なので、分担ではなく2人がそれぞれ全曲演奏したものを同曲比較できるとよいですね。たとえばインヴェンションのみ全15曲を2人の演奏で1枚に収録、シンフォニアも同様に1枚、というような企画を是非実現していただきたいです。
    ・チェルニー校訂版は現代ではピアノ教育界では主流ではありませんので、今後再録の場合は現代主流の版(全音であればベーレンライターや市田校訂版など)による演奏を期待します。
    ・すばらしい録音ですので、是非ジャケットに、使用楽器、録音年月日・場所、製作者などの記載がほしいですね。

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     2012/01/29

    一度、小林という存在・年齢・経歴・評価などを忘れて聴いてみてほしい。演奏・録音ともに古今東西のなかでも超一級品で、CDは歴代東芝EMI最高の出来と確信した。特にファンという訳でもなかったが、このピアニストはライヴでもたびたび聴いてきて、CDでも期待して聴いた。特にベートーヴェン作品では十全に演奏の真価をとらえている。CD作りのための録音セッションでは、たいがいが製品としての完成度を求めるがあまりに多くのテイクを重ね、制作スタッフによる音作りや編集によって出来上がるが、その結果、演奏自体が本来持っているはずの音楽的な持続感、生命力、インスピレーションなどといった重要なものが死んでしまっていることが多いのだ。おそらくはこのセッションでも録り直しを重ねたのかもしれないが、音楽としての力が全く死んでいないことに驚かされる。その理由は第一にこのピアニストの驚異的な容量の大きさであろうことは疑いなく、いつでも新鮮に常に全身から溢れる強烈な音楽力が聴く者に真に迫ってくるが、録音セッションにおいても全くそれが失われていないということが驚嘆に値するのである。姿や存在を忘れ目を閉じて聴くと演奏家の自己主張は遠のき、ひたすらに作品そのもののエネルギーが自然に、しかし強烈に伝わってくる。技術的なことや完成度をどうこうというレヴェルははるかに超えてしまっており、きわめて謙虚で誠実な作品への研究をすでに昇華して、音楽の化身となっている。それは巨匠ピアニストにしか成しえないものだ。そういった見事な音楽をあまさず捉えた録音スタッフ、企画にも最高の賛辞を贈りたい。
    演奏・録音ともに最高だが使用楽器の音作りは最近のスタインウェイの流行で好みが分かれるがソフトすぎる整音だと思う。先発のデヴュー盤のピアノの音のほうが硬質な魅力があった。「子供の情景」では演奏にまだ迷いがあるかもしれないので後年に期待したい。
    比較してしまうと申し訳ないが、ここでのベートーヴェン演奏のすばらしさは、シュナーベル、ケンプ、アラウ、リヒテル、ギレリスなどの大ピアニストにもその感銘度は匹敵するほどのものだ。

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     2011/11/28

    現代のショパン・エチュード全曲録音の決定的名演!!
    驚異的完成度の高さ。若いピアノ学習者にとってもひとつの模範的到達点といってよい。技術的レヴェルは間違いなく世界最高峰。女性らしい細めの音色だが抜群のスピード感。中国のユジャ・ワンとも並ぶだろう。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/11/28

    決定的名盤がSACDでよみがえる。これを知ってしまったら他は聴けない!
    即興性あふれる躍動するリズム、色彩感いっぱいの魔法のようなタッチ。縦横無尽、自由自在。

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     2011/05/10

    まさに理想の「お手本」的名演の決定盤。
    このアルバムに収録されている15の練習曲は世界的にみてもとくに大きな価値がある。
    教則用として演奏・録音された一連のシリーズは別として、ピアニストのほとんどはエチュードといえども演奏に少なからず演奏者の個性や自己の独自の解釈を主張するものだ。
    ところが、このディスクでの演奏は、そのようなピアニスト個人の主張はみられず、実にニュートラルで誠実きわまりないものであり、その姿に敬服させられるのである。技術的にもきわめて優秀・安定したものでありながら、そこには誇張や色づけなどは一切なく、ひたすらに客観的に練習曲を練習曲たるべく再現してみせようとする。教師による模範的演奏といってよいだろう。そういった姿勢に徹した演奏でこれほどの完成度をもった録音は他の曲においても類をみない。
    この優秀なピアニストによる次のようなエチュード全曲録音をメーカーに強く期待したい。
    ショパン、リスト、ドビュッシー、クレメンティ、ツェルニー

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