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ニシヤン さんのレビュー一覧 

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     2017/02/06

    ホッター氏最後の来日公演頃のウィーンでの貴重なスタジオ録音の中の第1集、当時東京のリサイタルでこのCDの中にあるシュ−ベルトの「白鳥の歌」が何曲か歌われた。特に「愛の便り」「鳩の使い」「影法師」などは、ホッターの歌っている時の表情まで、鮮烈に記憶している。第2集と異なり、これはLP盤を買いそびれてしまったので、長年手に入れたかったCDだった。DECCA社に感謝!

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     2016/11/25

    ホッター氏最後の来日公演頃のウィーンでの貴重なスタジオ録音、当時東京のリサイタルでこのCDの中にあるシュ−ベルトの「白鳥の歌」が何曲か歌われた。特に「愛の便り」「鳩の使い」「影法師」などは、ホッターの歌っている時の表情まで、鮮烈に記憶している。LP盤では半分しか所有していなかったので(当時は第1集第2集と分冊で発売された)、ずっとCD化を待ち望んでいた。この中の何曲
    はホッター自身が以前に録音したものも含まれていて、その中のいくつかはCD化されている。壮年期の録音と聴き比べるのもまた楽しいです。

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     2016/11/25

    1969年ホッター東京リサイタル(リーダーアーベンント)の貴重な記録!SACD化があまり生かされていないという声もありましたが、録音状態よりも、この録音が残っていること自体が重要!唯一問題があるとすれば伴奏者のレベルがもう一つ、伴奏にミスがかなりある。
    余談ですが、ホッターの「冬の旅」はこの録音の後1982年、オーストリアでのライブがNHKFMで放送されました。当時ホッター73歳、勿論市販はされていませんが、73歳とは思えない歌唱です。(ペーターシュライヤーがキャンセルした代役だったそうですが)、これも出来ればCD化してほしいです。もう1枚のドイツリートの夕べは、CDではなかなか発売されなかった録音(ソニーは「冬の旅」だけを何度も再発した)、ずっと以前LPレコードでその断片だけ聴いた記憶があります。これも「冬の旅」と同様貴重な記録!

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     2014/09/13

    あまりにも貴重な録音盤だ。ハスキルの、今まで聴いたことの無いレパ−トリ−も素晴らしいが、それにも増して、リパッティの肉声が聴けるのが何よりだ。インタビュ−の内容の詳細は、「ディヌ・リパッティ 伝説の天才ピアニスト−夭折の生涯と音楽」畠山睦雄著(ショパン出版)に、詳細が載っているので参照してください。新しいレパ−トリ−の練習方法や、ライブ盤のあるモ−ツァルトのピアノ協奏曲のカデンツアについてや、他の作曲家の作品についてなど、彼の肉声を聴けたこと以上に、彼から貴重な示唆を受けることが出来ます。彼が名ピアニストで名教師でもあったことが、よく分かります。興味深いのは、彼が好きな作品が、バッハのコラ−ルやシチア−ノなどの、比較的技術的には難しくない作品ということです。以前、吉田秀和氏が、リパッティのピアノはレガ−ト奏法に素晴らしさがあると、書いていましたが、これらの作品が彼のピアノ語法にぴったり合っていることが、彼のインタビュ−でよく分かりました。勿論バルト−クのピアノ協奏曲も、きわめて貴重な録音です。ワルタ−・レッゲの回想記によると、同曲はスタジオ録音計画に入っていながら、彼の病状悪化のために中止となったものです。ライブ録音が残っていたのは幸運でした。録音も当時としては(ライブとしても)そんなに悪くないです。バルト−クが同曲を作曲したのは1945年、彼の死の年でした。その後すぐに、リパッティがこの曲に注目したのは、彼らが同じ病気(白血病)だったからでしょうか。《リパッティは実際は悪性リンパ腫だった》この録音でも、彼の完璧なピアノ技巧と、素晴らしい解釈に感動します。最後にリパッティのフランス語ですが、このインタビュ−をフランス語の堪能なベルギ−人に聴いてもらいました。何と彼のフランス語には、ル−マニア語訛りがあるそうです。文章表現は申し分ないそうですが、外国語の発音は誰にとっても難しいのですね。フランス語がまったく出来ない私は少し驚いた次第です。余談ですが紹介しました。

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     2012/06/02

    すぐれたスタジオ録音と記念碑的なライブは数多くある、この演奏のザルツブルグ音楽祭でのライブ盤でも触れたが、たとえばフルトヴェングラ−の「運命」「英雄」シュ−ベルトの「グレイト」、リパッティのジュネ−ブでのスタジオ録音とブザンソンのライブ等々、各々が補完するような形での、巨匠たちの遺産を聴くことの出来ることは大きな喜びである。1967年、ブラ-ムスの協奏曲をスタジオ録音したバックハウスは、その後もこの曲をコンサ-トで弾き続け、翌年のザルツブルグ音楽祭でベ−ムとの共演であのライブ録音のすばらしい演奏を残してくれたのである。従来我々が知りえたところでは、青年バックハウスがブラ-ムスと共演した指揮者のハンス・リヒタ−から、この曲の解釈を習ったそうであったが、実はバックハウスが少年時、ライプツィッヒで作曲者自身の演奏を聴き、そのとき作曲者から励まされたとライブ盤の解説に書かれてあった。作曲者直伝の記録としても、きわめて貴重である。勿論演奏そのものの素晴らしさは云うまでもない。この曲の終楽章などは、無骨なバックハウスからユ−モアさえ感じられる。今後も未来に受け継がれる名演の記録に違いない。蛇足ではあるが、作曲家直伝の演奏家を幾つか紹介しておきます。ラヴェル=ペルルミュテ−ル、バルト−ク=シャ−ンド−ル(存命?)プロコイエフ=リヒテル、少し古い例では、マ−ラ−=ワルタ−、リスト=エミ−ル・フォンザウア−、これくらいにします。

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     2011/10/30

    ピヒト・アクセンフェルト女史のシュ−ベルトのソナタの生演奏は、大阪で
    聴くことが出来た。彼女は変ロ長調のソナタはスタジオ録音を残してくれていたが、このイ長調の曲は残念ながらスタジオ録音せずに他界した。女史が亡くなったとき、実演で聴いた多くの曲がスタジオ録音されていないことがとても残念だったが、特にこのソナタは大阪のライブも素晴らしい出来で、ワクワクしながら聴いたことを覚えている。今回草津での素晴らしいライブがCD化されたことは、ファンの一人としてとても喜ばしい。勿論もモ−ツァルトのソナタも名演である。アクセンフェルト女史と井上直幸氏師弟のライブ録音で未発表のものが他にもあれば、一曲でも多くCD化されることを望む。お二人とも死後の方が評価が高まったのは、日本ではいかに多くのリスナ−が本物を見抜けないかということでもあろう。

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     2011/01/15

    このCDは昨年末に購入しましたが、実演を聴いてからレビュ−を書くつもりでいました。1月15日に滋賀県のびわ湖ホ−ルでのリサイタルで、「ワルトシュタイン」ソナタの実演に接することが出来ました。CDでもそうですが、アリスの「ワルトシュタイン」は、一見繊細とも見える表現ですが、彼女のチャイコフスキ−の協奏曲と同様、彼女の演奏はピアノの技巧を感じさせない、素晴らしい音楽のみが聞こえてくるのみだ。さらにCDでカップリングされている第3番ハ長調の演奏と、「ワルトシュタイン」ではあきらかに演奏スタイルが違う。それは彼女自身が指摘しているように、第3番ハ長調はハイリゲンシュタットの遺書を書く前の作品で、青春の輝きあふれる演奏、「ワルトシュタイン」と方向性が明らかに違うのも、彼女の作品解釈に関する深い読みが見受けられます。彼女はまだ、20代の前半にもかかわらず、その作品解釈は、大家の域に近づきつつある。これこそ驚嘆すべきだが、彼女の演奏は聴衆を驚かすのではなく、幸せにするものだとつくずつ思う。それからアンコ−ルで弾かれた「エリ−ゼのために」もCD同様とても音楽的な名演奏だ。
     それとこれは余談だが、彼女の名演を聴いて、以前実演に接した現在大家といわれるイタリアのピアニストの、「ワルトシュタイン」や「月光ソナタ」のなんとも面白くない演奏を思い出した。このピアニストが若い頃に録音したベ−ト−ヴェンの後期の5曲のピアノソナタがとても、名演奏だったのに、中期の傑作があんな不出来だったのは何故か、いまだにその答えは出ていない。

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     2010/10/24

    リパッティの1950年ジュネ−ヴでのスタジオ録音のうち、ショパンのワルツ集は亡父の所有していた日本コロンビア(当時)のLPを、盤がすり切れるほど聴いた。後に東芝(EMI)から出たLP、CDとずっとこの名盤を聴き続けてきたが、今回の初期LPの復刻は、とりわけピアノの高音部の輝かしさがよみがえり、現役盤の音質よりはかなり良いと思う。反対にバッハやモ−ツァルトは、東芝(EMI)のLPで聴き初めたので、ショパンのワルツ集のように、初期LP盤と比較できないのが残念である。ところでこのCD演奏評についてはもう多くを語らない。リパッティのスタジオ録音の全てが、我々人類最高の文化遺産の1つだということ、ワルタ−・レッゲが云うように、「リパッティのようなピアニストはもう二度と出ないだろう」それとあと一言、「彼の悲劇的な生涯に対しての憐憫等はそろそろやめようではないか。彼の残した名演奏そのものに注目することが、もっとも大事なことではないのだろうか」これは師の一人であるナディア・ブ−ランジェの言葉です。 

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     2010/10/09

    今年の9月に、バックハウスのモ−ツァルトとブラ−ムスのピアノ協奏曲のライブ録音を聴いて感動したが、このライブも極め付きだ。ピアノがベ−ゼンドルファ−でないため、最初は少し違和感があったが、曲が進むにつれてそんなものはどこかへ消えてしまった。いずれも彼が好んで弾くベ−ト−ヴェンのソナタであるし、どの曲も一見淡々と進んでいくように聞こえるが、これこそ彼が到達した境地であろう。しかしながら、ブラ−ムスの協奏曲でも述べたように、これらの演奏は決して枯淡の域ではない。演奏そのものが若いし、彼自身3ヵ月後に人生の終末が来るなどとは、思ってもいなかっただろう。彼の最後の演奏会で、誰もが聴けなかった18番の第4楽章が、ここでは華やかに演奏されているし、15番は彼自身がこの曲を演奏して楽しんでいるようだ。細かいところで少しミスはあるにしても、豪放な演奏のワルトシュタイン、そして、いちばん気に入ったのは30番だ。まだ10代の頃、この曲を初めて聴いたのがバックハウスのモノ-ラルLPレコ−ドだったせいもあるが。 

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     2010/09/23

    この演奏を初めて聴いたのは、東芝(EMI)の1枚物のLPで、ショパンのワルツ集と余白にシュ−ベルトの2曲の即興曲が入っていました。最初に聴いた印象は、かなり以前のライブだからまあこの音質で仕方がないなというものでした。それはCD化されてからも同じでした。特にショパンのワルツは彼の当日の健康状態の悪化が時に演奏にも現れ、痛ましい気持ちで繰り返して聴く気にはならなかったです。しかし今回のオ−パス盤を聴いてかなり当時と印象が変わりました。まず音質が明瞭になりとても聴きやすくなったことと、音楽そのものが躍動している、同年7月のジュネ−ブのスタジオ録音に比べて、彼がさらに良きところに達しようとしているのが分かりました。今頃になってやっとこのライブの本当の良さが分かった次第です。それにしても感動的な演奏で、後半演奏に少し乱れはあるものの、彼の音楽は気高く、そしてあんなに重病人だったのにそれが演奏解釈には全く現れていない。やはりこのライブは20世紀ピアノ演奏の貴重な遺産の1つだと思います。それと彼のグリ−グのピアノ協奏曲でもそうだが、当時の録音スタッフはいい加減な仕事はしていないということです。アナログマスタ−テ−プが、長い年月でどんどん劣化していく中で、優れた演奏をいかに最良の状態で保存するのかも、我々の世代の今後の課題だと思います。

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     2010/09/04

    優れたスタジオ録音と記念碑的なライブ録音の組み合わせは、他にも幾つかある。たとえばフルトヴェングラ−の1947年のライブと1954年のウィ−ンでのスタジオ録音の「運命」とか、「英雄」(ウラニアのエロイカ、1952年のスタジオ録音)、シュ−ベルトの「グレイト」もそうだ、リパッティの1950年のスタジオ録音とブザンソンのリサイタル、数えればきりがないか、ここではバックハウスに話を戻そう。こんなライブがあったのか。この2曲のスタジオ録音はLP、CDと何十回聴いたことか。特に1967年のブラ-ムスは、楽しんで聴ける名盤だ。これを録音した後も彼はコンサ-トでこの曲を弾き続けていたのだ。そしてこんな素晴らしい名演を残していたのだ。勿論完成度ではスタジオ録音かもしれないが、このライブの気迫はどうだ。枯淡の域なんてどこ吹く風か、あまりにも演奏に若さがあふれている。もう云う事なしだ。

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     2010/05/04

    アリス・沙良・オットの国内盤CDを全て持っているにもかかわらず、この2曲を聴くことには最初かなり抵抗がありました。特にチャイコフスキ−は自分自身あまり名曲と思っていませんのでしたので。この曲のいくつかの名盤(ホロヴィッツ、アルゲリッチ、リヒテル[カラヤンとの共演版])も、ピアノの技巧ばかり目だって、「素晴らしい演奏だ、でも2度と聴きたくない」という感じでした。唯一、アンチェルと共演したリヒテルの古い録音のみ例外だ。でもアリスの録音を聴いて、そんな先入観は一掃しました。彼女の演奏からは、ピアノ技巧など何も感じられない。素晴らしい音楽のみ聞こえてくる。誤解しないでほしい。この曲が易しい曲だとは勿論思っていない。彼女の優れた音楽性がテクニックを感じさせないということである。こんな演奏スタイルは過去にもあった。夭折の天才リパッティだ。彼女のリストを聴いた後、リパッティの録音も続けて聴いてみた。(彼の死後50年たってから発見された放送録音で音質は極めて悪いが)この演奏を最初に聴いたときはさすがに、あまりの悪い音質で、少しガッカリしたが、今回続けて聴いてアリス・沙良・オットとリパッティ双方の高い音楽性と完璧なテクニックに感服した次第です。彼女は本当に逸材だ。誰かも書いていたが、彼女がくだらない商業主義に載せられることなく、ピアニストとしての正道を歩み続けることを望むのみです。そして、彼女と同じ時代に生きていることに幸せを感じ、今後彼女の実演にまた、参加できることを楽しみにしている。(それにしてもリパッティと同じ時代に生きて彼の生演奏も聴きたかった)

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     2010/02/05

    何と素晴らしい声か!本当に日本音楽界の奇跡だ。85歳の声だから驚いているのではない。個々の歌曲の表現力の素晴らしさに驚嘆しているのです。人間誰にも老化は避けられないものですが、彼女の声や表現力は殆どそういう衰えが見えないのです。先日、NHKFM放送で彼女の特集番組を聴きましたが、このCD収録曲以外の歌曲や、若き日のオペラの一場面を聴くことが出来、ここでも感激しました。日本の歌を歌う際の、日本語の発音についても理想的だと思います。日本の多くのオペラ歌手は日本歌曲が苦手です。そういう後輩たちへの手本となる演奏です。もし今後彼女がコンサ−トをする機会があれば、我々は絶対聴き逃してはなりません。

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     2010/01/04

    ショパンのワルツ集の決定版といえば、この1950年のスタジオ録音であろう。同年9月のブザンソンのリサイタルも記念碑的だが、リサイタル後半のワルツ集の演奏は、彼の健康状態がうかがい知れて痛ましい 。たまに聴くのはともかく、通常の鑑賞はスタジオ録音盤の方であろう。演奏内容については、多くのリスナ−が語っているのでここではふれない。我々はこの最高の名演を、折にふれて聴けば良い。ワルツ集以外でも、たとえば夜想曲第8番も、この曲の最高の名演の1つである。現在の録音状態と比べれば、つらいところもあるが、気品あふれる演奏である。
     ところで最近、アリス・沙良・オットの録音したショパンのワルツ集を聴いたが、この録音も是非聴いてほしい。個人的にはリパッティ以来の名演の出現だと思います。その中の何曲かは、リパッティの影響を受けていることに間違いありません。彼女はまだ21歳のドイツ人を父に、日本人を母に持つ若手ピアニストですが、彼女もリパッティと同じく、完璧なピアノ技巧と高い音楽性を併せ持っている存在です。天国のコルト−やリパッティは彼女の名演をきっと賞賛しているでしょう。

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     2009/12/31

    あまりにも貴重な録音盤だ。ハスキルの、今まで聴いたことの無いレパ−トリ−も素晴らしいが、それにも増して、リパッティの肉声が聴けるのが何よりだ。インタビュ−の内容の詳細は、「ディヌ・リパッティ 伝説の天才ピアニスト−夭折の生涯と音楽」畠山睦雄著(ショパン出版)に、詳細が載っているので参照してください。新しいレパ−トリ−の練習方法や、ライブ盤のあるモ−ツァルトのピアノ協奏曲のカデンツアについてや、他の作曲家の作品についてなど、彼の肉声を聴けたこと以上に、彼から貴重な示唆を受けることが出来ます。彼が名ピアニストで名教師でもあったことが、よく分かります。興味深いのは、彼が好きな作品が、バッハのコラ−ルやシチア−ノなどの、比較的技術的には難しくない作品ということです。以前、吉田秀和氏が、リパッティのピアノはレガ−ト奏法に素晴らしさがあると、書いていましたが、これらの作品が彼のピアノ語法にぴったり合っていることが、彼のインタビュ−でよく分かりました。勿論バルト−クのピアノ協奏曲も、きわめて貴重な録音です。ワルタ−・レッゲの回想記によると、同曲はスタジオ録音計画に入っていながら、彼の病状悪化のために中止となったものです。ライブ録音が残っていたのは幸運でした。録音も当時としては(ライブとしても)そんなに悪くないです。バルト−クが同曲を作曲したのは1945年、彼の死の年でした。その後すぐに、リパッティがこの曲に注目したのは、彼らが同じ病気(白血病)だったからでしょうか。《リパッティは実際は悪性リンパ腫だった》この録音でも、彼の完璧なピアノ技巧と、素晴らしい解釈に感動します。最後にリパッティのフランス語ですが、このインタビュ−をフランス語の堪能なベルギ−人に聴いてもらいました。何と彼のフランス語には、ル−マニア語訛りがあるそうです。文章表現は申し分ないそうですが、外国語の発音は誰にとっても難しいのですね。フランス語がまったく出来ない私は少し驚いた次第です。余談ですが紹介しました。

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