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0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2018/09/02
イントロの不穏なストリングスの音色。 歌いだしの”憂鬱だった”の言葉。 これだけでこの曲の持つ陰のエネルギーの存在感を感じるだろう。 繰り返す日常に対する不安。 どうしようもできない苛立ちと葛藤。 メロの部分はこの陰の部分がかなり前面に出ているのだが、サビになると一転して明るさを感じさせる。 とはいえ、純粋な明るさとは一味違う。 言うならば、どんな嵐でも走り続ければ超えられるというどこか吹っ切れたような推進力と躍動感を示したような輝き。 もっと言えば、泥臭い美しさという感じだろうか。 これを聴くと、この歌が悲しい歌ではないことに気づくだろう。 どんなに上手くいかないことがあっても、それに向き合って進もうとする姿の美しさ。 自分自身の辛い状況を描いた詩に共感しつつ、聴き手がどこか客観的に詩を見つめることで微かな光を魅せる名曲だ。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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彼らの音楽を一言で言い表すのは難しいかもしれない。 巧みでフックの効いたアレンジ構成 心地良いダンサブルなリズム 耳馴染みが良く、どこか懐かしいメロディ 先行配信された1stシングル「Stay in Me」はまさにそんな様々な良さを凝縮した珠玉の一曲だった。 そんな彼らが放つ渾身の1stアルバム「Down the Hatch」。 ここには上記の良さはそのままに、楽曲の幅を広げた楽曲達があった。 目の前がパッと開けるような軽快で爽快な「Camelot」に始まり、独特の浮遊感と幻想感をエレクトロな音色で描く「Our innocence」、陰のあるメロディとピアノ音色の心地良い距離感に思わず惹きこまれてしまう「that blu tone」。 ここまでは全て日本語詩だったが、続く「halfway」、「Hermit」、「As I Walk」、「where the light is」と全英語詩の楽曲が並び、日本語詩とはまた違った響きの世界を繰り広げるのも面白い。 特に「where the light is」のダンサブルさは随一で、言葉の響きの良さとグルーヴ感に何度も魅了されてしまう。 ここから日本語詩に戻り、深い広がりを持った「Nowhere on my Mind」、陰を持ちながらもどこか希望の見える「A.B.H.」と、全10曲の中で本当にたくさんの音風景を見せてくれる。 Down the Hatchの名刺代わりの名盤だ。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。 2018/09/02
SunSet Swishが遂に帰ってきた。 Swish!に改名で心機一転。 ボーカルの大介さんがサラリーマンを続けながらのリリースということもあり、”サラリーマンエンターテイメント”を詰め込んだミニアルバムという形でリリースしてきた。 この変化は果たして良いものか悪いものか。 少し不安も感じながら再生ボタンを押してみたが、そんな不安の必要は全く無かった。 始まりの「君がまだ知らないから逆にいい」を聴いて、SunSet Swishが帰ってきたなという想いと共に、良い音楽だなというシンプルな想いがやって来た。 歌詞ではサラリーマンならではの視点を描きつつ、そこに片想いのもどかしさを重ねているのがなんとも愛おしい。 続く「フルタイムスマイラー」では小気味良いリズムと言葉の組み合わせで魅せてくれたかと思えば、名バラード「魔法のパスタ」を染みるように聴かせてくれる。 「魔法のパスタ」は既にCMソングとしてもO.A.されている時から圧倒的名曲だと思っていたが、こうしてフルで聴いてみるとまた込み上げてくるものがある。 君と過ごす生活の中であった悲しいことや楽しいこと。 そのいろんな場面で違う表情を見せる君のパスタがあったことを思い出し、いつも支えられていたこと、そしてこれからも支えていきたいという想う。 その歌詞をSwish!らしい美しいメロディと大介さんの伸びやかで真っ直ぐな歌声で聴かせてくれる。 これが彼らの”歌”だなと改めて感じた。 電子音が印象的な「サントワマミー」の心地良いテンポと少しの浮遊感に、「モテない同盟」の爽快感も最高なのだが、「世界一の夏」の少し陰のあるメロディと音色の世界も注目したい。 イントロの雰囲気から漂う悲しい雰囲気。 ここからは、あのとき手を離してしまった君とのことを嘆いている様子が伝わってくるのだが、また君のために歌いたいというサビの想いを聴いていると不思議と温かい気持ちになってくる。 それは、活動休止を経て、Swish!として再開した今の彼ら自身にも繋がる言葉だからなのかもしれない。 Swish!としての初の音源。 名刺代わりの一枚であると同時に、間違いなく名盤といえる一枚だ。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。
反戦。 「遠雷」という楽曲にはこの大きなテーマが隠れている。 とはいえ、言葉として”反戦”やそれを直接連想させる言葉は無い。 並んでいるのは普遍的な言葉ばかりだ。 傷つけあいたくない。 離れ離れになりたくない。 景色や空の色の愛おしさ。 今ここにある幸せの尊さ。 でもこれらが一つのきっかけで壊れてしまうことの怖さが、詩の奥に潜んでいる。 その言葉を響かせる凛とした歌声を聴いていると、その奥に秘められた感情までもが伝わってきて、自然と惹きこまれてしまっている。 それほどまでにこの楽曲が持つ普遍的な大きなテーマは、聴く人の心を揺さぶってくる。 特に最後のサビの盛り上がり方からAメロに戻る展開にはグッときってしまうだろう。 また、続く「風鈴の音色」という楽曲も注目してもらいたい。 こちらも戦争の陰が潜んでいるのだが、見えるのは回想と弔い。 戦争によって失われた景色とそこに生きていた人達の想いを、風に揺れる風鈴の姿から想像させる。 歌い方によってはとても悲しい歌にもなりそうだが、村上さんの真っ直ぐな歌い方で響かせると、情景と感情を静かに見せてくれるのが印象的だ。 今回のミニアルバムはそれぞれの楽曲が非常に個性的かつ存在感のある楽曲で、聴きごたえのある一枚になっている。 ここでは2曲を中心に取り上げたが、一曲ごとに見せる表情に惹きこまれてしまうだろう。
このCD「あまんちゅ!盤」と「さくら盤」という2種類のパッケージがある。 両A面のそれぞれがアニメのタイアップとなっていて、どちらが先にあるかの差(正確にはカップリング曲も違う)なのだが、「あまんちゅ!盤」をここでは取り上げたい。 というのも、「Crosswalk」がとんでもない名曲だからだ。 始まりの静かなメロが映し出す日常。 でも少しだけアンニュイな気持ちが見え隠れしていることに気づく。 一緒にいるからこその楽しさと、一緒にいるからこそ離れることの寂しさ。 明日も明後日も一緒にいたい。 そんな真っ直ぐな想いと願いをぶつけるサビは圧巻。 感情を高ぶらせて歌いあげる声、メロディの進行、切なさと壮大さをストリングスの音色が相まって、とんでもなくエモーショナルな仕上がりになっている。 これだけでも十分なほど素晴らしいのだが、感情の高まりは最後のサビで最高潮に達し、聴き手の心を最後の最後まで揺さぶってくるのがまた素晴らしい。 ここまで「Crosswalk」について熱く語ってしまっているが、「リワインド」も忘れてはいけない。 こちらも青春感のある楽曲だが、もっとキラキラした印象が強い。 デジタルな音色に可愛らしい歌い方。 コーラスの入り方もどこか夢のような浮遊感があり、聴いていると夢見心地になるよう。 「Crosswalk」と「リワインド」。 それぞれタイプは違うが、彼女の持つ魅力を存分に感じることができる一枚だ。
音楽×アニメ。 今回三浦さんが原作を担当した短編アニメーション「何色の何」。 その挿入歌を収録したのが今作だ。 楽曲の話をする前に、アニメのほうの話をしてみよう。 絵描きの”かなた”と、その絵を好きだと言ってくれた”遥”。 互いに好きな気持ちを持っていたものの、その方向が少しずつずれていき、最後には離れていってしまう。 その物語を支えつつ、色を与えてくれるのが空想委員会の音楽だ。 原作も楽曲も作成しているだけのことはあり、その親和性の高さは圧倒的。 この流れでこういう音楽が来て欲しいというところを的確についていのが印象的だった。 ここで改めてEP作品の「何色の何」を聴いてみると、不思議なことにアニメで観た情景が鮮明に映し出されてくる。 先にアニメを観たからということも少なからず影響はしているものの、実のところそれ以上の情景が浮かんでくる感じだ。 「宛先不明と再配達」はその最たるもので、柔らかなギターの音色から始まり、一つ一つの言葉を丁寧にメロディに乗せていく。 その言葉には”ありがとう”と”ごめんなさい”が混在していて、ずっと迷い、さ迷いながら生きているのだけど、それらを含めて君に想いを届けたいという真っ直ぐな気持ちへ行き着くのが心地良く響く。 同じく挿入歌である「マイヒーロー」は、少しだけ内向きの感情が前に出ている。 君の存在が強く輝いていることで、自分が相対的に弱い存在であるように思い込んでしまっている。 それでもその輝きに魅せられて、少しずつ強く生きていこうとする姿を描いていて、優しいメロディと歌声が全てを包み込んでくれるのを聴くと、どうしてもグッときてしまう。 挿入歌として使われているのはこの2曲だけなのだが、残りの2曲も物語を彩っている。 「ベクトル」は二人の日々の断片と感情の揺れ動きが表現された、ドラマ性と疾走感を持った格好良い楽曲。 明確にその言葉は出てきてはいないが、アニメ本編で何度も出てくる「何色の何?」という言葉が二人を繋ぐために必要なものだったことが滲むように伝わってくる。 「エール」は”遥”の気持ちを体現したような楽曲。 一番近くにいるからこそわかる負の感情に対して、何かをしてあげたいという真っ直ぐな想いと、本当に届いているのか不安になる想いが溶け合わずに渦を巻いている。 それでも絶対届くはずだと純粋に前を向こうとする姿には、格好良さと強さを感じさせてくれる。 曲順で言えばこの後に「マイヒーロー」が続くので、このマイヒーローというのは”かなた”に対する”遥”のことだとわかる。 こういう気付きが生まれるのは、アニメと音楽の融合という中で、最高の形ではないだろうか。 音楽を届けるために生まれたアニメが、音楽を更に彩っていく。 空想委員会が仕掛けたこのプロジェクトの素晴らしさを是非感じてみて欲しい。
熱量と格好良さ。 聴いた瞬間から別格だった。 FUNKISTと二人目のジャイアンという生粋のライブバンドがタッグを組んだ今回の作品。 ”Get a TOP OF THE WORLD” 歌いだしから彼らがタッグを組んだ意味を全力でぶつけてくる。 両バンドともメロディの良さは折り紙つきで、そこにFUNKISTと泥臭さと繊細さ、二人目のジャイアンの華やかさと躍動感が加わることで、唯一無二の楽曲に仕上がっている。 元々この楽曲メインのシングルとしてリリースする予定だったようだが、思っていた以上に良い楽曲が生まれたということでミニアルバムになったこともあり、他の楽曲も非常に聴き応えがある。 ホーンの音色が残す余韻が心地良い名バラード「#君に届け」に、それぞれのバンドが音色の世界でバトルを繰り広げるような焦燥感と躍動感を持ったインスト曲「Asian Sunrise」。 わずか2分ちょっとの時間に彼らの魅力をギュッと詰め込んだ華やかな「Never Give Up」に、少し力を抜いたようなゆるさの中でも魅せるところは魅せる「オシャダンのテーマ」。 個性と個性がぶつかりあうことでできた名盤。 充実すぎる内容で、もっと聴きたいと思わせてくれるほどの一枚だ。
「大旋風」、「花鳥風月」の衝撃。 このシングル2曲は、これまでの彼らのイメージを大きく変えた。 この流れでリリースされたのが今回のアルバム。 どんな内容になるか気になって聴いてみると、そこにあったのは王道のポップスの数々だ。 「トライアゲイン」という非常に爽やかで綺麗なポップナンバーに始まり、ちょっと懐かしさを含んだフックのあるメロディの「恋愛定規」へと続き、ここで早くも「花鳥風月」の登場。 凛とした空気感を漂わせながら、壮大な音色と大地に根付くような力強い歌声がその真ん中を突き抜けていく名曲。 アルバムの最後に置いてもおかしくないくらいの壮大さを持ち合わせているだけに、曲順を見た時はこの位置ではどうなのだろうとも思ったが、聴いてみるとここしかないだろうというくらい秀逸な掴みの3曲となっており、これを聴いたら最後まで耳を傾けないわけにはいかない。 ここからはよりポップな楽曲が並ぶ。 「バードマン」、「ごらんください」の心地良いナンバーをはじめ、思わず体が動き出してしまいそうなリズムとテンポが引っ張る「ホップステップジャンプ」、童謡のような耳なじみの良さを持った「どろぼう猫」に、次々と動物たちが出てくる愛くるしい「気球にのって」。 「大旋風」のような格好良いバンドサウンドで疾走するナンバーや、綴られた言葉が魅せる心情描写と繊細なメロディが耳に残る「僕に足りないものは」のような上質なバラードナンバーが入ることで、相互に楽曲の良さを引き立てあっているのも非常に良い。 これぞ王道のポップス。 その中にコアラモード.らしさを詰め込んだ珠玉の一枚。
イントロの音色を聴いたとき、すごく王道のポップさを持った楽曲だなと感じた。 そのポップさを保ったまますごく爽やかな雰囲気も漂わせながら進行していくのだが、よく歌詞を聴いてみると、”悲しいメロディ”であったり”最悪で最高の彼女”といった意味深な言葉が次々と出てくる。 その陰の部分はサビのマイナー調への展開と繋がっていく。 ここまでの爽やかさとは違い、少しの妖艶さを持っているのだが、真ん中を行くメロディがとても綺麗なため、不思議な心地良さを感じながら聴く人の心を一気に掴んでいく。 この展開がとても絶妙だし最高だ。 王道のポップももちろん素晴らしいのだが、この楽曲のようにどこか少し歪んでいるからこそより活きるポップさ。 それが人を惹きつける名曲。
「歓声前夜」 すごく印象的なタイトルだ。 歓声が起こる前の夜。 このアルバムはまさにそのタイトルの通りで、これから歓声を起こすための一歩を踏み出す言葉が数多く並んでいる。 「ふがいない夜こそ」の”不甲斐ない夜こそ本当は出口だ”に始まり、あなたの声を聴かせてと歌う「虹」に、今できることを躊躇わないでと歌う「閃光」。 始まりのこの3曲を聴けばその意味がわかるのではないだろうか。 更に聴き進めると、アルバムにはもう一つの面があることに気づく。 それは”幸せ”だ。 今作ではこの”幸せ”という直球な言葉が何度も出てくる。 その中でも核となるのがその名も「シアワセ」。 静かな始まりから徐々に音と歌声の熱量が上がっていく名曲。 かなりの存在感を放つ楽曲なのだが、最近の楽曲ではないよなと思って調べてみたら、メジャー時代のシングル曲の再録とのこと。 この楽曲をあえて今持ってきたこと。 それはタイトルの通りの”幸せ”をこのアルバムを通して感じて欲しい想いがあったのかもしれない。 また、この楽曲の配置はすごく重要で、ここで高まった幸福感を持ったままシングル曲でもある「美しい日」、幸せと歓声というアルバムの中心的なテーマの楽曲「嬉しい涙」と流れていく展開は最高の言葉しか出て来ないほど素晴らしい。 最後は「全部」がこれら全ての想いを受け止めて心地良い余韻を残すのも一つ聴きどころ。 歓声への一歩と幸せ。 その大きなテーマについて、非常に熱く真摯に聴いてくれる”あなた”に歌う一枚だ。
CDに帯にはこんな言葉が書いてある。 『あらためまして、こんにちは。D.W.ニコルズです。』 今作はその言葉通り、これまでD.W.ニコルズを知らなかった人にもその良さを存分に味わってもらいたいという集大成にして原点回帰のような一枚になっている。 それは「愛に。」が収録されていることからもよくわかると思う。 D.W.ニコルズ初の全国流通盤の表題曲であり、リリースから10年経った今何故?と思ったけど、アルバムの想いを知ってすごく納得できた。 再録音した楽曲は、10年経って色褪せないばかりか、より深みと色味を持った曲に仕上がっていた。 D.W.ニコルズの歴史と今を聴かせるには、これ以上の楽曲は無いだろう。 ただこれほどの楽曲が収録されてしまうと、今の楽曲が霞んでしまうのでないかという一抹の不安もあったが、そんな不安の必要も無いくらい今の彼らの楽曲が輝いている。 例えば、アルバムのリード曲の「はるのうた」。 カントリー調の心地良いリズムに相手を想うシンプルな言葉。 それを真っ直ぐに心に届けつつも、”かなしみは風の中へ”といった自然に溶け込むような言葉を絡めることで、世界観に少しの色味と幻想を広げてくれるのが素晴らしい。 カントリー調の楽曲はアルバムの中でも印象的で、ミニアルバム「スマイル4」にも収録されていた「フォーエバー(album mix)」のオーガニックな心地良さに、「さざなみ」のタイトルどおりの寄せては返す空気感の愛おしさは一度聴けば惹きこまれてしまう。 それ以外にも、ワクワク感を持った「アドベンチャー(album ver.)」や「オーライ!」、突拍子も無い詩の展開が楽しい「肉食系男子のうた」など、D.W.ニコルズの良い所がたくさん詰まったアルバムになっている。 D.W.ニコルズ、良いな。 聴いたらそんな風に思ってしまう一枚だ。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2018/06/17
SURFACEの再始動も記憶に新しい中でリリースされた椎名慶治さんの最新アルバム。 どんな作品になるか気になっていたが、聴いてみるとやはりSURFACEでは無く、椎名さんのソロ作品なんだなと思わせてくれる。 それでいながら更に今を飛び越えていけ!という自分自身に向けたメッセージも強く感じる。 全英語詩の「R U ready 2 jump wiz me?」で”Never ever looking back”のようにわかりやすい前向きな言葉が並べたかと思えば、続く「20th century boy」は跳ねるようなリズムで前へ前へと進む意思全開の言葉とメロディで駆け抜け、「咲き誇れ」の未来感と格好良さを持ったデジタルなロックナンバーで最高に弾けていく。 でももちろんこの流れだけでは終わらせない。 もう会えない人に向けた言葉が印象的な「天国で会いましょう」に、妖艶な「SLIT」に、「凹凸」のしんみりと聴かせる極上のバラードナンバーであったり、より大人になった言葉と聴かせる歌を次々に畳み掛ける。 ここですっかり心が落ち着いてしまったが、ピアノとストリングスの音色が印象的な華やかな疾走感ナンバー「RUNNING-MAN」で再び立ち上がらせ、「君の叫びは僕に届く」の真っ直ぐで強めの言葉が聴き手の心をまた射抜いていく。 「あんたがいなけりゃよかったのに」、「点 -roots-」という今までに無い新鮮な楽曲を挟み、「5月27日」という楽曲が待っている。 この日付を見て、SURFACEのファンであればピンと来るのではないだろうか。 SURFACEのデビュー日であり、SURFCAEの再始動の日である。 歌詞を聴いていると、もう狙っているのは無いかというくらいSURFACEと、永谷さんへの想いが溢れていて、自然と込み上げてくるものがある。 間奏の入りで”ギター”と紹介と煽りを入れるのだが、気になって歌詞カードを見てみたらギター永谷喬夫と書いてあるのではないか。 しかも編曲まで永谷喬夫さんなので、ソロ楽曲ではあるがSURFACEに近い楽曲になっている。 この「5月27日」でアルバムが終わってもおかしくないのだが、最後には「メッセージ」という楽曲で”まだ終わらない”というこれからについてのメッセージを残していることで、これまでの想いとこれからへの想いが心地良く混ざり合って聴き終えられるのが非常に良い。 椎名慶治さんはまだまだ駆け抜けていく。 SURFACEとは違う椎名さんの姿を楽曲から感じてみて欲しい。
「VOICE」。 その言葉にみなさんは何を感じるだろうか。 アルバムタイトルであると同時に、リード曲でもある「Voice」。 松井さんはここに、生きてきた中で得た真実込めている。 ”それはVoice” 何度も歌われるその言葉には、辛いとき、悲しいとき、嬉しいとき、どんなときにも歌声があり、その全てが今の自分の糧となっているという想いが滲み出ている。 声の力。 それはこのアルバム全体からも感じることが出来る。 三叉路時代の名曲のセルフカバー「もっともっと 2017」のような力強い歌声、「Teen Age Story」の跳ねるようなリズムを駆け抜けていく軽快な歌声、「雲雀の謳」のような民族調の音色を聴かせる曲では少しトーンを落として神秘的な歌声を響かせるなど、歌声一つで様々な景色を聴かせてくれる。 これこそ本物の歌。 現代の人達が忘れかけている歌に是非浸ってみて欲しい。
「VENUS」の衝撃。 この楽曲の存在がアルバムにおいて非常に大きな役割を果たしている。 大橋トリオさんというと少し暗めの世界観とゆったりとした曲調の印象が強いのだが、「VENUS」はそのイメージを大きく変えた。 どことなく無機質な音のようにも感じるが、一聴きしただけで惹き込まれるような艶やかさを併せ持っている不思議な楽曲。 一度でも耳に届けば頭から離れないほどのインパクトと中毒性を持っているのだ。 これを聴いてアルバムが楽しみにならないわけがない。 このインパクトに触発され聴き進めてみると、日常を描いた歌詞に温かな色を与えるような明るい楽曲が耳に止まるだろう。 思わず動き出してしまいそうな心地良いリズムの「面白きかな人生」はその最たるものだろうか。 前向きな歌詞が前々へと押し出すような感じではなく、そばに寄り添いながら、歩くペースよりも少しだけ早いテンポで進行する感じで、聴いているうちにいつのまにか前向きな気持ちにさせてくれる。 ここから「SHE」、「双子の約束」と、温かさと自然を感じるような楽曲が並んでいるところは、ずっと心地良い気持ちをもったま聴くことができるのが非常に良い。 こういう楽曲があることで、「birth」や「スノーマン」のような深い世界観の楽曲が引き立ち、それぞれの良さをより感じることが出来るのも聴きどころ。 10周年という活動を経て、更に磨きの掛かった大橋トリオの世界観。 以前からのファンはもちろん、聴いたことが無かったという人にも非常に触れやすい一枚だ。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。 2018/06/17
初めてシングルが1曲も入っていないアルバム。 それは初めての曲がたくさん聴ける楽しみでもあるが、内容がわからないだけに少しばかりの不安もあったわけだが、その不安の必要は全く無かった。 今作も前作「アスナロウ」同様に攻めてきていることがわかるアルバム。 「たかが100年の」のようなAqua Timezらしいロックナンバーもあれば、美しいメロディが印象的な「未来少女」に、「タイムマシン」のような繊細なバラードもあれば、ヒップホップやファンクの楽曲も揃えるなど、とにかく聴いていて楽しく、聴き進めるほどに驚きを味わえるアルバムになっている。 このように音の方面から聴いている限りでは楽しい楽曲だらけなのだが、歌詞を注目して聴いてみると意外なことに気づくだろう。 これまでの道を振り返って今を噛み締めているようなものが多いこことに。 特にインタールードの「陽炎」以降の楽曲、「+1」、「愛へ」、「タイムマシン」、「last dance」にはAqua Timezからのメッセージのようなしみじみと聴かせる言葉並んでいて、気づけばその言葉一つ一つを耳で辿ってしまうほど深い想いを感じた。 当初はその想いの背景が何かわからなかったのだが、5/8に発表された解散があったのだろうと思うと、より込み上げてくるものがある。 ”次に会えた時も”(「愛へ」) ”いつかの明日に死んでしまう僕らに”(「タイムマシン」) 「last dance」のサビで叫ぶように歌い上げる”またどこかで逢えると言って”。 最後のアルバムになるかはわからないが、そのくらい今の想いを出し切ったアルバム。 その想いを感じてみて欲しい。
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